ダムってなんのためにあるの?

みんなに見てほしいダムをいくつかしょうかいしたけど、そもそもダムは何のために作られているのか知っているかな?

ダムが作られているおもな目的のひとつは、「治水(ちすい)」なんだ。治水とは、大雨がふったときなどに、川の水があふれたりしないように、川を流れる水の量を調整したりすることをいうんだ。

もうひとつの目的は、「利水(りすい)」だよ。利水とは、田んぼや畑などに水を送りとどけたり、みんなが生活するための水を用意したりすることをいうんだ。
それでは、「もしもダムがなかったらどうなるのか?」をちょっと考えてみよう。たとえば、台風がやってきて大雨がふったときはどうなるかな?ダムがなければ、大雨で増えたたくさんの水を貯めておくことができないし、川を流れる水の量を調整することもできなくなってしまうよ。そして、川の水があふれて、洪水(こうずい)になってしまうんだ。

反対に、雨がふらない日が続いたときには、川の水がどんどん減ってしまうんだ。そして、田んぼや畑に水がとどかなくなって、お米や野菜などが作れなくなるんだ。もちろん、飲み水などの生活に必要な水もなくなるし、川に住む魚などの生き物も生きていけなくなってしまうんだ。

こうやってダムについて見てみると、ダムはみんなが安心して生活するために、欠かせない役目を果たしていることがよく分かるね。
そしてもうひとつ、ダムをつくる目的があるんだ。それは、みんながいつも使っている電気をつくるための「発電(はつでん)」だよ。次は、ダムでどうやって電気がつくられているのかを見てみよう。

大雨がふって川の水がふえると・・ ダムで調節してるんだ

ダムで電気をつくる「水力発電」のしくみ

ダムに貯めた水や、川を流れる水の力を使って電気を作ることを「水力発電(すいりょくはつでん)」というんだ。水力発電は、水を高いところから低いところに向かって流して、その水の勢いで大きな水車を回すことで電気を作り出すんだ。 水力発電では、水の勢いが強ければ強いほど、作り出される電気の量が増えるんだ。だから、水の量が多く、高いところと低いところの「落差(らくさ)=水が流れる高さ」が大きくなればなるほど、たくさんの電気を作ることができるんだよ。

水力発電には、どんな「いいこと」があるの?

水力発電は、ダムに貯まった水や川を流れる水を使って電気を作るけど、電気を作るために使われた水は、そのまま川から海へ流れていき、やがてじょうはつして雲や雨になって、またダムや川にもどってくるんだ。つまり、水力発電は、何度でもくり返して利用できる「再生可能(さいせいかのう)エネルギー」ということなんだ。

また、水を使って電気を作る水力発電は、石炭や石油、ガスなどのような限られた資源(しげん)を燃やす必要がないし、それらを燃やすことで地球温暖化(ちきゅうおんだんか)の原因になる二酸化炭素(にさんかたんそ)を発生させることもないんだ。

そして、日本は、世界的にみると雨が多く、年間を通じて水が豊かな国だから、水力発電に向いているんだ。これから先、水力発電で作られた電気が少しずつ増えていくことになるかもしれないから、注目しておこうね。

(2016年8月時点の内容です)

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