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大飯発電所
おおい町の語り部たち
宮当講 (人身御供) |
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家に神様を迎え、災厄鎮護を祈る |
秋の行事として行われる小堀の宮当講の歴史は古く、今なお儀礼が比較的忠実に守られている古式豊かな行事です。目的は、「区内の平穏、家内安全、区民和楽、五穀豊穣など、神の恩恵に報い、併せて、神のご加護を祈願」するため。小堀区を上所、下所にわけて、2年に1回ずつ、交替して行います。 | |
宮当講は、10月2日の「おはけだて」の日に始まります。この日は当番の家に神様をお迎えする日といわれています。座敷に近い庭に川砂を盛り、そこに細い竹を刺し、先端にはわらで作ったおはけだてを作ります。そして小堀区の氏神を祀ってある香山(かぐやま)神社の宮司が訪れ、家にしめ縄を張り、床の間に御幣を飾ります。これを目印に、天から神様が降りて、床の間に移るというわけです。当主を昭和56年と平成9年に務めた吉田克さんによると、「当主になると、おはけだての日から毎日、身を清めて、香山神社にお参りに行き、無事に終わることを祈ります。緊張して、身が引き締まるものですよ」と述懐。 |
![]() 当日は、当番の家に集まり、 御神酒をいただきます。 |
10月7日は、神様にお供えものを用意する日。当番の家に集まり、白布または白紙で鼻口をおおい、息がかからぬようにして、のし餅、重ね餅、小餅、大豆などを作ります。そして翌8日は、神社で神様にお祈りをする日です。当番の主人は紋付着物に袴をはき、烏帽子を被ります。御神酒を飲み、朝8時に家を出発。行列で神社に出かけ、人身御供(ひとみごくう)となる女の子と一緒にお供えをして祈ります。ちなみに人身御供には、小学生以下の娘さん3人をお供えすることになっていますが、最近は小学生の人数が少ないため、今は1~2名にしているとか。神社での祈祷後、当番の家に帰り、講員たちと会食。 そして午後、「当渡し」といって、次の当番の家に道具一式をもっていくことで、宮当講を終えます。 「この祭を伝え続けるために、平成5年に、5~6人で行事のやり方を詳しく書き記した『宮乃當諸行事録』を完成させて、全戸に配布しました。これを見れば、若い人でもわかるはずですよ」と語る吉田さんは、これからも宮当講が続くことを強く願っています。 |
![]() お供えの餅などを入れ て用意しておきます。 |
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将来、当主になっても 資料が残っているので 安心。 |
仕事の関係で親父に任せ切りでしたが、5年前から引き継ぎ、今まで2回参加して餅つきを担当しました。将来は私も当主となる日が来ると思いますので、綿密な資料が残っている点は心強く、大変ありがたいですね。せっかく昔から続いている伝統の行事ですので、ぜひとも引き継いで、守っていきたいものです。 | |
中官(なかつかさ) 輝行 さん | |||
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