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若狭トピックス

越前若狭のふれあい 特別号 NO.33 2015年8月19日現在

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高浜発電所3、4号機運転差止仮処分の決定が下されましたが、誤った認定等があり当社は福井地方裁判所に対し不服申立てを行いました

 平成27年4月14日、福井地方裁判所において、当社高浜発電所3、4号機の運転差止めを求める仮処分命令申立てが認められましたが、当社は4月17日、福井地方裁判所に対し、不服申立てを行いました。
 当社は、この決定文の詳細を確認し、個々の事実認定において、地震時の安全対策等、判断に不可欠な基本的事項についての正しい理解を欠いていたり、科学的、専門的技術的知見に基づく客観的証拠等に反する誤った認定をしていることなど到底承服できないことから、不服申立てを行いました。
 なお、高浜発電所3、4号機は、新規制基準の適合性審査会合等で、当社が科学的・技術的観点から安全性についての説明を重ねてきた結果、本年2月12日、原子力規制委員会より原子炉設置変更許可をいただいているプラントです。
 今後、早期に仮処分命令を取り消していただくよう高浜発電所3、4号機の安全性の主張・立証に全力を尽くしてまいります。(次回審尋9月3日予定)

第1回審尋(平成27年5月20日)における誤った認定等に対する当社主張の概要
  原決定 当社主張
1.基準地震動 全国で4つの発電所に5回にわたって、基準地震動を超える地震が到来しており、これらと同様の手法に基づいてなされた高浜発電所の地震想定だけが信頼に値するという根拠は見出せない。 指摘の5事例のうち3事例は旧耐震設計審査指針に基づくもので、新指針による基準地震動を上回るものではありません。東北地方太平洋沖地震の2事例は日本海側では発生し得ないタイプの地震(プレート間地震)によるものです。地震動は、震源や距離だけでなく、観測地点の地盤条件など、さまざまな要因に左右されるものですが、高浜発電所では、最新の科学的知見等を踏まえつつ、敷地周辺の活断層分布状況等に関して実施した詳細な調査・検討結果に基づき、安全側の地震動評価(3連動等)を行い、適切に基準地震動を策定しており、地震想定は信頼に値するものです。
2.外部電源と
主給水ポンプ
外部電源と主給水によって冷却機能を維持するのが原子炉の本来の姿であり、安全上重要な設備としてふさわしい耐震性を持たせるべき。 安全機能を担うのは、非常用ディーゼル発電機や補助給水ポンプであり、送電線等の外部電源やタービンを回す蒸気を発生させるために給水を行う主給水ポンプは発電に必要な設備ですが、安全性確保に関する役割を期待されていない設備です。
基準地震動である700ガル未満の地震によっても、外部電源や主給水が損壊し、冷却機能喪失による炉心損傷に至る危険が認められる。 外部電源や主給水ポンプが損壊しても、非常用ディーゼル発電機や補助給水ポンプにより、冷却機能は維持でき、炉心損傷は起きません。
3.使用済燃料
ピット
使用済燃料は原子炉格納容器のような堅固な施設によって閉じ込められていない。 使用済燃料は水中で貯蔵していれば十分に冷却が行われることから、使用済燃料ピットは、原子炉格納容器のような堅固な施設による閉じ込めを必要としません。
使用済燃料ピットの冷却設備の耐震クラスはBクラスであり、基準地震動未満の地震動でも損壊する具体的可能性がある。 使用済燃料ピットや給水設備、冷却設備は、Sクラス(新規制基準に示す施設の耐震設計上の重要度分類であり、最上位の耐震性をもつ)またはSクラス相当の耐震性を有しており、基準地震動により損壊することはありません。
4.免震重要棟 免震重要棟の設置については、その設置が予定されてはいるものの、猶予期間が事実上設けられている。 新規制基準で設置を要求されているのは、「免震重要棟」ではなく、基準地震動に対して耐震性のある「緊急時対策所」です。なお「緊急時対策所」の設置に猶予期間の定めはなく、高浜3、4号機にはすでに「緊急時対策所」を設置しています。

美浜発電所3号機事故から11年「安全の誓い」の日に、安全最優先の事業活動を誓いました

8月9日(日)、「安全の誓い」の碑の前で、安全最優先の事業活動を誓う八木社長
8月9日(日)、「安全の誓い」の碑の前で、
安全最優先の事業活動を誓う八木社長

8月10日(月)、事故発生時刻に、全社の各職場と一斉に黙祷を行う八木社長(前列左から4人目)
8月10日(月)、事故発生時刻に、全社の
各職場と一斉に黙祷を行う八木社長
(前列左から4人目)

社外の有識者を主体とする「第8回原子力安全検証委員会」を開催しました 「美浜発電所3号機事故の風化防止への取組状況」等について審議いただく

第8回原子力安全検証委員会
第8回原子力安全検証委員会

 当社は、平成27年6月4日に第8回原子力安全検証委員会※1(委員長・渡邉一弘氏〔弁護士〕)を開催しました。
 今回、「美浜発電所3号機事故の風化防止への取組状況」「自主的・継続的な安全性向上に向けた取組状況」「安全文化醸成活動の取組状況」「原子力安全推進委員会※2の取組状況」等について、審議していただきました。
 当社は、引き続き社外有識者からの助言をいただきながら、規制の枠組みにとどまらず、自主的かつ継続的な安全性向上への取組みを着実に進めてまいります。

■主な審議結果
【美浜発電所3号機事故の風化防止への取組状況】
  • 再発防止対策が日常業務に定着し、継続的・自律的に改善されていた。
  • 再発防止対策の各実施項目が設定された経緯や目的を理解し、風化防止の取組みを行っていた。
【安全文化醸成活動の取組状況】
  • 社達「原子力発電の安全性向上への決意」(以下、「理念」という。)の周知・浸透活動は原子力部門において取り組まれていた。
  • 監査側が、原子力事業本部マネジャー、発電所課長等へヒアリングした時、「理念」の浸透活動やその趣旨を踏まえた活動を実施しており、「浸透している」という意見が多かったものの、「さらに浸透させるためには、課レベルで『理念』を振り返り、ディスカッションの継続が必要」や「安全性をたゆまず向上させる意識をさらに醸成していくことが必要」という意見もあった。
  • 「理念」に明記された実践すべき事項については、原子力部門で日常業務の中で整理され、取り組まれていた。これらの取組みを評価する目的で、原子力事業本部が安全文化評価の枠組みを充実・整理していた。
  • ヒアリング結果を踏まえ、「理念」の浸透は道半ばであり、平成27年度も浸透活動に取り組む必要があると評価した。
【自主的・継続的な安全性向上への取組状況】
  • 国内外の知見や提言の反映検討が行われ、またリスク情報を収集、リスクの特定、分析・評価する活動が開始されていた。
  • 安全性のさらなる向上を目指した対策が計画に基づき適切に実施され、その実効性を有するための維持管理活動も適切に実施されていた。
  • 原子炉設置変更許可申請の許認可手続き等を漏れや不備なく、適切に実施していた。
【原子力安全推進委員会の取組状況】
  • 「理念」の周知・浸透状況の評価や助言等を含め、推進委員会による原子力部門へ積極的に支援する姿勢等が認められた。また、推進委員会の審議結果については、社内への情報共有の施策を開始していた。
  • 推進委員会の運営面においては、推進委員会事務局の総合企画本部が原子力事業本部との調整等を実施し、円滑な委員会運営に努めていた。
  • 個別の推進委員会を傍聴した結果、全体を通して「多数の有意義な発言がなされるとともに、原子力部門の取組みが再確認され、意義ある会議であった」と評価し、特に問題点等は認められなかった。
  • ※1 原子力安全検証委員会…「美浜発電所3号機事故再発防止対策」「原子力発電の自主的・継続的な安全への取組み」「安全文化醸成活動」について検証・助言をいただくための社外有識者を主体とした組織
  • ※2 原子力安全推進委員会…「美浜発電所3号機事故の再発防止対策」「原子力の安全文化醸成活動」「東京電力福島第一原子力発電所事故を踏まえた原子力発電の自主的・継続的な安全への取組み」に関して、全ての部門の役員等で議論する社内の委員会

原子力安全検証委員会の審議結果、ご意見の詳細は、当社ホームページをご覧ください。
http://www.kepco.co.jp/energy_supply/energy/nuclear_power/m3jiko/c_anzen/

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