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2020年4月17日
関西電力株式会社

高浜発電所3号機の定期検査状況について(蒸気発生器伝熱管の損傷に関する点検状況の続報)

 高浜発電所3号機(加圧水型軽水炉 定格電気出力87万キロワット、定格熱出力266万キロワット)は、第24回定期検査を実施中、3台ある蒸気発生器(SG)の伝熱管全数※1について渦流探傷検査(ECT)※2を実施した結果、B、C-SG伝熱管の管支持板部付近に外面(2次側)からの減肉とみられる有意な信号指示が認められました。
 その後、有意な信号指示があった管支持板部付近を小型カメラで調査した結果、B-SG伝熱管に幅約4mm、C-SG伝熱管に幅約1mmと幅約4mmの周方向のきずがあることを確認するとともに、当該伝熱管周辺の管支持板等に接触痕が認められました。

[2020年2月18日28日お知らせ済み]

  • ※1 過去に有意な信号指示が認められ、施栓した管等を除きA-SGで3,272本、B-SGで3,248本、C-SGで3,262本、合計9,782本。
  • ※2 高周波を流したコイルを、伝熱管に接近させることで対象物に渦電流を発生させ、対象物のきず等により生じた渦電流の変化を電気信号として取り出すことで、きず等を検出する検査であり、伝熱管の内面(1次側)より、伝熱管の内面(1次側)と外面(2次側)の両方を検査している。
1.調査状況

 伝熱管外面に減肉が認められた原因として、異物が接触した可能性が考えられることから、SG内部(2次側)およびSGブローダウン系統に異物が残存していないか等について調査を行いました。

(1)SG内部(2次側)の異物調査の状況

 小型カメラを用いて、伝熱管の外面減肉が確認された第3管支持板より下の範囲を調査した結果、C-SGの流量分配板上※3で異物(金属片)を確認しました。一方、B-SGでは異物を確認することができませんでした。
 また、A―SGについても調査した結果、流量分配板上に異物(金属片)を確認しました。
 C-SGおよびA―SG内で確認された異物(金属片)を回収し、工場において化学成分の分析および電子顕微鏡による観察を行った結果、以下のことを確認しました。

(工場調査結果)

  • ・C―SGで回収した金属片は、縦約33mm、横約5mm、厚さ約0.2mm、重さ約0.3g、A―SGで回収した金属片は、縦約24mm、横約5mm、厚さ約0.2mm、重さ約0.2gの線形状でした。
  • ・成分分析の結果、主成分は鉄であり、その他にクロムとニッケルが検出され、ステンレス鋼(SUS304相当)と推定しました。
  • ・これらの分析結果から、金属片は配管等に使用されているうず巻ガスケット※4(幅4.5mm程度)の一部である可能性があると推定しました。
  • ・電子顕微鏡による観察の結果、金属片にはいずれも複数箇所で筋状の擦れ跡や摩耗、打痕が認められました。
  • ※3 管板と第1管支持板の間に設置しているドーナツ形状の平板
  • ※4 配管の継手部や容器のマンホール部、弁やポンプのボンネット部に使われているシール材
(2)SGブローダウン系統の異物調査の状況

 プラント停止以降、SG器内の2次系冷却水はSGブローダウン系統を通じて排水することから、異物が滞留する可能性がある箇所として、タンク、弁等の機器およびその周辺の調査を行いました。その結果、異物は認められませんでした。

2.今後の予定
  • ・今回見つかった金属片が伝熱管をきずつけた可能性について調査を行います。
  • ・2次系給水系統の配管や機器について、回収した金属片と類似のうず巻ガスケットを使用している継手部等の開放点検を行い、ガスケットの状態を確認します。
  • ・SG器内の点検範囲を拡大し、第3管支持板より上部について、小型カメラによる点検を行います。
  • ・SGブローダウン系統の配管内部についても、異物が残存していないか、引き続き調査を行います。

以 上

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