プレスリリース

2007年4月17日
関西電力株式会社

原子力発電所の運営状況について

当社の原子力発電所における運営状況について、以下のとおりお知らせします。

1.運転状況について(平成19年4月16日現在)
発電所 電気
出力
(kW)
運転状況 備  考
美 浜
発電所
1号機 34.0万 第22回 定期検査中
H18年11月1日〜未定
【お知らせ済み】
「余熱除去系統サンプリングラインの溶接事業者検査手続き漏れの原因と対策について」
詳細は2(1)のとおり

【お知らせ済み】
「Bループ室壁面からの僅かな水のにじみについて」
詳細は3(1)のとおり
2号機 50.0万 運転中  
3号機 82.6万 第22回 定期検査中
H19年4月4日〜H19年8月上旬までの予定 
高 浜
発電所
1号機 82.6万 運転中  
2号機 82.6万 運転中  
3号機 87.0万 運転中
4号機 87.0万 第17回 定期検査中
H19年4月13日〜H19年8月上旬までの予定 
大 飯
発電所
1号機 117.5万 第21回 定期検査中
H18年12月22日〜H19年5月中旬までの予定
【お知らせ済み】
「仮設レール撤去作業中の協力会社作業員の負傷について」
詳細は3(1)のとおり

【お知らせ済み】
「原子炉補助建屋での水漏れについて」
詳細は3(1)のとおり
2号機 117.5万 運転中  
3号機 118.0万 運転中
4号機 118.0万 運転中 【新 規】
「第7A高圧給水加熱器非常用水位制御器の不調について」
詳細は3(1)のとおり


2.保全品質情報について
※:

保全品質情報
 実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則および電気関係報告規則に基づく報告事象や安全協定の異常時報告事象に該当する事象を含め、保安活動向上の観点から、産官学において情報共有することが有益である事象



(1)法令に基づく報告事象や安全協定の異常時報告対象のうち重要な事象
発電所名  美浜発電所1号機 発 生 日 第22回定期検査中(2月16日)
件  名 余熱除去系統サンプリングラインの溶接事業者検査手続き漏れの原因と対策について  (添付図1参照)
事象概要
および
対 策 等
 定期検査中の2月16日、今回の定期検査で実施した余熱除去系統※1サンプリングライン※2の溶接形状変更工事において、溶接事業者検査※3を実施していない箇所が2箇所あることが判明しました。
 当該工事は、平成17年3月に発生した大飯発電所3号機の加圧器気相部サンプリングラインからの1次冷却水漏えい事象の水平展開※4として、余熱除去系統サンプリングラインの第一弁の下流配管の溶接形状を変更するとともに、溶接時の作業性を考慮し、第一弁とその上流側配管をあわせて取り替えたものです。
 美浜発電所1号機では、前回定期検査に引き続き、今定期検査で大飯発電所3号機の事象の水平展開として133箇所(当該2箇所を除く)の溶接形状変更工事を行っています。
 当社は、溶接事業者検査が電気事業法に基づく重要な手続きであるにも関わらず、手続き漏れが発生したことを重大な問題と捉え、2月19日に社内に「溶接事業者検査手続き問題対策検討会」を設置し、同検討会および社内のトラブル対策委員会において、原因の究明および再発防止対策の検討を行ってきました。


  (1)発見に至った経緯
  サンプリングライン溶接形状変更工事について、次回定期検査の工事計画立案のため、メーカーが当該サンプリングラインの図面を確認していたところ、当該箇所で溶接事業者検査が未実施であることが判明しました。
   
  (2)調査結果
  a.事実経過
    当該サンプリングラインの溶接形状変更工事は溶接事業者検査対象外でありましたが、溶接時の作業性を考慮し、余熱除去系統からの第一弁とその上流側配管を取り替えることとしたため、その溶接箇所が溶接事業者検査対象となりました。
しかしながら、業務決定文書を作成した担当者は、当該部を溶接事業者検査対象外と判断していました。
    課内上位者、技術アドバイザー、技術課長などの審査者は、業務決定文書の審査を行いましたが、添付資料の系統図には余熱除去系統の主配管を示していなかったため、取り替える弁が余熱除去系統からの第一弁であることを認識できませんでした。
    さらに、施工会社から提出された工事図面の審査においては、使用材料等の技術基準への適合についての審査を実施しており、溶接事業者検査の要否に関する観点で審査は行われていませんでした。

  b.問題点
    担当者が溶接事業者検査を不要と判断しましたが、この背景には、実務経験が浅い担当者に対する課内上位者の業務フォローのあり方、溶接事業者検査等の法令業務を体系的に修得する教育の仕組みに問題がありました。
    業務決定文書や工事図面の審査段階で、工事範囲に溶接事業者検査対象となる余熱除去系統からの第一弁が含まれることをチェックできなかった背景には、審査方法や添付資料のあり方等に問題がありました。

  (3)推定原因
  1   教育計画の問題
       溶接に携わる社員を対象として、溶接事業者検査に関する教育を計画的に実施していたものの、受講者は定期検査を3〜6回経験した者から選抜することとしていたため、当該担当者に、溶接事業者検査要否判断に関する十分な教育を実施していませんでした。
  2   書類作成ルールの問題
     溶接事業者検査の要否について業務決定文書に記載することが社内ルールで定められていますが、要否判断をしたプロセスを示すフロー図や主配管との関係を示す系統図を業務決定文書に添付することになっていなかったため、溶接事業者検査の要否を確認できる内容になっていませんでした。そのため、審査者は、当該部が溶接事業者検査対象であるとの認識に至りませんでした。
  3   審査方法および業務フォローの問題
     業務決定文書や工事図面の審査は複数の社員が行っていましたが、各審査者の審査事項・方法が明確になっていませんでした。また、課内上位者が担当者に対して行う業務フォローのポイントが明確になっていませんでした。

  (4)対 策
      本件を受けて、速やかに、原子力事業本部長から原子力関係の社員に対し、文書で、法令遵守の再徹底について指示しました(2月20日実施済み)。
  1   教育計画の問題に対する対策
    すでに受講した者も含め、配管、容器等の溶接工事を担当する社員を対象に、溶接事業者検査対象範囲を体系的に修得する教育を実施し、溶接事業者検査に関する能力向上を図ります。
    溶接事業者検査に関する教育について、その実効性を検証し、教育内容や頻度、対象者等の改善について検討します。
  2   書類作成ルールの問題に対する対策
    溶接事業者検査の要否を判断したプロセスが審査者にわかるように、フロー図および溶接事業者検査が必要な設備との関係を示す系統図を業務決定文書に添付することを社内ルール化し、審査が確実に実施できるようにします。また、今回のように担当者の要否判断に誤りが生じやすい部分については、フロー図に補足説明を追記し、検査の要否判断を確実にできるようにします。
    溶接事業者検査要否を工事計画段階等で確実に識別できるように、あらかじめ各系統図に検査対象範囲を色分けすることを検討します。また、検査要否の判定を支援するツールとして解説書等を整備し、これらを教育資料として活用することも検討します。
  3   審査方法および業務フォローの問題に対する対策
    溶接事業者検査の手続きを確実に実施するために、審査者の役割分担や着目すべきポイントおよび上位者が担当者に対して行う業務フォローのポイント等を明確にすることを検討します。

  ※1:余熱除去系統
    原子炉を停止した後の炉内の燃料の余熱を除去する系統であり、事故時に原子炉を冷却する機能も有している系統。
  ※2:サンプリングライン
    配管内流体を分析するために試料採取装置へ導くための系統。
  ※3:溶接事業者検査
    電気事業法第52条に基づいて、溶接部の健全性を確認するために、事業者が溶接検査を実施するとともに、独立行政法人原子力安全基盤機構に溶接安全管理審査を申請し審査を受ける。
  ※4:大飯発電所3号機の加圧器気相部サンプリングラインからの1次冷却水漏えい事象の水平展開
    漏えいの原因が初期の溶接不良であったことから、各発電所では至近定期検査で現場調査を実施し、5定期検査以内に類似箇所の溶接形状変更工事を実施することとした。

[平成19年2月16日3月16日 お知らせ済み]



(2)(1)に至らない軽微な事象

   なし



3.その他情報
(1)不具合情報
発電所名  大飯発電所1号機 発 生 日 第21回定期検査中(3月15日)
件  名 仮設レール撤去作業中の協力会社作業員の負傷について (添付図2参照)
事象概要
および
対 策 等
 定期検査中の3月15日、復水器の伝熱管取替工事に使用した仮設レールの切断・撤去作業において、切断したレールをチェーンブロック1本で吊って床面に降ろそうとしましたが、その途中でレールが架台に引っかかったため、引っかかりを解消しようとしてチェーンブロックを揺すった際に、レールの一部が、近傍にいた作業員の右足大腿部に接触して負傷しました。
 調査の結果、原因は切断したレールがチェーンブロック1本で吊られていたため不安定な状態であったこと、および架台がレールに引っかかった際に作業を中断して状況の確認を行わず引っかかりを外そうと揺らしたことにより、レールのバランスが崩れ、近傍にいた作業員にレールが接触し、負傷したものと推定されました。
 対策として、吊り荷の形状が複雑な場合には吊り荷を安定させるために2本以上で吊ること、吊り荷を上げる際には、吊り荷が振れる方向に人がいないことを確認すること、吊り荷が引っ掛かった場合には作業を中断し、状況を十分確認することを関係者に周知徹底しました。


  ※:復水器の伝熱管取替工事
    復水器の伝熱管からの海水漏えいを防止するため、伝熱管の材質を耐食性の優れたものに取替える工事。

[平成19年4月5日 お知らせ済み]




発電所名  美浜発電所1号機 発 生 日 第22回定期検査中(3月22日)
件  名 Bループ室壁面からの僅かな水のにじみについて (添付図3参照)
事象概要
および
対 策 等
 定期検査中の3月22日、運転員が巡回点検において、原子炉格納容器内のBループ室で床面に小さな水溜り(約5cm×約5cm)と原子炉キャビティ側の壁面が濡れていることを確認しました。
 この水溜りの水質を分析した結果、放射能とほう酸が確認されたため、この水溜りが生じた原因について調査を実施することとし、3月22日夕方から予定していた燃料装荷を延期することとしました。なお、今後の定期検査工程については未定です。 本事象による環境への放射能の影響はありません。


  ※ :原子炉キャビティ
    原子炉容器の上部に設置している。燃料取替え時に、ほう酸水を満たすことにより、燃料から放出される放射線を遮へいする。

[平成19年3月23日 お知らせ済み]




発電所名  大飯発電所1号機 発 生 日 第21回定期検査中(3月26日)
件  名 原子炉補助建屋での水漏れについて  (添付図4参照)
事象概要
および
対 策 等
 定期検査中の3月26日、原子炉補助建屋の機器ドレンキャップ※1から水が漏えいしていることを当社社員が発見しました。状況を確認したところ、ほう酸補給タンク内の純水を排出しており、排出先の廃液ホールドアップタンク※2の受入弁が閉止されていました。このため、直ちに純水排出作業を中止するとともに、受入弁を開放し漏えいは停止しました。漏えいした水は、床面の排水目皿を通じて全て回収され、環境への放射能の影響はありませんでした。なお、漏えい水量は約0.1mと推定され、床面に汚染のないことを確認しました。
 調査を行った結果、廃液ホールドアップタンクの水位計の性能検査※3を担当する原子炉保修課は、検査前に廃液ホールドアップタンクの受入弁の切替操作を実施する必要があることから、隔離明細書※4に記載して検査に必要な操作として発電室に依頼しました。その際、当該弁の切替操作を発電室で実施することは、隔離明細書の注意事項にしか記載しておらず、発電室は当該弁の切替操作を実施しなければならないという認識を持っていませんでした。 一方、原子炉保修課は、当該弁の切替操作を発電室に連絡した際に、お互いに依頼内容を十分に確認しなかったことから原子炉保修課は当該弁の切替操作が許可されたものと思い込み、当該弁を閉止しました。その後、別の作業のため発電室がほう酸補給タンク内の排水作業を実施しましたが、当該弁が閉止していたことから、排出した水が逆流し、漏えい事象に至りました。
 このことから、操作移管されていない弁は操作しないという基本動作が守られていなかったこと、および具体的な操作内容の相互確認が不十分であったことが原因と推定されました。

 再発防止対策として、発電所長から全所員に対し、基本動作の徹底と、作業前に隔離明細書の内容について発電室と担当課が必ず対面で相互確認を行うことを周知徹底しました。


  ※1:機器ドレンキャップ
    機器ドレン配管が床から出ており、その配管にドレンやベントからのホース使用時に差し込んでドレン を流すものであり、不使用時は、ねじのついたキャップが取り付けてあるもの。
  ※2:廃液ホールドアップタンク
    機器開放時のブロー水、床清掃時の純水、機器のシール水などを受け入れるタンク。
  ※3:性能検査 
    動作要素の標準値(模擬信号)を加え、そのときの出力を確認する定期事業者検査。
  ※4:隔離明細書
    検査に伴う発電室員、検査担当課員(原子炉保修課員)の操作範囲、内容、操作順番を明確にし、発電室、 検査担当課の双方で確認した帳票。

[平成19年4月5日 お知らせ済み]




発電所名  大飯発電所4号機 発 生 日 4月14日
件  名 第7A高圧給水加熱器非常用水位制御器の不調について  (添付図5参照)
事象概要
および
対 策 等
 定格熱出力一定運転中、4月14日に、第7A高圧給水加熱器※1非常用水位制御弁※2が開くとともに常用水位制御弁※3が閉まり、高圧給水加熱器ドレン(凝縮水)の行き先が脱気器から復水器となりました。このため、熱効率の低下により電気出力が約1.5%低下しました。
 事象発生時の運転状況を確認したところ、第7A高圧給水加熱器の水位に上昇傾向はなく、常用水位制御弁で安定して制御されていたにもかかわらず、非常用水位制御弁が開放したことが分かりました。
 このため、非常用水位制御弁について調査を行ったところ、非常用水位制御弁の水位制御器※4の内部構成部品である空気ラインのゴム管にひび割れが生じ空気が漏れていることが確認されました。この空気漏れにより、弁を制御する空気圧力が低下し、弁が開いたものと推定されました。
 このため、4月15日に、ゴム管を新品に取替え復旧しました。


  ※1:第7A高圧給水加熱器
    タービンから一部の蒸気を抽出し、2次系給水系統の水を加熱する機器。大飯4号機の第7高圧給水加熱器 は、2系統(A,B)あり、第7A高圧給水加熱器はそのうちの1系統である。
  ※2:非常用水位制御弁
    高圧給水加熱器の細管漏えい発生時および常用水位制御弁不調時に高圧給水加熱器の水位調整用に設置され た弁で、運転中は通常閉まっている。非常用水位制御弁が開いた場合、ドレンは復水器に流れる。
  ※3:常用水位制御弁 
    高圧給水加熱器内のドレンの水位を一定に自動調整するための弁で、運転中は通常開いている。
  ※4:高圧給水加熱器非常用水位制御器
    高圧給水加熱器内のドレン水位を検出し、非常用水位制御弁の動作に必要な信号(空気圧力)を制御する 装置。



(2)その他情報(工学的安全施設の予防保全作業)

   なし


  保全品質情報については、下記の公開サイトにおいても、準備が整い次第掲載していきます。
  当社ホームページ(http://www.kepco.co.jp/knic/meeting/index.html)“原子力情報センター(保全品質情報)”
  日本原子力技術協会ホームページ(http://www.nucia.jp)“原子力施設情報公開ライブラリー「ニューシア」”

以 上