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原子力事業本部
若狭トピックス

非常用予備発電機
(非常用ディーゼル発電機)
このたびの東北地方太平洋沖地震にかかる東京電力原子力発電所で発生した事態につきまして、当社は、福井県西川知事ならびに地元の皆さまからのご要請を受け、11基の原子力発電所の原子炉を「止める」「冷やす」、放射性物質を「閉じ込める」ための安全上重要な機器の健全性について確認を行っています。
これまで、主要機器の巡回点検等を行ってきましたが、これらの点検とは別に、原子力発電所に外部からの電源が喪失した場合に使用する非常用予備発電機(非常用ディーゼル発電機)等の起動試験や各種計器の指示値の確認など、設備の安全性について順次再確認を行っています。
また、東京電力原子力発電所で発生した事態の詳細内容が分かり次第、ソフト面やハード面を含めた対策を講じることとしていますが、現段階で考えられる、以下の対策についての検討を既に開始しています。
- [対策例1]
- 非常用予備発電機(非常用ディーゼル発電機)以外に、移動が可能な空冷式非常用発電機※の設置
- ※冷却に水を使用しない空冷式のもので、津波の影響を受けないよう動かすことができる発電機
- [対策例2]
- 原子炉を「冷やす」ために必要な海水ポンプに対する津波による波の影響を受けない対策の強化
- [対策例3]
- 海水ポンプの予備として移動が可能なディーゼル駆動ポンプの設置
- [対策例4]
- 原子力発電所に外部からの電源が喪失し、さらに非常用予備発電機も運転できない場合を想定した緊急時対応訓練の強化
●日本周辺の地質構造と地震について
日本周辺のプレート
日本海には大きな津波の発生の原因となる海溝型のプレート境界がないことから、若狭湾周辺で大きな津波が生じる可能性は低く、文献などからも周辺で津波による大きな被害記録はありません。
●電源がない場合の原子炉を「冷やす」機能について
当社原子力発電所は、万一、非常用予備発電機が起動せず、原子力発電所内の全ての電力供給が喪失した場合でも、電力を必要としない蒸気で駆動するタービン動補助給水ポンプ※1により、蒸気発生器の2次系側に冷却水を給水し、発生した蒸気※2を大気に放出して炉心を継続的に冷却することができます。
- ※1 蒸気でタービンを回し、その力で給水するポンプ
- ※2 この蒸気には放射能は含まれておりません。
●事故を想定した訓練の実施について
当社は、原子力発電所に外部からの電源が喪失し、さらに非常用予備発電機も運転できない状態となり、事態が進展することを想定した運転員による訓練を実施しています。
また、福井県、立地町と連携し、同様の事故が発生した場合の原子力防災訓練を毎年実施しています。