考~でんきのもしも~ みなさまと共に考えるエネルギーの未来

もしも、もっと多くの資源をメイドインジャパンにできたなら2013.08.30(2020.07更新)

メイド・イン・ジャパン。
そう呼べるものは、私達の周りにどれくらいあるでしょうか?
有名なものでは自動車、カメラ、オーディオ製品といったところでしょうか。
世界に誇るすばらしい製品や文化が日本にはあります。

逆に、そうでないものはどうでしょう。
たとえば昨日あなたが朝に食べたご飯の食材。それはメイド・イン・ジャパンですか?
答えは人それぞれでしょうが、日本の食料の自給率はカロリーベースで37%という事実は存在しています。

では、今あなたが見ているパソコンやスマートフォンを動かしている電気はどうでしょう。
日本は島国です。そのため、日本で使う電気は全てメイド・イン・ジャパンです。
しかし、電気を作るための燃料はそう言い切れません。

なぜなら、日本のエネルギー自給率は、たったの12%だからです。
石油や石炭、LNGなどの化石燃料は、そのほとんどを海外からの輸入に頼っているのです。
そのため、エネルギー資源の輸入価格の変動によってガソリン代や電気料金も変動するなど、日本の経済に大きな影響が出てしまうのが現状です。
ああ、もしも、もっと多くのエネルギー資源をメイド・イン・ジャパンにできたなら。

エネルギー資源のリサイクル

原子力発電の燃料となるウランは国内では採掘されず、海外からの輸入に頼っています。そういう意味では、原子力発電は輸入エネルギーです。
しかし、ウランはエネルギー密度が高いため備蓄が容易であること、またウラン燃料は原子力発電所で数年間にわたって使い続けることができること、さらに発電所で使い終わったウラン燃料は再度燃料としてリサイクルできること、これらのことから、原子力発電は国産に準じる「準国産エネルギー」と位置づけられているのです。
ウラン燃料がリサイクルできるというのはどういうことでしょう。
天然ウランは転換や濃縮などの工程を経てウラン燃料に加工され、原子力発電所で使用されます。原子力発電所で使い終わったウラン燃料には、まだ燃料として使える物質(ウランとプルトニウム)が残っています。これらを取り出して原子力発電所用の燃料に加工し、もう一度使用することができるのです。これを「原子燃料サイクル」と言います。

なかでも、取り出したプルトニウムを再利用して作った燃料(MOX燃料)を一般の原子力発電所で使うことを「プルサーマル」と呼んでいます。プルサーマルは、フランスやドイツをはじめ世界各国でも実績があります。

資源小国である日本にとって、エネルギー資源をリサイクルして有効活用することは非常に重要です。
まだ使える資源はしっかりと活用する。まさに「もったいない」の精神ですね。

国内での原子燃料サイクル実用化に向けて

提供元:日本原燃株式会社

原子力発電の燃料であるウランはもともと供給安定性に優れていますが、国内で原子燃料サイクルが確立すれば供給安定性は一層強化されます。
青森六ヶ所村では、日本原燃(株)が主体となり原子燃料サイクル施設を建設しています。
天然ウランをウラン燃料にするためのウラン濃縮工場が1992年3月に、低レベル放射性廃棄物埋設センターは1992年12月に、高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターが1995年に4月にそれぞれ操業を開始しました。ウランとプルトニウムを回収する再処理工場は各種試験を終了し、稼動に向けて最終段階にあります。プルサーマルに使われるMOX燃料の加工工場も2022年度上期の竣工に向けて建設が進められています。
高レベル放射性廃棄物処分施設の地点確保に向けた取組みもNUMO(原子力発電環境整備機構)を中心に進められています。

また、原子力発電所で使い終わった燃料を再処理するまでの一定期間、貯蔵するための中間貯蔵施設の地点確保に向け、当社は積極的に取り組んでいます。