一意専心 関西電力の安全DNA

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この決意を後輩たちに伝えていく責務がある 美浜発電所 タービン保修課 阿部

安全文化。それは関西電力において、一人ひとりが常に安全を心がけることによって、先輩から後輩へと、脈々と受け継がれてきた精神であり風土です。これまでも、そしてこれからも形成され続ける安全文化―。この安全文化を守り続ける関電マンの「安全への想い」に迫ります。

美浜発電所タービン保修課でタービン係長を務める阿部。これまで三菱重工業や日本原燃への派遣・出向経験があり、これらの会社でも安全に対する取組みを学んできました。

「安全を守るという考え方は、どの職場でも変わりません。
一番重要なのはチームワーク。チームで意識を共有すること、コミュニケーションをとることが非常に大切です」

発電所におけるコミュニケーションは“ホウ・レン・ソウ(報告・連絡・相談)”が基本です。困ったことや判断に迷う時は必ず立ち止まる。そして必ず、相談することです。
時間がかかり遠回りしているように思われるかもしれませんが、判断に迷うときは必ず立ち止まることが安全への近道なのです。

設計図を頭のなかでイメージできているか

阿部が担当するタービン設備や機器類は、何万もの部品で構成されています。一つ一つの機器の特性、劣化メカニズムなどを理解した上で、メンテナンスをしなければ安全にはつながりません。

「不具合があった時、頭のなかでその現場のイメージができている場合とできていない場合では、大きく違います。だからこそ何度も現場へ足を運びます」

決して忘れてはならない。胸に誓った経験

阿部には決して忘れられない、そして忘れてはならないと胸に誓った経験があります。
それは2004年8月9日、美浜発電所3号機タービン建屋内で起こった配管破損事故。事故を知らせる第一報を聞いて、現場にかけつけた阿部は、天井からは雨が降るかのように大量の熱水が流れ落ち、床に熱水がたまるという現場を目の当たりにしました。

「あの時の状況は今も脳裏に焼き付いています」

この事故を経て、阿部自身も、これまで以上により慎重になりました。物事を進める際、コンプライアンスやルールなどさまざまな視点から「これでいいか?間違っていないか?」と自問自答しながら、慎重に一つずつ確認し、ゆっくりと前に進むようになったといいます。

「品質記録へサインする際にも、自分が納得できるまでサインはしません。サインしなければならない記録の量は膨大ですが、1つ1つじっくりと確認します。サインするときはそれに対して最後まで責任を持ちます。安全に対して、決して妥協はしません」

さらに事故現場に立ち会った人間として、この事故を後輩たちに伝えていく責務があると痛感しています。部下への指導の際には事故についても触れながら、具体例を挙げて細かに説明をしています。

「あのような事故は2度と起こしてはならない。これは常に心に留めて仕事をしています」

分かりきっていることでも問いただし、確認していく。
これが安全文化の基本

阿部は2013年7月に係長着任した際、部下たちに「基本動作を徹底させる」ことを改めて伝えました。基本動作とは、指差呼称といった基本的なルールの遵守のほか、K(危険)Y(予知)T(トレーニング)の実施やTBMの問いかけカード(写真参照)の確認などです。
美浜発電所では独自にこの問いかけカードを作成し、作業員全員が携帯しています。

「基本動作についてはしつこいほど、繰り返し伝え、問いただしています。分かりきっていることでも問いただし、確認していく。これが安全文化の基本ではないかと思います。ヒューマンエラーをゼロにするのは難しいですが、少なくすることは可能です」

阿部のモットーは「One for All 一人はみんなのために」。
1+1が3にも5にもなるような相乗効果を生むチームプレーを目指したいと語ります。
「いくら優れた人間が一人いても、一人で設備全部のメンテナンスができるわけではありません。協力会社さんと一体となり一人ひとりが成長し、One for Allの精神で、仕事も安全についても相乗効果がでるようにしたいと考えています」

タービン設備を点検中の阿部
ペンライトで暗い場所を照らす
施工担当者や検査時期を明記したプレート

事故以降、膨大な長さにおよぶ配管を細かく管理し、施工の担当者の氏名や次の検査時期などを明記したプレートをはり、事故の再発防止を徹底しています。

建屋内に掲げられた「安全第一」の文字
阿部のコンダクトカード

阿部のコンダクトカード

美浜発電所の問いかけカード

関西電力の全従業員は常に「コンダクトカード」という安全行動宣言とCSR行動宣言を記したカードを持ち歩いています。これは各個人が年に一度安全に対する目標をたてるもので、阿部は「 STAR(Stop Think Action Restart)」という目標を立てています。

※TBM(ツールボックスミーティング)
作業内容や方法、段取り、問題点について、短時間で話し合い指示伝達を行うもの

2014年4月30日掲載

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