プレスリリース

2007年4月27日
関西電力株式会社

大飯発電所1号機の原子炉起動および調整運転の開始について

大飯発電所1号機 第21回定期検査中の保全品質情報等について

 大飯発電所1号機 第21回定期検査中における保全品質情報等のうち「法令に基づく報告事象や安全協定の異常時報告対象のうち重要な事象」に至らない軽微事象等保全品質情報等について、以下のとおりお知らせします。


1.保全品質情報について

実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則および電気関係報告規則に基づく報告事象や安全協定の異常時報告事象に該当する事象を含め、保安活動向上の観点から、産官学において情報共有することが有益である事象



(1) 「法令に基づく報告事象や安全協定の異常時報告対象のうち重要な事象」に至らない軽微な事象
発電所名  大飯発電所1号機 発 生 日 第21回定期検査中(4月19日)
件  名 制御棒位置指示装置の不具合について(添付図1参照)
事象概要
および
対 策 等
 定期検査中の平成19年4月19日、「RPI(制御棒位置指示装置)軽故障」警報が発信しました。その際、制御棒については正常な位置にあると判断でき、その他の運転パラメータは変化なく、異常はありませんでした。
 点検の結果、制御棒位置指示装置のケーブル、検出器コイル、コネクタのいずれかに不具合があることが考えられますので、今後、これらの詳細点検を実施します。
 なお、本事象による環境への放射能の影響はありません。


     RPI(制御棒位置指示装置)
コイルで制御棒位置を検出し、指示計とプラントコンピュータに信号を伝送し、制御棒位置を表示するもの。

[平成19年4月19日 お知らせ済み]

 詳細点検の結果、検出器コイルに電源を供給している引き出し線の接続部1箇所で断線が認められました。また接続不完全な箇所も1箇所確認されたため、これらの補修を行いました。
 なお、他の制御棒位置指示装置全数52本についても点検を行ない健全であることを確認しました。




2.その他情報
(1)不具合情報
発電所名  大飯発電所1号機 発 生 日 第21回定期検査中(3月15日)
件  名 仮設レール撤去作業中の協力会社作業員の負傷について(添付図2参照)
事象概要
および
対 策 等
 定期検査中の3月15日、復水器の伝熱管取替工事に使用した仮設レールの切断・撤去作業において、切断したレールをチェーンブロック1本で吊って床面に降ろそうとしましたが、その途中でレールが架台に引っかかったため、引っかかりを解消しようとしてチェーンブロックを揺すった際に、レールの一部が、近傍にいた作業員の右足大腿部に接触して負傷しました。
 調査の結果、原因は切断したレールがチェーンブロック1本で吊られていたため不安定な状態であったこと、および架台がレールに引っかかった際に作業を中断して状況の確認を行わず引っかかりを外そうと揺らしたことにより、レールのバランスが崩れ、近傍にいた作業員にレールが接触し、負傷したものと推定されました。
 対策として、吊り荷の形状が複雑な場合には吊り荷を安定させるために2本以上で吊ること、吊り荷を上げる際には、吊り荷が振れる方向に人がいないことを確認すること、吊り荷が引っ掛かった場合には作業を中断し、状況を十分確認することを関係者に周知徹底しました。


  ※:    復水器の伝熱管取替工事
復水器の伝熱管からの海水漏えいを防止するため、伝熱管の材質を耐食性の優れたものに取替える工事。

[平成19年4月5日 お知らせ済]




発電所名  大飯発電所1号機 発 生 日 第21回定期検査中(3月26日)
件  名 原子炉補助建屋での水漏れについて(添付図3参照)
事象概要
および
対 策 等
 定期検査中の平成19年3月26日、原子炉補助建屋の機器ドレンキャップ※1から水が漏えいしていることを当社社員が発見しました。状況を確認したところ、ほう酸補給タンク内の純水を排出しており、排出先の廃液ホールドアップタンク※2の受入弁が閉止されていました。このため、直ちに純水排出作業を中止するとともに、受入弁を開放し漏えいは停止しました。漏えいした水は、床面の排水目皿を通じて全て回収され、環境への放射能の影響はありませんでした。なお、漏えい水量は約0.1mと推定され、床面に汚染のないことを確認しました。

 調査を行った結果、廃液ホールドアップタンクの水位計の性能検査※3を担当する原子炉保修課は、検査前に廃液ホールドアップタンクの受入弁の切替操作を実施する必要があることから、隔離明細書※4に記載して検査に必要な操作として発電室に依頼しました。その際、当該弁の切替操作を発電室で実施することは、隔離明細書の注意事項にしか記載しておらず、発電室は当該弁の切替操作を実施しなければならないという認識を持っていませんでした。 一方、原子炉保修課は、当該弁の切替操作を発電室に連絡した際に、お互いに依頼内容を十分に確認しなかったことから原子炉保修課は当該弁の切替操作が許可されたものと思い込み、当該弁を閉止しました。その後、別の作業のため発電室がほう酸補給タンク内の排水作業を実施しましたが、当該弁が閉止していたことから、排出した水が逆流し、漏えい事象に至りました。
 このことから、操作移管されていない弁は操作しないという基本動作が守られていなかったこと、および具体的な操作内容の相互確認が不十分であったことが原因と推定されました。
 再発防止対策として、発電所長から全所員に対し、基本動作の徹底と、作業前に隔離明細書の内容について発電室と担当課が必ず対面で相互確認を行うことを周知徹底しました。


  ※1:    機器ドレンキャップ
機器ドレン配管が床から出ており、その配管にドレンやベントからのホース使用時に差し込んでドレンを流すものであり、不使用時は、ねじのついたキャップが取り付けてあるもの。
       
  ※2:    廃液ホールドアップタンク
機器開放時のブロー水、床清掃時の純水、機器のシール水などを受け入れるタンク。
       
  ※3:    性能検査
動作要素の標準値(模擬信号)を加え、そのときの出力を確認する定期事業者検査。
       
  ※4:    隔離明細書
検査に伴う発電室員、検査担当課員(原子炉保修課員)の操作範囲、内容、操作順番を明確にし、発電室、 検査担当課の双方で確認した帳票。

[平成19年4月5日 お知らせ済]




(2)その他情報(工学的安全施設の予防保全作業)

   なし


以 上

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