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2020年8月4日
関西電力株式会社

原子力発電所の運営状況について

 当社の原子力発電所における運営状況について、以下のとおりお知らせします。

1.運転状況について(2020年8月3日現在)
発電所 電気
出力
(kW)
運転状況 備  考
美 浜
発電所
3号機 82.6万 第25回 定期検査中
2011年5月14日~未定
 
高 浜
発電所
1号機 82.6万 第27回 定期検査中
2011年1月10日~未定
 
2号機 82.6万 第27回 定期検査中
2011年11月25日~未定
 
3号機 87.0万 第24回 定期検査中
2020年1月6日~2021年1月中旬予定
高浜発電所3号機の定期検査状況について(蒸気発生器伝熱管の損傷に関する点検状況の続報)
詳細は3(1)のとおり
4号機 87.0万 運転中  
大 飯
発電所
3号機 118.0万 第18回 定期検査中
2020年7月20日~2020年10月下旬予定
大飯発電所3号機 出力降下中における一時的な運転上の制限の逸脱について
詳細は3(3)のとおり
4号機 118.0万 運転中  
<新規制基準適合性審査に係る申請を行ったプラント>(2020年8月3日現在)
1.重大事故等対処施設
発電所名 申請 申請日 補正日 許認可日
大飯
3、4号機
原子炉設置変更許可申請 2013. 7. 8 2016. 5.18
2016.11.18
2017. 2. 3
2017. 4.24
2017. 5.24
工事計画認可申請 2013. 7. 8
2013. 8. 5※1
2016.12. 1
2017. 4.26
2017. 6.26
2017. 7.18
2017. 8.15
2017. 8.25
保安規定変更認可申請 2013. 7. 8 2016.12. 1
2017. 8.25
2017. 9. 1
使用前検査申請 3号機:2017.8.28
(開始:2017.9.11)
4号機:2017.8.28
(開始:2017.9.14)
2017.11.30 3号機:2018. 4.10
4号機:2018. 6. 5
高浜
3、4号機
原子炉設置変更許可申請 2013. 7. 8 2014.10.31
2014.12. 1
2015. 1.28
2015. 2.12
工事計画認可申請 2013. 7. 8
2013. 8. 5※1
2015. 2. 2
2015. 4.15
2015. 7.16※2
2015. 7.28※2
2015. 9.29※3
3号機:2015. 8. 4
4号機:2015.10. 9
保安規定変更認可申請 2013. 7. 8 2015. 6.19
2015. 9.29
2015.10. 9
使用前検査申請 3号機:2015. 8. 5
(開始:2015. 8.17)
4号機:2015.10.14
(開始:2015.10.21)
3号機:2015.10.14※4
3号機:2015.11.25
4号機:2015.11.25
3号機:2016. 2. 8
3号機:2016. 2.26
4号機:2017. 6.16
美浜3号機 原子炉設置変更許可申請 2015. 3.17 2016. 5.31
2016. 6.23
2016.10. 5
工事計画認可申請 2015.11.26 2016. 2.29
2016. 5.31
2016. 8.26
2016.10. 7
2016.10.26
保安規定変更認可申請 2015. 3.17 2019. 7.31 2020. 2.27
使用前検査申請 2017.12.15
(開始:2018.1.15)
2019. 2. 6
2020. 4. 7
高浜
1、2号機
原子炉設置変更許可申請
(高浜1~4号機)
2015. 3.17 2016. 1.22
2016. 2.10
2016. 4.12
2016. 4.20
工事計画認可申請 2015. 7.3 2015.11.16
2016. 1.22
2016. 2.29
2016. 4.27
2016. 5.27
2016. 6.10
保安規定変更認可申請 2019. 7.31
使用前検査申請 2016.10. 7
(開始:2016.11.14)
2019. 2. 6
2020. 4. 7
  • ※1:高浜発電所3、4号機では2015.2.2の補正書に、大飯発電所3、4号機では2016.12.1の補正書に、2013.8.5の申請内容を含めたため、2013.8.5の申請を取り下げ。
  • ※2:高浜発電所3号機および共用設備のうち3号機に分類した設備について補正書を提出。
  • ※3:高浜発電所4号機および共用設備のうち4号機に分類した設備について補正書を提出。
  • ※4:高浜発電所4号機の共用設備の使用前検査時期を高浜発電所3号機の使用前検査工程に反映した記載内容の変更。
2.特定重大事故等対処施設
発電所名 申請 申請日 補正日 許認可日
高浜
3、4号機
原子炉設置変更許可申請 2014.12.25 2016. 6. 3
2016. 7.12
2016. 9.21
工事計画認可申請 2017. 4.26 2018.12.21
2019. 4.26
2019. 7.17
2019. 7.30
2019. 8. 7
保安規定変更認可申請 2020. 4.17 - -
使用前検査申請 2019. 8.13 2019. 8.30
2020. 2. 3
2020. 2.27
2020. 3.24
2020. 4. 7
2020. 4.23
-
高浜
1、2号機
原子炉設置変更許可申請
(高浜1~4号機)
2016.12.22 2017. 4.26
2017.12.15
2018. 3. 7
工事計画認可申請 (第1回)2018. 3. 8 (第1回)2018.10. 5
(第1回)2019. 2.19
(第1回)2019. 3.20
(第1回)2019. 4. 9
(第1回)2019. 4.19
(第1回)2019. 4.25
(第2回)2018.11.16 (第2回)2019. 5.31
(第2回)2019. 8. 2
(第2回)2019. 8.21
(第2回)2019.9.13
(第3回)2019. 3.15 (第3回)2019. 8. 2
(第3回)2019. 9.27
(第3回)2019.10.24
(第4回)2019. 5.31 (第4回)2019.12.25
(第4回)2020. 2.13
(第4回)2020. 2.20
保安規定変更認可申請 - - -
使用前検査申請 (第1回)2019. 7. 9 2020. 3.24 -
(第2回)2019.10.17
(第3回)2019.11.12
(第4回)2020. 2.27
美浜3号機 原子炉設置変更許可申請 2018. 4.20 2020. 4. 1
2020. 5.22
2020. 7. 8
工事計画認可申請 2020. 7.10 - -
保安規定変更認可申請 - - -
大飯3、4号機 原子炉設置変更許可申請 2019. 3. 8 2019.12.26
2020. 2. 5
2020. 2.26
工事計画認可申請 (第1回)2020. 3. 6 (第1回)2020. 4.14 -
保安規定変更認可申請 - - -

※2020.4.1以降は関係法令等の改正(新検査制度導入)により「設計及び工事計画認可申請」として申請。

2.廃止措置の状況(2020年8月3日現在)
発電所 廃止措置の状況
美浜発電所 1号機 ・2次系設備の解体撤去作業中(2018.4.2 ~)
2号機 ・2次系設備の解体撤去作業中(2018.3.12 ~)
大飯発電所 1号機 ・2次系設備の解体撤去作業中(2020.4.1 ~)
・系統除染作業中(2020.4.1 ~)
2号機 ・2次系設備の解体撤去作業中(2020.4.1 ~)
・系統除染作業中(2020.4.1 ~)
3.トラブル情報等について
(1)法令に基づき国に報告する事象(安全協定の異常時報告事象にも該当する事象)
発電所名 高浜発電所3号機 発 生 日 2020年2月18日
件  名 高浜発電所3号機の定期検査状況について
(蒸気発生器伝熱管の損傷に関する点検状況の続報)
事象概要
および
対策等

 高浜発電所3号機は、第24回定期検査を実施中、3台ある蒸気発生器(SG)の伝熱管全数について渦流探傷検査(ECT)※1を実施した結果、B-SGの伝熱管1本、C-SGの伝熱管1本について、管支持板部付近に外面(2次側)からの減肉とみられる有意な信号指示が認められました。
 その後、小型カメラを用いて当該伝熱管の外観を調査した結果、B-SG伝熱管に幅約4mm、C-SG伝熱管に幅約1mmと約4mmの周方向のきずがあることを確認しました。いずれもきずの形状から摩耗減肉の可能性が高いことを確認するとともに、当該伝熱管周辺の管支持板等に接触痕が認められました。
 このため、異物が接触した可能性が考えられることから、SG器内およびSGブローダウン系統のタンク、弁等の機器およびその周辺に異物が残存していないか調査を行った結果、C-SGおよびA-SGの流量分配板※2上で異物(金属片)を確認しました。
 確認された金属片を回収し、工場で分析した結果、金属片は配管等に使用されているうず巻ガスケット※3の一部である可能性があると推定しました。

  • ※1 高周波を流したコイルを、伝熱管に接近させることで対象物に渦電流を発生させ、対象物のきず等により生じた渦電流の変化を電気信号として取り出すことで、きず等を検出する検査であり、伝熱管の内面(1次側)より、伝熱管の内面(1次側)と外面(2次側)の両方を検査している。
  • ※2 管板と第1管支持板の間に設置しているドーナツ形状の平板。
  • ※3 配管の継手部や容器のマンホール部、弁やポンプのボンネット部に使われている シール材。

[2020年2月18日28日4月17日お知らせ済み]

1.調査状況

 4月までの調査では、伝熱管の外面減肉が確認されたB-SGで異物が確認されなかったことから、SG器内について、点検範囲を拡大して追加調査を行うとともに、SGブローダウン系統の配管直管部内の調査を行いました。また、回収した金属片の発生源および金属片が伝熱管を損傷させた可能性について調査を行いました。

(1)SG器内(2次側)およびSGブローダウン系統の追加調査

a.SG器内(2次側)の異物調査の状況

 小型カメラを用いて、B、C-SG器内の第3管支持板より上部の管支持板の上面を調査した結果、異物は認められませんでした。
 なお、A-SGについては、現在、調査を行っています。

b.SGブローダウン系統の異物調査の状況

 SGブローダウン系統の配管直管部内について、小型カメラを用いて点検を行った結果、異物は認められませんでした。

(2)回収した金属片に関する調査

a.2次系給水系統のガスケットの調査

 回収した金属片は、配管等に使用されているうず巻ガスケットの一部の可能性があることから、2次系給水系統の配管や機器について、類似のガスケットを使用している箇所(20箇所)を抽出し、過去の点検記録を確認した結果、ガスケットが損傷し系統内に流出した実績はありませんでした。
 また、類似のガスケットを使用している箇所を開放して点検した結果、ガスケットの取付状態に異常は認められませんでした。

b.C-SGで回収した金属片が伝熱管をきずつけた可能性の調査

 運転中のSG器内(2次側)の流況を模擬した試験装置を用いて、金属片と形状、重さが同じ試験片を管支持板下部に配置したところ、水の流れにより試験片が管支持板下面に保持され伝熱管に接触することを確認しました。

2.今後の予定
  • ・SG器内について、管支持板等の上面以外に異物が残存していないか確認するため、A~C-SG器内に水を張り、底部から窒素を噴射させ、排水する操作を行った後、排水内の異物確認を行うとともに、管板部を小型カメラで確認します。
  • ・引き続き回収した金属片が伝熱管をきずつけた可能性およびSG器内に混入した経路等について調査を行います。

[2020年7月17日お知らせ済み]

以 上 

(2)安全協定の異常時報告事象
なし
(3)保全品質情報等
発電所名 大飯発電所3号機 発 生 日 2020年7月20日
件  名 大飯発電所3号機 出力降下中における一時的な運転上の制限の逸脱について
事象概要
および
今後の
対応等
 大飯発電所3号機(加圧水型軽水炉 定格電気出力118万キロワット、定格熱出力342万3千キロワット)は、第18回定期検査のため、7月20日3時40分から出力降下中のところ、6時12分に原子炉炉心の出力が不均一になったことを示す警報(1/4中性子束偏差大)が発信し、6時20分に保安規定の運転上の制限の逸脱と判断しました。
 保安規定では、運転上の制限から逸脱した場合の対処の一つとして、原子炉出力を降下させる手順となっているため、そのまま出力降下作業を継続し、6時33分に原子炉出力が50%以下となったため、運転上の制限から復帰しました。

[2020年7月20日 ホームページ掲載済み]

 本事象を踏まえ、当該検出器の点検を実施するとともに、プラントのパラメータおよび当時実施した運転操作の手順等の確認を行った結果、いずれも異常はありませんでした。
 出力降下時の検出器指示値について、過去の運転実績も踏まえて確認したところ、4つの検出器指示値の差は、出力降下に伴って拡大する傾向にあることを確認しました。
 検出器指示値は、通常運転の状態から常に揺らぎがあり、今回は、出力降下に伴って各検出器指示値の差が大きくなったタイミングに揺らぎが重なり、一時的に一定の範囲を超えたことから、警報が発信したものと推定しました。
 出力降下中は検出器指示値を監視しており、今後とも警報が発信した場合には速やかにプラントに異常がないことを確認します。

  • ※原子炉では、炉心を上から円状に見て4分割し、4つの検出器により炉心出力を監視しています。保安規定上、原子炉出力が50%を超えている間は、この4分割した炉心出力の差を一定の範囲(2%)内にすることを運転上の制限としていますが、今回は1/4炉心間で一定範囲を超える差(2.2%)が出たため、警報が発生したものです。
保安規定の運転上の制限の逸脱
 運転上の制限とは、安全機能を確保するため、予備も含めて動作可能な機器(ポンプ等)の必要台数や、原子炉の状態毎に遵守すべき温度や圧力の制限が定められているものであり、これを満足しない状態が発生すると、事業者は運転上の制限からの逸脱を宣言し、予め定められた時間内に修理等を行うことが必要となる。

以 上 

以 上

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