プレスリリース

2007年11月15日
関西電力株式会社

原子力発電所の運営状況について

当社の原子力発電所における運営状況について、以下のとおりお知らせします。

1.運転状況について(平成19年11月14日現在)
発電所 電気
出力
(kW)
運転状況 備  考
美 浜
発電所
1号機 34.0万 運転中  
2号機 50.0万 第24回 定期検査中
H19年7月20日〜未定
A−蒸気発生器入口管台溶接部での傷の調査状況について
詳細は2(1)のとおり
【その後の状況をお知らせ】
3号機 82.6万 運転中  
高 浜
発電所
1号機 82.6万 運転中
A−非常用ディーゼル発電機の待機除外について
詳細は2(2)のとおり
【事象概要、原因対策をとりまとめましたのでお知らせ】
2号機 82.6万 第24回 定期検査中
H19年8月17日〜未定
制御棒クラスタ動作検査時の制御棒動作不良の点検状況について
詳細は2(1)のとおり
10月26日お知らせ済み】
3号機 87.0万 運転中  
4号機 87.0万 運転中
大 飯
発電所
1号機 117.5万 運転中  
2号機 117.5万 第21回 定期検査中
H19年9月30日〜未定
2次系主給水配管曲がり部の減肉について
詳細は2(1)のとおり
11月7日お知らせ済み】
3号機 118.0万 運転中
プラント排気筒からの僅かな希ガスの放出の原因と対策について
詳細は2(2)のとおり
10月26日お知らせ済み】
4号機 118.0万 運転中  


2.トラブル等情報について

(1) 法令に基づき国に報告する事象(安全協定の異常時報告事象にも該当する事象)
発電所名  美浜発電所2号機 発 生 日 第24回定期検査中(9月25日)
件  名 A−蒸気発生器入口管台溶接部での傷の調査状況について   (添付図1参照)
事象概要
および
対 策 等
 予防保全対策として、蒸気発生器出入口管台(計4箇所)溶接部表面の残留応力を低減させるためにショットピーニング工事※1を実施することとし、9月15日から9月18日にかけて、その施工前確認のための目視点検および渦流探傷試験(ECT)※2を行ったところ、A−蒸気発生器入口管台溶接部においてECTで13箇所の有意な信号指示が認められ、目視点検で1箇所の傷(ECTで有意な信号指示が確認された箇所)を確認しました。
 その後、ECTで有意な信号指示が認められた13箇所で浸透探傷試験(PT)※3を実施したところ、それら全ての箇所において有意な浸透指示模様(最大長さ:約17mm)を確認しました。このため、超音波探傷試験(UT)※4で傷の深さを測定した結果、浸透指示模様で最大長さを確認した部位で深さ約13mmの傷を確認しました。この傷の深さを考慮すると、当該管台溶接部の板厚(約68mm)は、電気事業法に基づく工事計画認可申請書に記載している板厚(75mm)を下回るものと評価されました。
 なお、当該管台溶接部以外の3箇所(A−蒸気発生器出口管台、B−蒸気発生器出入口管台)については、ECTの結果、異常は認められていません。
 本事象による環境への放射能の影響はありません。

<調査状況>
 傷が確認されたA−蒸気発生器入口管台溶接部の内表面について、エッチング※5およびスンプ※6による金属組織観察を行いました。その結果は以下のとおりです。
  エッチングによる金属組織観察の結果、傷は主に600系ニッケル基合金溶接部に認められましたが、ステンレス製短管(セーフエンド)部にも一部認められました。
  最も傷が深かった箇所(長さ約17mm、深さ約13mm)についてスンプ調査を実施した結果、長さ約3〜5mmの複数の割れが軸方向に断続的に存在し、600系ニッケル基合金溶接部内の結晶境界※7に沿った割れでした。この割れの特徴は、これまで国内外の600系ニッケル基合金溶接部で確認されている応力腐食割れと同様の様相でした。
  セーフエンド部で認められた傷についてスンプ調査を実施した結果、粒界に沿って枝分かれした割れが複数認められました。これらについては、内面からのUTの結果から、ごく表層の割れ(深さ約5mm未満)と評価しています。


<今後の予定>
 割れが発生した原因について詳細に調査するため、11月下旬頃に、A−蒸気発生器の入口管台溶接部および配管の一部を切断し、試験研究機関に搬出して、破面観察や化学成分分析等の調査を実施する予定です。
 このため、今後の定期検査工程(当初計画では発電再開時期を11月上旬としていた)については現時点では未定です。

9月25日10月18日 お知らせ済み]

 美浜2号機の蒸気発生器入口管台溶接部と同様に600系ニッケル基合金を使用し、渦流探傷試験(ECT)を実施していない高浜2,3,4号機および大飯4号機のうち、現在、定期検査中の高浜2号機については、平成19年11月下旬から12月上旬の期間でECTを実施します。その他については、至近定期検査でECTを実施することを検討しています。

  ※1: ショットピーニング工事
金属表面に金属の玉を高速度でたたきつけることにより、金属表面の引張残留応力を圧縮応力に変化させる工事。
  ※2: 渦流探傷試験(ECT)
材料表面に渦電流を流して、材料に発生する電磁誘導の変化から検査対象の傷を検出する方法。
  ※3: 浸透探傷試験(PT)
試験体表面に開口している傷を目で見やすくするため、可視染料の入った高浸透性の液を浸透させた後、余分な浸透液を除去し、現像剤により浸透指示模様として観察する方法。
  ※4: 超音波探傷試験(UT)
構造物に入射した超音波が欠陥に当たって跳ね返ってくる反響を観察することにより、欠陥の形態、形状、寸法を調べる方法。
  ※5: エッチング
金属の表面を磨いた後、しゅう酸水溶液等により表面を腐食させ、溶接部や母材部などの金属組織の違いを出現させて光学顕微鏡で観察する方法。
  ※6: スンプ
損傷部の表面にフィルム等を貼り付け写し取り、これを顕微鏡で観察。金属サンプルを切り出すのと同様に、損傷部の金属組織の調査が可能。
  ※7: 結晶境界
溶接部では、溶融した金属が固まる際にできる柱状の結晶(デンドライト結晶)ができる。




発電所名  高浜発電所2号機 発 生 日 第24回定期検査中(10月1日)
件  名 制御棒クラスタ動作検査時の制御棒動作不良の点検状況について   (添付図2参照)
事象概要
および
対 策 等
 定期検査中の10月1日、制御棒クラスタ動作検査の一環としてオーバーラップ操作を行い、制御棒位置の確認を行っていたところ、制御棒ステップカウンタでは全ての制御棒が全挿入位置にあることを表示していましたが、制御棒位置指示装置では制御棒1本がほぼ全引き抜き位置にあることを確認しました。
 このため、制御棒位置指示装置の点検を行った結果、位置指示装置には異常がなく、当該制御棒の手動挿入確認を行ったところ、制御棒駆動装置の電流波形等に正常な波形と異なるものが認められたため、制御棒駆動装置または制御棒の動作不良であると判断しました。
 その後、当該制御棒について、手動にて挿入および引き抜き操作を繰り返し行った結果、当該制御棒は全挿入位置に挿入されました。
 なお、本事象による環境への放射能の影響はありません。


 動作不良の原因を調査するため、原子炉容器上部ふたを開放した後、当該制御棒および制御棒が挿入されていた燃料集合体、制御棒クラスタをガイドする案内管、制御棒駆動軸と制御棒駆動装置について、カメラによる目視点検等を行った結果は以下のとおりです。


  燃料は今回装荷した新燃料集合体であり、外観に異常は認められませんでした。
  案内管の下部で制御棒クラスタの動きをガイドするCチューブ(断面がC型形状の管)1本において、制御棒クラスタが通過する面の上端から約40cmの範囲に連続した複数の筋状模様を確認しました。
  また、当該Cチューブを通過する制御棒クラスタでは、下部案内管の上端付近(全引き抜き時の相当位置)から上方約40cmの範囲で、クラスタ表面に連続した筋状模様が認められ、それより上部では断続的な筋状模様を確認しました。
  制御棒駆動装置のラッチ(爪)には異常は認められませんでしたが、駆動軸の表面では、手動操作の際に挿入が困難となった位置付近で、通常はラッチが噛みあわない部位にこすれ痕を確認しました。


 制御棒動作不良の原因が特定できていないことから、今後、当該制御棒が挿入される燃料集合体、制御棒クラスタおよび案内管の詳細点検を行います。また、残りの燃料集合体(156体)について原子炉から取り出して点検するとともに、下部炉心構造物を取り出して原子炉容器底部の点検を実施します。

10月2日10月10日10月26日 お知らせ済み]




発電所名  大飯発電所2号機 発 生 日 第21回定期検査中(11月7日)
件  名 2次系主給水配管曲がり部の減肉について    (添付図3参照)
事象概要
および
対 策 等
 定期検査中に2次系配管点検の一環として、主給水隔離弁から蒸気発生器までの主給水配管について超音波による肉厚測定を実施した結果、11月7日、4系統ある主給水配管のうち1系統のC−主給水隔離弁下流の配管曲がり部の肉厚が10.9mm(実測最小値)で、技術基準に定められた計算必要厚さ(15.7mm)を下回っていることを確認しました。


 当該以外の3系統(A、B、D)の主給水隔離弁下流の配管曲がり部については、今回の定期検査で実施した肉厚測定の結果、計算必要厚さを上回っていることを確認しています。


 今後、当該部を切断して原因調査を行います。


 なお、本事象による環境への放射能の影響はありません。

11月7日 お知らせ済み]




(2)安全協定の異常時報告事象
発電所名  大飯発電所3号機 発 生 日 定格熱出力一定運転中(10月24日)
件  名 プラント排気筒からの僅かな希ガスの放出の原因と対策について  (添付図4参照)
事象概要
および
対 策 等
 定格熱出力一定運転中の10月24日、当社社員が4号機体積制御タンクの水位が若干低下傾向にあることを確認しました。
 関連パラメータおよび操作実績を確認した結果、同日9時20分から1次冷却材の定期試料採取を実施していたことが確認されたため、試料採取室を点検したところ、試料採取フード内のシンク(流し台)に、4号機Dループ高温側試料採取ラインから試料採取水が流れていることが判明しました。また、その際、試料採取ラインの弁が開いていることを確認しました。
 このため、直ちに試料採取ラインの弁を閉止し、同日13時00分頃、試料採取水の停止を確認しました。流出した試料採取水(320リットル)は全てドレン系統で回収されており、環境への放出はありません。
 当該弁のある試料採取フード内の気体は3号機プラント排気筒から連続放出されているため、当該弁が開状態であった期間中、4号機の1次冷却材中に含まれる希ガスが環境に放出されたものと評価しました。排気筒モニタの指示値から、環境への希ガス放出放射能量は約5.0×10Bqと評価され、保安規定に基づく放出管理目標値(3.9×1015Bq/年)に比べ約780万分の1以下であることを確認しています。なお、発電所敷地内および周辺のモニタリングポストの指示値は平常と変わりなく、環境への影響はありません。


1.調査結果
(1)試料採取員への聞き取り調査結果
  当日は、1次冷却材定期試料採取(4回/週)として、3号機の1次冷却材の試料採取を実施した後、4号機の1次冷却材の試料採取を実施していました。
  3号機での試料採取後には試料採取ラインからの流水が停止したことを目視確認していましたが、4号機での試料採取後には、空気圧で動作する試料採取弁の操作スイッチの閉止操作を行った際に、弁閉止時の空気排出音が聞こえた気がしたことから、弁が閉止したものと思い込み、弁からの流水が停止したことや弁開閉表示灯での確認を実施していませんでした。
(2)当該弁および操作スイッチの点検結果
  当該弁の開閉動作はスムーズであり、弁の固着や配管部からの空気漏れなどの異常は認められませんでした。
  操作スイッチについても開閉操作を実施した結果、確実に弁が開閉され、異常のないことを確認しました。


2.推定原因
  試料採取員が4号機の試料採取弁を閉止しなかったため、試料採取弁から1次冷却材の流出が継続し、その中に含まれる希ガスが3号機プラント排気筒から放出されたものと推定されました。
  試料採取弁を閉止しなかった原因は、試料採取員が弁操作スイッチの閉止操作を行った際に、弁閉止時の空気排出音が聞こえた気がしたことから、弁が閉止したと思い込んだものと推定されました。
  また、弁開閉表示灯が試料採取フード上部の見上げる場所に位置しており見づらいこと、弁操作スイッチに開閉位置表示がついておらず位置確認が難しいことといった設備上の問題点も明らかになりました。


3.対 策
  原子力事業本部長および発電所長が、発電所員全員に対し、機器操作時の自問自答、指差呼称の確実な実施等の基本動作を再徹底するよう訓示します。また、試料採取員全員に対し、基本動作の再訓練を計画的に実施します。
  試料採取を行う際の基本事項の実施・確認について、注意喚起表示を行います。
  試料採取をフード内にて行う弁について、操作スイッチの開閉位置表示を速やかに取り付けます。
  また、試料採取をフード内にて行う弁について、今後以下の設備改善を検討し、実施します。
弁開放により流水がある場合は、試料採取者への注意喚起を音や光等にて行う。
見やすい開閉表示灯とする。
操作ミスをしても設備面でバックアップできるように、弁からの流水が長時間継続しないようにする。
  なお、本事象について第3者を加えたヒューマンファクター分析を実施し、発生要因のさらなる検討を行い、得られた結果を踏まえ対策の充実を図ります。

10月24日10月26日 お知らせ済み]




発電所名  高浜発電所1号機 発 生 日 定格熱出力一定運転中(11月5日)
件  名 A−非常用ディーゼル発電機の待機除外について (添付図5参照)
事象概要
および
対 策 等
 定格熱出力一定運転中の11月5日、2台ある非常用ディーゼル発電機のうちA号機の定期起動試験(1回/月)を行ったところ、「Aディーゼル発電機故障」等の警報が発信し、起動しませんでした。
 このため、保安規定の運転上の制限※1を満足していないものと判断し、A号機を待機除外※2としました。なお、保安規定に基づき、同日にB号機の起動試験を行い、動作可能であることを確認しました。この事象による環境への放射能の影響はなく、プラントの運転にも影響はありませんでした。


 警報発信時の状況を確認したところ、ディーゼル発電機のシリンダに始動用空気が供給され機関が始動するはずのところ、全く機関は動いていないことが分かりました。機関本体および始動用空気系統の点検を行ったところ、機関本体の動作に異常は認められませんでしたが、始動用空気系統のうち、シリンダへ始動用空気を供給する始動弁の開閉を制御する空気が通っている配管の途中にあるナット締め構造の継手部1箇所が外れていることが確認されました。
 当該継手部が外れたことにより制御空気が漏れたため、始動弁が開かずに、シリンダへの始動用空気が供給されず、機関が始動しなかったものと推定されました。
 当該配管は、定期検査時に弁の点検のため、配管の両端にある弁との接続部で取外し、取付けが行われていますが、この作業の際に配管途中の継手部のナットが緩み、ディーゼル発電機の試験運転時の振動により徐々にナットが回って、外れたものと推定されました。
 当該部および同様な構造の継手部(計18箇所)について、緩みがないように締め付け、ディーゼル発電機の試運転を行って健全性を確認した後、11月8日に待機状態(運転上の制限を満足している状態)に復帰しました。
 また今後、当該配管の取り付け作業の際には、配管途中の継手部に緩みがないことを確認することとします。


  ※1  保安規定の運転上の制限:
運転中は、非常用ディーゼル発電機2台が動作可能であることが求められている。
  ※2  待機除外:
通常、いつでも起動できる状態(待機状態)にある機器を、点検等のために自動起動できない状態にすること。



(3)保全品質情報等

   なし

以 上