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高浜発電所だより

高浜発電所だより 第130号 2020年9月

高浜発電所長 木島 和夫
高浜発電所長
木島 和夫

 当社は9月18日、高浜1号機の安全性向上対策工事につきまして、機器の据付けや取替え等の本工事を完了いたしました。

 高浜1、2号機につきましては、新しい規制基準に対して、2016年4月に原子炉設置変更許可、2016年6月に運転期間延長認可をいただき、工事を開始してから約4年間、大型クレーン倒壊事故や労働災害、役員等の金品受取り問題、新型コロナ対策など、高浜町の皆さまに多大なるご心配とご迷惑をおかけしてまいりましたが、このたび、高浜1号機の機器の据付けや取替え等の本工事を完了することができました。工事期間中、ひとかたならぬご理解とご支援を賜りました高浜町の皆さまに心より御礼申し上げます。

 当社はこれまで、福島第一原子力発電所のような事故を二度と起こさないとの強い決意のもと、徹底した安全対策に努めてまいりました。高浜1、2号機では、2016年9月から原子炉格納容器の上部遮へい設置工事や火災防護対策工事など、建設以来経験したことのない大規模な安全性向上対策工事を実施してまいりました。高浜1号機については今後、足場の解体などの後片付け作業を行うとともに、2号機についても、安全性向上対策工事を慎重に継続してまいります。引き続き、原子力の安全確保に終わりはなく、安全性をたゆまず向上させていくという強い意志と覚悟を持ち、安全最優先の取組みを進めてまいります。

 当社は、安全性が確認された原子力プラントについては、安全確保を大前提として有効に活用していきたいと考えており、運転開始から40年以降の運転の必要性ならびに安全性につきまして、丁寧にご説明し、高浜町の皆さまのお声を伺いながら、ご理解を賜る活動に全力を尽くしてまいります。

 当社はここ高浜町で原子力事業を営む地域の一員として、事業をしっかりと継続させていただくことで信頼を賜り、地域の発展に貢献しながら、これからも高浜町の皆さまと共に歩んでまいる所存でございます。

高浜1号機(右)2号機(左)
高浜1号機(右)2号機(左)

号機 電気出力(kW) 運転状況(2020年8月末現在)
1号機 82.6万 第27回 定期検査中
2011年1月10日~
2号機 82.6万 第27回 定期検査中
2011年11月25日~
3号機 87.0万 第24回 定期検査中
2020年1月6日~
4号機 87.0万 運転中

高浜発電所1、2号機 主な安全性向上対策工事について VR映像と工事動画をご覧いただけます ※視聴にかかる通信料はお客さまのご負担となります。 高浜発電所1、2号機にて実施している主な工事についてご紹介します

 格納容器上部遮へい設置工事

万が一の重大事故発生時に原子炉格納容器から放出される放射線を低減するため、原子炉格納容器の上部にドーム状の鉄筋コンクリート造の遮へいを設置しています。

高浜発電所1,2号機 格納容器上部遮へい設置工事 工事動画へ

高浜発電所1,2号機 格納容器上部遮へい設置工事(VR)

 燃料取替用水タンク取替工事

1号機と2号機の間にある「燃料取替用水タンク」を、鋼板の厚さを増したものに取り替え、耐震性に十分余裕をもたせる工事を行いました。

高浜発電所2号機 海水取水設備移設工事 工事動画へ

 中央制御盤取替工事

従来のアナログ式中央制御盤を、最新のデジタル式へ取り替えました。この取替えにより、視認性、操作性、メンテナンス性などが大幅に向上します。

高浜発電所2号機 海水取水設備移設工事(立坑トンネルVR)

 海水取水設備移設工事(2号機のみ)

安全上重要な機器に必要な海水を取り込むため、強固な岩盤内に配管を敷設するトンネルを掘削し、新たな配管を設置しています。

高浜発電所2号機 海水取水設備移設工事(水平坑トンネルVR)

高浜発電所1,2号機 格納容器上部遮へい高浜発電所1,2号機 燃料取替用水タンク取替工事 工事動画へ

高浜発電所1,2号機 中央制御盤取替工事(VR)

 火災防護対策工事

発電所構内に敷設している重要なケーブルは、難燃ケーブルに引き替えたり、ケーブルの束を防火シートで巻き付けたりする等の防火措置を実施しています。

高浜発電所1,2号機 火災防護対策工事 工事動画へ


主な安全性向上対策工事動画(全編)はこちら


高浜発電所は、新規制基準への対応にとどまることなく、国内外の新たな知見を踏まえた自主的な安全性向上に取り組んでまいります。
今後とも、安全最優先で安全・安定運転を続けることで、高浜町をはじめ地域の皆さまにご安心いただき、また、電力の安全・安定供給を果たすことで、社会の皆さまの暮らしをお支えするという使命を果たすため、一歩、一歩、たゆまぬ取組みを続けてまいります。
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