3.これってホント!? 元号おもしろエピソード!

ここまで元号の歴史や意味を見てきたけど、とても長い間使われてきただけに、元号に関するおもしろいエピソードがたくさんあるんだ。
ここまで知っていると、君も元号博士だ!

■温泉(おんせん)で若返(わかがえ)ったから改元!?

美濃(みの)国(今の岐阜県)にあった多度山美泉(たどさんよきいずみ)という温泉地には、「お酒がわき出る泉(いずみ)を見つけた子どもが、お酒を持ち帰って老いたお父さんに飲ませてお父さんを養った」という言い伝えがあるんだ。

717年、元正(げんしょう)天皇がその地に行って泉のお酒をのんでみたところ、実際に元気になったんだって。そこで元正天皇は、717年〜724年までの間「養老(ようろう)」という元号を付けたんだよ。
こんな不思議な言い伝えから元号を付けちゃうなんていうこともあったんだね!

■最も短い元号はたったの2ヶ月!?

たくさんある元号の中で最も長い間使われたのは「昭和」で、62年14日も続いたんだ。じゃあその逆に、最も短い元号はどれくらいの間使われたと思う?
なんとたったの2ヶ月と14日間しか使われなかったんだ!
その元号とは、1238年11月23日〜1239年2月6日までの間に使われた「暦仁(りゃくにん)」というもの。
「りゃくにん」というのは「略人」という字を当てることもできるんだけど、こう書くと「この世から人々が略される=人々が死んで消えてしまう」というこわい意味にもなってしまうんだ。
だから当時の人たちから文句を言われて、たった2ヶ月しか使わずに別の元号に変えることになったんだって。
興味深いエピソードだけど、付ける前にわからなかったのかな?

■「迷惑(めいわく)」だから元号が変えられた!?

日本が江戸(えど)時代だった1764年〜1772年までの間、「明和(めいわ)」という元号が使われていたんだ。
特におかしな元号には見えないけど、明和9年、1万人以上の人が亡くなった「明和の大火(たいか)」という大火事をはじめたくさんの災害が起こったんだ。
当時の人たちは、「明和9年、つまり“めいわくねん(迷惑年)”だから悪いことばかりが起こるんだ!」と考えたんだって。実際にその年の11月には元号を変えることになったんだ!

■最初で最後!?クジで決定した年号!

元号のルールが変わった明治。その由来などは前のページで見てみたけど、実はこの元号はくじ引きで決まったんだ!
「そんな適当に決めちゃっていいの!?」と思うかもしれないけど、もともと日本ではくじ引きはとても神聖(しんせい)なもので、江戸時代という長い歴史が終わったからこそ、神様に決めてもらおうとしたのかもしれないね。
ただ、くじ引きで元号を決めたのは歴史上この1回だけなんだ。

■歴史に残るまちがいで大混乱(だいこんらん)!?

最も長い間使われた「昭和」という元号。この元号が使われはじめたのは1926年からのことなんだけど、正式に新しい元号が発表される直前にある新聞社が「新しい元号は“光文(こうぶん)”に決定!」というニュースを出したんだ。
でもみんなも知ってるように、正しくは「昭和」という元号だったんだ。
でも「新聞社が政府の発表前に記事にしたから、“光文”と決まっていた元号を“昭和”に差し替えた」という説も出てきていたので、もしかしたらみんなのおじいちゃんやおばあちゃんたちは「昭和生まれ」じゃなくて「光文生まれ」だったのかもしれないね。

(2019年3月時点の内容です)

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