2019年9月20日から日本で初めて開催(かいさい)されるラグビーW杯(ワールドカップ)。楽しみにしている人も多いよね。
ラグビーについてよくわからないなあという人も、これを読めばスッキリすること間違いなし!?

『ゲインライン』がわかればラグビーがわかる!?

■ラグビーってどんなスポーツ ?

ラグビーは1チーム15人。選手全員が協力しながら、ボールを抱(かか)えて走ったり、パスを投げたりキックをしながら、相手のゴールラインを目指すスポーツだよ。
早速だけど、ラグビー観戦を楽しむためのポイントを紹介(しょうかい)していくよ!

■ラグビーは陣取りゲーム!?

ラグビーってちょっと難(むずか)しそうだけど、ラグビーは陣取(じんと)りゲームと考えることができるんだ。フィールド中心のハーフウェイラインと平行にゴールラインがあって、その線より手前が自陣(じじん)、奥(おく)が敵陣(てきじん)と考えるとわかりやすいよ。
そもそもラグビーは、パスは前には出せないし、さらにボールより前でプレーするのもだめなんだ。つまり前進させるには「ボールを持って進む」か「キックする」しかないんだ。
その方法で、いかに相手の陣地(じんち)の奥までボールを運べるかが、得点につながるんだ。

■「ゲインライン」がわかればラグビー観戦がものすごく面白くなる!

ラグビーは、1回の攻撃(こうげき)で得点が決まるということはあまりないんだ。多くの場合は、2回、3回と攻撃を繰(く)り返して、少しずつ前に進み、ようやくトライが決まることがほとんどなんだよ。
この1回の攻撃でどれだけ前に進んだか、その指標になるのが「ゲインライン」。ゲインラインとは、実際にそういう線があるわけではなく、スクラム等、攻撃の起点になるポイントを通る、ゴールラインと平行にひかれた仮想の線のこと。1回の攻撃でこのゲインラインを1センチでも超(こ)えて、その攻撃が2回3回…と続けば、確実に前進したことになる、というわけなんだ。つまり、ラグビーはゲインラインをめぐる攻防(こうぼう)、とも言えるんだよ。

●1回の攻撃の例

1.ボールを味方にパスする

2.ボールを受けた選手が
走って前進

3.敵のタックルにあい、
前進が止まる

4.ブレイクダウン。
ボールの奪(うば)い合いが行われ、1.に戻(もど)る

■どうやってゲインラインを突破(とっぱ)する?

ではどうやったら、ゲインラインを突破できるんだろう?3つの方法を解説するよ。

【ゲインラインを突破する方法①ラン】

ボールを持ってゴールを目指し果敢(かかん)に走る姿(すがた)は、かっこいいよね。ボールを拾ったところから、1歩でも前に出れば、ボールを前に進めたことになるから、単純(たんじゅん)な攻撃だけど確実な方法ともいえるよ。敵にタックルされても、倒(たお)れずに駆(か)け抜(ぬ)けていってトライを狙(ねら)うよ。

【ゲインラインを突破する方法②パス】

パスによる代表的な攻撃に「オープン攻撃」があるよ。味方選手が斜(なな)めのアタックラインを作り、順繰(じゅんぐ)りにパスを回しながらゲインラインを突破するんだ。
このとき重要なのは、敵より味方のほうの人数を多くすること。たとえば味方が2人、敵が1人だったとするよね。敵のタックルで一人がつぶされても、もう一人にパスをすれば、簡単(かんたん)にゲインラインを突破できるというわけだ。

でも敵も1対1でマークする相手を決めているから、簡単に人数が多い状況(じょうきょう)を作ることはできないよね。その場合、攻撃側は、途中(とちゅう)で一人飛ばしてパスをしたり、パスを受け取るふりをする選手を入れたり、一度パスを受けた選手がもう一度アタックラインに加わるなどして、びっくりするようなパスワークで敵を惑(まど)わすよ!

【ゲインラインを突破する方法③キック】

ラグビーではボールを前に投げるのはダメだけど、キックで前に蹴(け)ることはできるよね。何人もが連なって後ろにパスしながら前進するよりも、1回で遠く前のほうまで運べるキックのほうが効率的だと思うよね。実際、敵のいないスペースにボールを蹴り、そこに味方を走りこませてトライ、ということもあるよ!ただし、キックはパスよりも正確ではないし、ボールの転がりが読みにくいから難易度(なんいど)が高いんだ。敵にボールが渡(わた)る=攻撃権(こうげきけん)を失うこと 可能性も高くなるんだね。

■どうやって攻(せ)められるのを防ぐ?

ディフェンス(守備)側は、アタック側からゲインラインを越(こ)えられないように、押(お)し戻(もど)さなければならないんだ。
そのためには、ボールを持った1人目にきっちりタックルを決めることが重要なんだよ。ディフェンスはゲインラインよりもできるだけ敵陣(攻撃側)でアタックを止めるように前進してタックルするんだ。その場で待っていてはいけないんだね。
1人目で相手を止められないと、2人目、3人目はどんどんスピードに乗って走ってくるから、タックルをかわされてしまうと、ディフェンスラインも越えられて大ピンチになってしまうんだ。

■ゲインラインとあわせて注目するポイント!

【体がぶつかりあう迫力(はくりょく)と、走り出すスピードがすごい!】

ラグビーの特徴(とくちょう)はスピード感と重量感。世界には体重130キロで100メートルを10秒台で走るような選手もいて、そんな選手の突進(とっしん)を食い止めようと、体重100キロ以上の選手がタックルするんだから、見ているだけでも迫力満点なんだよ。
それに、選手8人対8人がガッチリと組み合って、ぎゅうぎゅうに押し合ってボールを奪い合うスクラムは、「時速50キロの車の衝突(しょうとつ)事故」と例えられることもあるほどの衝撃(しょうげき) !ぶつかりあう時の音もすごいから、ぜひ注目して聞いてみてね。

【体が小さくても、頭脳(ずのう)と戦略でカバー!】

ラグビーは体の大きな選手のほうが有利に思えるよね。特にスクラムでは、体の大きな選手がいるチームのほうが有利だけど、そんな体格差を「戦略」や「頭脳」でカバーできるのも、ラグビーの面白さなんだ。たとえば体格面で劣(おと)るチームでは地面に付く足の角度や向き、組み合う時の首の角度まで細かく決めて、スクラムを組み、体格差をカバーしているんだって。他にも、体の小ささを生かして、相手のすきをついて走り出したり、体の使い方を工夫したりして活躍(かつやく)する選手はたくさんいるよ。そんな選手に注目して見るのも面白いね。

一番盛り上がる瞬間(しゅんかん)はターンーバー!?

一番盛り上がる瞬間(しゅんかん)はターンーバー!?

ターンオーバーは、相手からボールを奪って、攻守(こうしゅ)が逆転すること。試合の流れが変わる大きなポイントになることが多く、ターンオーバーから一気にトライを決める場合もあるよ。
なかでも「ジャッカル」という、タックルを受けて倒れた選手からボールを奪い取るプレーは、攻守が一瞬(いっしゅん)で交代するため、チームをピンチから救える大事なプレー。1試合で200回以上ジャッカルのチャンスがあるけれど、成功するのは2、3回ほどなんだって。

コラム

(2019年6月時点の内容です)

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