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原子力事業本部
若狭トピックス
当社は、高浜発電所3、4号機の新規制基準への適合性に係る原子力規制委員会の審査会合において、原子力規制委員会から「福井県による津波評価の波源である若狭海丘列付近断層(約90km)を基準津波※1の波源の一つとして評価しなおすこと」等のご指摘を受けたことから、福井県の想定と同じ波源による基準津波の評価等を実施することとしました。なお、これらの評価結果については、今後の審査会合で審議いただく予定です。
- ※1 基準津波…想定される津波の中で施設に最も大きな影響を与えるものであり、発電所の評価地点に到達する最大上昇(下降)水位(設計津波高さ)をもたらす津波
若狭海丘列付近断層を約90kmとして基準津波の評価を実施
若狭海丘列付近断層の位置(イメージ)
○当社は、若狭海丘列付近断層について音波探査記録等を解析した結果、長さ約38kmと約12kmの2つの断層であると評価(右図青ライン参照)していましたが、原子力規制委員会のご指摘を踏まえ、福井県の想定と同じ波源(右図赤ライン・長さ約90km)による基準津波の評価を実施しました。
○評価の結果、若狭海丘列付近断層による津波と海底地すべり()の津波の組み合わせを高浜発電所の基準津波とし、これまでの3、4号機海水ポンプ室付近で標高+2.60mの水位上昇としていたものを+3.73m(取水口前面では+3.99m)に引き上げました。
高浜発電所の津波防護対策
○当社は、基準津波による水位に対して、防潮堤を設置する等の対策を実施する予定です。(下図参照)
高浜発電所津波防護対策
地下構造把握のデータ拡充のための観測・調査を実施
○当社は、高浜発電所の地下構造把握のデータ拡充のため、発電所敷地内外で微動計を使った観測の計画を策定し、調査を実施します。
高浜発電所敷地内での調査位置図
敷地内での微動観測
敷地の地下構造を把握するために、地表に約50m間隔で微動計を設置(●)して地盤内に伝わる常時微動※2を観測します。調査結果は、8月中を目途に報告する予定です。
- ※2 常時微動…地盤は常にわずかに動いており、その微小な地盤の振動のうち振動源が特定できないものを常時微動という。
敷地外での微動アレイ観測
広範囲でより深部の地下構造を推定することを目的に、高浜発電所敷地外の複数地点()で常時微動を観測します。調査結果は、9月中旬頃を目途に報告する予定です。
高浜発電所敷地外での調査位置図
高浜発電所3、4号機について、3連動を考慮した地震動に対する耐震安全性評価を実施
FO-A、FO-B断層と熊川断層の分布
○当社は、FO-A、FO-B断層と熊川断層については、小浜湾内での海上音波探査や熊川断層の西端での反射法地震探査等の結果から、基準地震動※3として3連動を考慮する必要はないと評価しており、今後の審査会合でご説明し審議いただく予定です。
○高浜発電所3、4号機については、基準地震動による耐震安全性評価を実施しましたが、加えて、3連動を考慮した地震動についての評価も実施し、原子力規制委員会に報告する予定です。
- ※3 基準地震動…原子力発電所の周辺で起きると想定される地震による最も大きな揺れの大きさ