事業所・関連施設

若狭トピックス

越前若狭のふれあい 特別号 NO.32 2015年5月27日現在

1 | 2 | 3

高浜発電所1、2号機の安全性を確保し、40年を超えた運転を目指します 原子力発電を重要なベースロード電源として有効に活用します 将来にわたって安定的かつ良質で安価な電気を送るため、いろいろな発電方法をバランスよく組み合わせ、「エネルギーベストミックス」を目指します

安全確保

各発電方法をバランスよく組み合わせる
「エネルギーミックス」の考え方は必要不可欠

 現在、そして未来に向けたエネルギーについて考えた場合、安全確保を大前提として、3E(Energy security〔エネルギーの安定供給〕、Economy〔経済性〕、Environmental conservation〔環境保全〕)の同時達成の観点から、一つのエネルギー源に頼るのではなく、複数のエネルギー源をバランスよく組み合わせる「エネルギーミックス」の考え方は必要不可欠です。

原子力は安定性、経済性に優れ、発電時にCO2を排出しません

地球環境に配慮しながら、経済的に長期に安定して電気をつくることが大きな課題です。

※1 発電コスト試算は、事故リスク対応費用(原子力発電所事故の損害費用を最低でも5.8兆円として算入)、環境対策費用、政策費用などの社会的費用も加味されています。

※2 各発電方法別の設備利用率は以下のとおり。
原子力70%、太陽光(住宅用)12%、風力(陸上)20%、水力(一般)45%、石油火力10%、石炭火力80%、天然ガス(LNG)火力80%

※3 エネルギー・環境会議 コスト等検証委員会報告書(平成23年12月19日)による。

※4 発電コスト試算は、事故リスク対応費用(原子力発電所事故の損害費用を最低でも9.1兆円として算入)、環境対策費用、政策費用などの社会的費用も加味されています。

※5 各発電方法別の設備利用率は以下のとおり。
原子力70%、太陽光(住宅用)12%、風力(陸上)20%から23%、水力(一般)45%、石油火力30・10%、石炭火力70%、天然ガス(LNG)火力70%

※6 総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 長期エネルギー需給見通し小委員会 発電コスト検証ワーキンググループ資料(平成27年5月11日)による。

2030年度の
電源構成

2030年度の電源構成
資源エネルギー庁長期エネルギー需給見通し骨子(案)をもとに作成

国のエネルギー基本計画において
原子力を「重要なベースロード電源」としています

 エネルギー基本計画は、エネルギー政策の基本的な方向性を示すために、エネルギー政策基本法に基づき政府が策定するもので、平成26年4月11日に閣議決定されました。
 その中で原子力の位置付けは、「燃料投入量に対するエネルギー出力が圧倒的に大きく、数年にわたって国内保有燃料だけで生産が維持できる低炭素の準国産エネルギー源として、優れた安定供給性と効率性を有しており、運転コストが低廉で変動も少なく、運転時には温室効果ガスの排出もないことから、安全性の確保を大前提に、エネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源である」としています。

長期エネルギー需給見通しにおいて2030年における原子力比率を
20から22%程度とする案が作成されました

 経済産業省 資源エネルギー庁 総合資源エネルギー調査会基本政策分科会 長期エネルギー需給見通し小委員会(平成27年4月28日第8回会合)において、2030年における電源構成に関する骨子案で原子力の比率を20から22%程度とされました。

40年前の発電所でも安全性は確保されるの?

これまでも長期運転に向けた保守管理を行っており、
今後も最新の規制基準に対応し、高い安全性を確保します

 原子力発電所では、設備の状態に関するデータなどを評価して、各設備の特性に応じた点検内容や頻度を定めて約1年ごとに点検や修理を実施しています(定期検査)。また、約10年ごとに、最新の技術や他の発電所のトラブルから得られた教訓・再発防止策などが適切に反映されているか評価・確認しています(定期安全レビュー)。
 その上で、4つの取組み「①計画的な機器の取替え」「②高経年化技術評価の実施」「③特別点検を踏まえた健全性の確認」「④最新の規制基準への対応」により安全性を確保します。

①予防保全の観点から計画的に機器を取り替えています

高浜発電所1、2号機における取替済みの機器例

高浜発電所1、2号機における取替済みの機器例

  • 蒸気発生器
  • 原子炉容器上蓋
  • 燃料取替用水タンク
  • 低圧タービン
  • 復水器
  • 低圧給水加熱器
  • 高圧給水加熱器

②これまでも60年間の運転を想定し、高経年化技術評価を行っています

 運転開始後30年を超える原子力発電所では、60年間の運転を想定した技術的な検討(高経年化技術評価)を行った結果、現状の保全の継続等により、今後も、発電所を健全に維持することが可能であることを確認しています。また、高経年化技術評価の結果を踏まえた機器の取替えや点検の追加を「長期保守管理方針」として策定し、発電所の保守・保全活動により反映しています。なお、高経年化技術評価や長期保守管理方針については、30年以降10年ごとに国により審査が行われ、その妥当性が確認されています。

③特別点検により健全性を確認し、60年間の運転期間を想定した劣化状況の評価を行い、
 問題のないことを確認しました

特別点検、高経年化技術評価、長期保守管理方針により問題のないことを確認しました。【前ページに内容を掲載しています】

④最新の規制基準に適合するよう対策を行います(バックフィット対応)

 平成25年7月8日に施行された新規制基準に対応し、設備の追加や改造を行います。それにより、高浜1、2号機のように運転開始40年を経過する発電所であっても、最新の基準に基づく安全性を確保しており、古い基準のまま運転が継続されることはありません

最新の規制基準が適用されることを、バックフィット制度といいます。

海外ではどうなっているの?

アメリカでは、すでに7割以上の発電所で60年間の運転が認可され、
3割以上の発電所が40年を超えて運転しています

アメリカでの運転状況

 アメリカでは、運転認可期間は40年とされていますが、これを更新認可できる制度があります(10CFR Part 54)。平成26年12月現在、9割以上の発電所が60年の運転更新認可を申請しており、そのうち、7割以上の発電所で60年間の運転が認可されています。さらに、60年を超える運転更新認可について、検討が進められているところです。

企業情報