事業所・関連施設

若狭トピックス

越前若狭のふれあい 特別号 NO.24 2013年8月23日現在

1 | 2 | 3 | 4

美浜発電所敷地内破砕帯調査の最終報告

 当社は、平成25年7月31日、美浜発電所敷地内で行ってきた破砕帯調査に関する最終報告書を原子力規制委員会に提出しました。旧原子力安全・保安院から、美浜発電所敷地内破砕帯の活動性や周辺断層(白木-丹生断層)との関連性の調査について指示を受け、平成24年9月22日より破砕帯の調査・評価を行い、平成25年2月8日には原子力規制委員会に中間報告を提出しました。その後、敷地内破砕帯の活動性の確認を中心に、ボーリング調査や採取した試料の分析等を実施し、これまでの結果を取りまとめました。
 調査の結果、美浜発電所敷地内の破砕帯の活動性については、少なくとも後期更新世以降(約12~13万年前以降)には活動していないと評価しました。また、敷地内破砕帯と白木-丹生断層との関連性は認められないと評価しました。

【最終報告の概要】
■敷地内破砕帯の活動性
破砕帯は後期更新世以降は活動していないと評価しました

剥ぎ取り調査結果 図

 当社は、ボーリング調査や剥(は)ぎ取り調査※1で破砕帯の位置を確認し、採取した試料を顕微鏡で観察する等、破砕帯の活動性を評価しました。その結果、破砕帯の最新活動面には熱水変質作用※2により生成した粘土鉱物が壊されていないこと等から、熱水変質作用以降、破砕帯は動いた形跡が認められないと判断し、少なくとも後期更新世以降の活動はないと評価しました。

  • ※1 剥ぎ取り調査…地表に薄くかぶった土を剥ぎ取り、破砕帯を実際に目視で確認する調査
  • ※2 熱水変質作用…地下から上昇してくる熱水の影響で、岩盤がその成分を変化させることを熱水変質作用という。美浜発電所敷地周辺では、ドレライト(鉱物)の貫入時期(年代測定から約1400万年前と想定)以降の熱水活動は知られていない。また、若狭湾周辺には、現在、第四紀火山(約250万年前以降)が存在しないことから、相当程度古い時代に熱水活動は終了したと考えられている。

美浜発電所敷地内の破砕帯と調査位置図
            美浜発電所敷地内の破砕帯と調査位置図

■敷地内破砕帯と白木-丹生断層との関連性
敷地内破砕帯と白木-丹生断層との関連性は認められないと評価しました

 当社は、白木-丹生断層から敷地に向かって分岐・派生する活断層の存在を示唆する構造が認められないため、敷地内破砕帯と白木-丹生断層との関連性は認められないと評価しました。

敷地内破砕帯と白木-丹生断層との関連性 図

  • ※3 反射法地震探査…起震車で地面に振動を与え、この振動を観測し、振動の到達する時間を解析して地表下の地質構造を推定する調査
  • ※4 海上音波探査…調査船から音波を出し、海底下の地層中からの反射波を観測し、振動の到達する時間を解析して海底下の地質構造を把握する調査

当社は、引き続き、原子力規制委員会に報告書の内容について丁寧に説明していくとともに、
原子力発電所の安全性、信頼性の向上に努めてまいります。

企業情報