01電気を生み出す / 水力発電所冬の黒部 自然との闘い①
冬の黒部を守り続ける「ダム水路員」
冬の黒部ダム、気温マイナス20度、風速10m/秒を超え、人を寄せ付けない厳しい環境のなか静かに佇みます。冬場は観光ルートが閉ざされ、一般の観光客は足を踏み入れることがきなくなりますが、ここを職場として働き続けるダム水路員は、冬の間も6日間勤務3日休日の4人体制で監視にあたっています。
美しく弧を描くアーチ式のダムは堤長492m、高さ186m。ダム全体の状態を監視するための監査廊(ダム提体内部の通路)は約10kmにおよびます。寒さで機械が凍りつくと動作不良や故障につながるため、ダム水路員は必ず定期的に1日1回巡視します。
自然災害からダムを守る
冬場、ダム水路員に緊張が走るのが、雪崩により上流の川がせき止められる「スノーダム」。このダムが決壊すると大量のシャーベット状になった雪が土石流のようにダムに押し寄せ、急激にダムの水位を押し上げたり、時には災害にいたる可能性もあります。ダム水路員はこのように自然災害と隣り合わせの環境で重要な任務を遂行しています。
また、急な体調不良でも交替要員を簡単に確保できるわけではありません。そのため、ダム水路員はマスクなど健康管理には最大限の注意を払っています。
電気をお届けするステップ
