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若狭トピックス

越前若狭のふれあい 特別号 NO.18 2012年10月3日現在

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大飯発電所と美浜発電所の敷地内破砕帯の追加調査を実施しています
破砕帯の連続性、活動性等を評価

 当社は、原子力安全・保安院から平成24年7月18日に大飯発電所敷地内のF−6破砕帯※1、8月29日には美浜発電所敷地内の破砕帯について、追加調査の計画を策定するようご指示をいただきました。これを受け、7月25日に大飯発電所、9月5日には美浜発電所の調査計画をとりまとめ、原子力安全・保安院に提出し、ご承認を得た上で調査に着手しています。

【原子力安全・保安院からの指示内容】

 敷地内破砕帯に関する調査計画の策定と原子力安全・保安院への報告

〈大飯発電所〉
1 F−6破砕帯の性状を直接確認するための適切な場所を選定した上で、必要な調査を実施すること
2 F−6破砕帯の長さを確認するための調査を実施すること
〈美浜発電所〉
1 敷地内の複数の破砕帯の性状を直接確認するための適切な場所を選定した上で、必要な調査を実施すること
2 敷地内の複数の破砕帯と周辺の活断層※2(白木(しらき)−丹生(にゅう)断層)との地質構造上の関連性を明らかにするための調査を実施すること

【大飯発電所敷地内F−6破砕帯の追加調査計画】*

1.実施内容(図1参照)
1 F−6破砕帯の性状を直接確認するための調査(活動性等の調査)
  • ボーリング調査で採取したボーリングコア※3の変形組織の観察や、トレンチ調査※4で破砕帯を直接確認するとともに、破砕帯を覆って堆積している地層の変位・変形を確認します。
  • 破砕帯を覆って堆積している地層について火山灰分析等で年代測定を行い、堆積している地層の年代を評価します。
2 F−6破砕帯の長さを確認するための調査(連続性の調査)
  • 台場浜付近の海岸沿い及び北方の岩礁地帯の地表踏査※5により、F−6破砕帯の北方側の連続性を再度確認します。
  • 南方側では、正門前のボーリング調査や、既設の陀羅山(だらやま)トンネル内の底盤のコンクリートを取り除いて、F−6破砕帯が延びているか確認します。
2.今後の対応
 今回提出した追加調査計画は、平成24年7月31日に行われた国の審議会においてご承認をいただき、8月6日から調査に着手しています。調査結果は、10月末までに中間報告を行い、12月末までに最終報告を行う予定です。

【図1】大飯発電所追加調査計画位置図

【美浜発電所敷地内破砕帯の追加調査計画】*

1.実施内容
1 敷地内破砕帯の性状を直接確認するための調査(活動性等の調査)(図2参照)
 発電所敷地内の地表の剥(は)ぎ取り調査※6や海岸付近の地表踏査を行い、敷地内の破砕帯を直接確認するとともに、破砕帯内にある物質の年代測定を行うことにより、破砕帯の活動性について評価します。
2 敷地内破砕帯と白木−丹生断層との関連性を明らかにするための調査(図3参照)
 美浜町丹生付近で反射法地震探査※7とボーリング調査、丹生湾内で海上音波探査※8を実施するとともに、航空レーザー測量※9を行い、敷地内の破砕帯と白木−丹生断層との関連性(白木−丹生断層が分岐して美浜発電所に向かうような地質構造が認められないこと)について確認します。
2.今後の対応
 今回提出した追加調査計画は、平成24年9月7日に行われた国の審議会においてご承認をいただき、9月22日から調査に着手していま す。調査結果は、平成25年1月末までに中間報告を行い、3月末までに最終報告を行う予定です。

【図2】美浜発電所追加調査計画位置図(敷地内) 【図3】美浜発電所追加調査計画位置図(敷地外)

  • ※1 F−6破砕帯…大飯発電所1、2号機と3、4号機の間の地下をほぼ南北に走っている破砕帯。破砕帯とは、主に断層活動により、断層沿いの岩盤が砕かれて礫状(れきじょう)になった部分
  • ※2 活断層…原子力発電所の耐震設計上考慮する活断層は、後期更新世以降(約12〜13万年前以降)の活動が否定できない断層
  • ※3 ボーリングコア…ボーリングによって採取された円柱状の試料
  • ※4 トレンチ調査…敷地内にトレンチ(溝)を掘り、破砕帯を覆って堆積している地層の変位等を実際に目視で確認する調査
  • ※5 地表踏査…現地を歩いて目視で地質の状況を直接確認する調査
  • ※6 剥ぎ取り調査…人力及び重機(ショベルカー)で地表に薄くかぶった土を剥ぎ取り、破砕帯を実際に目視で確認する調査
  • ※7 反射法地震探査…起震車で地面に振動を与え、この振動を観測し、振動の到達する時間を解析して地表下の地質構造を推定する調査
  • ※8 海上音波探査…調査船から音波を出し、海底下の地層中からの反射波を観測し、振動の到達する時間を解析して海底下の地質構造を把握する調査
  • ※9 航空レーザー測量…航空機から地上に向けてレーザーパルスを照射し、地上から反射し戻ってくるレーザーを受信して地表面を3次元で詳細に計測することにより、変動地形の有無 を把握する調査

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