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若狭トピックス

越前若狭のふれあい 特別号 NO.15 2012年6月20日現在

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Q1 今回の再稼動に向けて具体的にはどんな作業をするの?
A ※1 2次系クリーンアップ…2次系機器や配管内に水を循環させて洗浄することで不純物を取り除きます。真空上昇までに行うクリーンアップは配管内に冷水を循環し、真空上昇後は、配管内に温水を循環させて、不純物を除去します。  
※2 真空上昇…プラント起動に向けて、タービンの熱効率向上のため復水器の真空を上昇させます。あわせて、漏えい等の点検などにより復水器の健全性を確認します。なお、復水器とは、タービンで使用した蒸気を海水で冷却し、凝縮(復水)させる熱交換器をいいます。
※3 1次冷却材系統漏えい確認(検査)…1次系冷却材系統の圧力を通常運転より高く保持し、配管各部からの漏えい確認や検査を行います。
※4 起動前弁点検…原子炉を起動する前に、各系統が適切な運転状態になっているかどうか、弁の開閉やスイッチの状態を確認します。
※5 起動に伴う諸検査…原子炉起動や発電開始に向けて、異常時に原子炉を正常に停止するための装置などの諸検査を行います。
※6 原子炉起動…原子炉臨界に向けて、中性子を監視計器で監視しながら冷却材中のほう素濃度の調整と制御棒位置調整(引き抜き作業)を行います。なお、制御棒とは、起動、停止、負荷変化などに伴う反応度変化を制御するために用いる設備をいいます。
※7 臨界…原子炉では、制御棒などによって中性子数を制御していますが、制御棒を徐々に引き抜き、核分裂の連鎖反応が維持される状態になることをいいます。
※8 タービンバランシング…運転中にタービンの振動が大きくならないようにするため、タービンに重りを取り付けます。
※9 タービン保安装置確認…タービンの回転数が上昇しすぎないよう非常で止めるための装置の健全性を確認します。
※10 並列…発電機と送電系統をつなぎ、送電を開始します。
※11 定格熱出力一定運転(フル稼動)…原子炉の熱出力を定格値で一定となるよう運転します。
※12 本格運転…定期検査の最終段階である調整運転中に行う経済産業省の最終検査(総合負荷性能検査)終了後に運転することをいいます。
※13 タービン動主給水ポンプ試運転…タービン動主給水ポンプを実際に駆動し、異常がないかを確認します。なお、タービン動主給水ポンプとは、蒸気を駆動源とした蒸気発生器に水を送るポンプをいいます。
 
Q2 今回の再稼動に向けて万全の体制で取り組むとなっていますが、従来の体制と何が違うの?
A  大飯発電所では、現有の体制(約530名)に、他発電所や原子力事業本部等から要員を派遣し(約10名)、体制を強化するとともに、メーカ、協力会社においても、体制を強化していただきました。(メーカ:ピーク時約50名増員、オフサイトセンター対応約10名増員、緊急時の発電所サポート対応約500名増員、協力会社:約150名増員)これらの体制に基づいて、点検項目の追加、点検頻度を上げるなど慎重に作業を進めてまいります。
 原子力事業本部では、万一のトラブルの際に緊急的に駆けつけられる体制(約15名)を整備するとともに、国や福井県、関係自治体等との連絡体制を強化し、連携を密にしてまいります。
 国による特別な監視体制においては、発電所における状況を的確に把握し、情報共有を図る観点から、当社としても体制を組み、特別な監視体制の拠点となるオフサイトセンターに常駐(約20名)します。特に、安全上重要な局面においては、原子力事業本部長をヘッドに対応します。
 
 
Q3 大飯発電所3号機、4号機はそれぞれいつ再稼動するの?
A  大飯発電所3、4号機の作業工程のうち、2次系クリーンアップについては、配管内を循環させる水の加温に時間を要することが考えられるため、幅を持った作業日数を設定しています。また、タービンバランシングについても、タービンの回転上昇試験の結果を踏まえて、実施の要否を判断することから、タービンの振動が基準値内に収まり実施しなくてもよい場合も含めて、幅を持った作業日数を設定しています。
 よって、これらの作業の進捗状況により、今後、作業日数を変更する場合がありますが、単純に現在予定している日数を計算すると、3号機については、最短で7月1日に原子炉を起動、7月4日に発電を開始(並列)し、7月8日にフル稼動(定格熱出力一定運転)する予定です。4号機については、最短で7月17日に原子炉を起動、7月20日に発電を開始し、7月24日にフル稼動する予定です。
 今後の作業工程については、当社ホームページ等で、適宜、お知らせしてまいります。
 
 
Q4 大飯発電所3号機、4号機は同時に起動させることはできないの?
A  現在、大飯発電所はプラントが全て停止しているため、補助ボイラにより起動に使用する蒸気を賄う必要がありますが、発生可能な蒸気は1プラント分を起動させる量しかありません。
 よって、3、4号機は同時に起動させることができないため、3号機を先行して起動させることとしています。なお、4号機の起動は、3号機が並列した後、3号機の蒸気を使用して起動させることになります。
 ※補助ボイラとは、プラント起動時に、発電所内で蒸気を必要とする機器に蒸気を供給するための設備をいいます。
 
 

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