震災以降、一気に高まった火力発電への依存度
これまで電力会社のほとんどは火力、原子力、水力など複数の電源をミックスすることにより、電力の安定供給を行ってきましたが、東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故以降、この電源構成は大きく変化しました。しかし需給がひっ迫することによる大規模な停電は発生しておらず、その理由の一つに火力発電所の再稼動があると考えられます。
関西電力でも昭和45年に運転開始し、長期計画停止中だった海南発電所2号機を10年ぶりに再稼動するなど、電力需要に応えました。安全に再稼動するために限られた時間で全力で復旧工事を行った結果、関西電力での平成24年度の火力発電所の運転日数は、震災前に比べて5割も増加しました。
一方で、供給力確保のために定期点検を延期するなどして、火力発電所を酷使する状況が続き、トラブルが急増したという現状もあります。
また、東日本大震災前の平成22年度実績とH26年度実績と比べると、火力発電比率は45%から85%に増加、火力燃料費は8,434億円増加しました。
どんな時も安定して電気をお届け
電気を安定して供給するためには「予備力」も必要です。
天気や気温が急変することによって需要が増えたり、社会的事件や設備の想定外の事故によって供給力が落ちても、安定して電気を供給できるように、常に予備力も確保しなければならないのです。
予想される最大電力に加え、予備力をもって発電するために必要な、火力、原子力、水力発電。世界最高レベルの電気の品質が維持できているのは、これらの特徴をうまく組み合わせているからだといえるでしょう。