当社の40年以降運転に向けた取組み
従来から進めてきた取組み(福島第一原子力発電所の事故前)
法令上の運転期間の制限はなく、法律に基づいて、プラント運転開始から30年の時点と、それ以降10年ごとに機器等に対する高経年化対策を行うことが義務付けられてきました。
高浜1、2号機では、運転開始後30年に相当する2003年に、60年間の運転を想定した評価を実施し、当社は60年間の運転が可能だと考えていました。また、国においても、学識経験者の専門的な意見を聴きつつ、2004年3月にこの評価結果を妥当として評価し、原子力安全委員会に報告するとともに公表しています。
新たなしくみへの対応 (福島第一原子力発電所事故後)
法的に運転期間を40年とし、認可を得れば1回に限り最大20年の運転期間の延長ができる運転期間延長認可制度が設けられました。運転期間延長のためには、60年を想定した劣化に対する評価だけでなく、最新の新規制基準への適合が必要となり、さらなる安全性向上対策の実施をしています。
運転延長
- 高経年化対応
- 安全上重要な設備※全てについて、部品レベルに展開し、想定される劣化事象について、60年を想定した劣化評価を実施し健全性を確認しています。
※評価対象設備数(例)
高浜1号機:約3400
高浜2号機:約3200 - 原子炉容器、原子炉格納容器、コンクリート構造物については、特別点検を実施した結果を踏まえて評価することで、改めて60年運転に問題がないことを確認しています。
- <原子炉容器>
超音波や電流を使って「ひび」や「割れ」などの欠陥がないことを確認しています。 -
- <原子炉格納容器およびコンクリート構造物>
表面の塗装状況を目視で念入りに確認し、「塗装の剥がれ」や「腐食」などの欠陥や異常がないことを確認しています。原子炉格納施設等からコンクリートのサンプルを取出し、性質の変化状態および強度に問題ないことを確認しています。 -
- <コンクリート構造物>
原子炉格納施設等から採取したコンクリートのコアサンプルにより、強度や遮へい性能等に異常がないことを評価・確認しています。 -
- <原子炉容器>
- 新規制基準対応等
- 新規制基準適合のため対策工事等を実施
- 最新の技術導入
- 中央制御盤の視認性、操作性等の向上
- 待機所として免震事務棟の設置
最新設計の中央制御盤のデジタル式への取替え(イメージ)
米国の運転延長認可審査・稼動状況
稼働中の95基のプラントのうち約9割の87基が60年までの運転することが認可させており、そのうち46基は既に40年を超えて運転していますす。
さらに、4基については運転期間を80年まで運転することが認可されており、2基は審査中です。今後も複数のプラントで80年までの運転の申請が行われる予定です。