
供給面の取り組みとして、原子力分野では、安全最優先に7基の安定運転継続とともに、次世代革新炉である革新軽水炉の開発を三菱重工業と当社を含む電力4社(北海道・四国・九州・関西)との共同で進めている。
再エネ分野では、山形県遊佐町沖での洋上風力発電事業者に選定されたことに加え、水力発電所の大規模改良工事による水資源の最大活用や、ファンドを設立してコーポレートPPAを行う太陽光発電事業へ投資するなど、再エネの一層拡大に積極的に取り組んでいる。
福井県おおい町で製造された原子力由来水素等を使って発電した電気を万博会場に届けている
革新軽水炉「SRZ-1200」のイメージ 提供:三菱重工業
再エネ拡大に伴う発電量変動に対する調整力としての蓄電所開発にも力を注いでおり、2030年代を目途に100万kWの蓄電所開発をめざしている。
併せて火力発電のゼロカーボン化も推進。姫路第二発電所では水素混焼発電実証を進めており、実証で発電した電力の一部を大阪・関西万博の会場へ供給している。また、南港発電所では、高効率コンバインドサイクル機への設備更新計画を進めており、設備更新によりCO₂排出係数を約3割低減することが期待できる。さらに、2030年代のCCS(CO₂分離回収・貯留)技術導入や水素混焼の実用化に向け取り組んでいる。
洋上風力開発を推進
写真提供:秋田洋上風力発電
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設備更新でCO₂排出低減をめざす南港発電所
需要面の取り組みとしては、家庭・産業・運輸など幅広い分野でのゼロカーボン化を推進しており、家庭向けにはオール電化のさらなる普及に注力。産業分野では省エネ、電化、創エネ等を組み合わせたゼロカーボンソリューションの提供を加速。運輸分野ではEV導入に向けた充電やエネルギーマネジメントサービスなどを提供し、モビリティの電化を後押しする。
「将来にわたる安定的な電力供給とゼロカーボン社会を実現することで、電気のあるあたりまえの暮らしを守り、創っていきたい。さらには、脱炭素化を成長機会と捉え、新たなエネルギーサービスの提供に挑戦していく」と小川は熱く結んだ。