広報室2001年に創立50周年記念事業として始まり、今年で25年目を迎えるのが「かんでんコラボ・アート」。関西エリア在住の障がいのある方からアート作品を募集し、受賞作品をはじめ多彩な作品を展示する公募展だ。これまでの応募数は16,874点に上り、837点を展示。障がいのある人を含むすべての人々が、いきいきと活躍できる地域社会づくりのお役に立ちたいという想いが、取り組みの根幹だ。
「障がいのある方がアート創造を通して自己表現の喜びを感じられるとともに、作品を観る方にとってもアートの魅力や作者の可能性を感じる場になることを願っている」と話すのは広報室の石川洋輔。障がい者支援団体などの関係者にとっては毎年の恒例行事になっており、「モチベーション高く作品創作に取り組む方たちの存在が、25年続いてきた理由ではないか」と石川。
コラボ・アート入選が自信を持つきっかけになったという入賞者の声は多く、一部のアーティストは受賞を機に国内のみならず海外でも活躍している。
かんでんコラボ・アート展示会(2024年度)25年度は7月から10月にかけて作品を募集。審査を経て、26年2月に大阪駅北側にあるグランフロント大阪北館で、賞の発表と展示を行う。一般部門、Legend部門、U-18部門の3つがあり、応募作品は絵画、立体造形物など多岐にわたる。25年目を記念して過去の受賞作品を展示する企画や、アンケートに協力いただいた来場者に渡すノベルティへの展開も検討している。
2年前から展示会場を人の流れが多いグランフロント大阪に移したことで、一般来場者が飛躍的に増加した。他社が実施するアート展とのタイアップや関西電力のホームページ、SNSなどの媒体を通して、より多くの人に認知してもらう仕掛けも考案中だ。
「何よりも創作する皆さんに喜んでいただける公募展にすることが大事。障がいのある方々がさらに活躍できる機会の創出に努めていきたい」。石川の挑戦は続く。
芸術に造詣の深い審査員がすべての作品を審査
2024年度は25年2月18日~24日
グランフロント大阪で展示会を実施した
福井県農林水産部水産課次の舞台は福井県、取り組んでいるのはサバの養殖だ。福井県嶺南地域の特産品として知られるサバだが、海水温の上昇により、水揚量が減り続けている。サバの生息に適した海水温は16~22℃程度だが、近年夏場の福井県沿岸の海水温は30℃程度まで上昇する。古くから鯖街道を通って京の食文化を支えてきた嶺南地域で、高水温に耐えるマサバの養殖プロジェクトが始まった。
関西電力イノベーション推進本部発端は“福井県・原子力発電所の立地地域の将来像に関する共創会議”。また、嶺南Eコースト計画*の行動方針(実施事業)でもある。「地域との対話を進めた結果、1次産業の新たな事業創出に貢献する取り組みの1つがマサバの養殖だった」と説明するのはイノベーション推進本部の鍬先晃生。「嶺南地域は昔から養殖業が盛んな地域。福井県もサバの養殖にチャレンジしたが、夏場の高水温による高い死亡率が課題となった。関西電力さんの提案で品種改良技術を持つベンチャーを招聘し、課題解決に向けて進めたことを感謝している」。福井県農林水産部の鮎川航太さんが言い添える。
23年10月、関西電力、リージョナルフィッシュ、福井県、ふくい水産振興センター、福井県立大学の5者が水産業の共同研究等に関する協定を締結。25年7月、約30℃という高水温環境の陸上施設において高水温耐性マサバと通常マサバとの比較試験を行った結果、生存率で約12.5%、成長率で約34%の有意な差を確認。養殖に適したマサバの品種改良に成功した。
*福井県嶺南地域を中心に、原子力をはじめ再エネを含む様々なエネルギーを活用した地域経済の活性化やまちづくりをめざすことにより、人・企業・技術・資金(投資)が集まるエリアの形成を図ることを基本理念に、福井県が策定した計画
高水温耐性を持つマサバ
関係者が協力しマサバ養殖に取り組む
水温を一定に保てる陸上養殖施設で成果が出ても、実際に海で育つのか。鮎川さんと鍬先はプロジェクトの意義や将来像を丁寧に説明することで新しい魚種育成に慎重な姿勢を示していた養殖事業者を動かした。24年夏から高浜町の海で高水温耐性マサバの育成検証を実施し、手ごたえを得ている。
あわせて、生産したマサバをいかに売っていくのか、卸売り業者を巻き込んだ議論も加速している。現在日本で食されているサバの90%以上はノルウェーなどの外国産だ。「サバは日本人の好きな魚。市場がどういう価値を求めているかを把握したうえで日本人の口に合うマサバをつくっていく。マーケットインの考え方で事業化を進め、嶺南地域の新産業に育てていきたい」と、鮎川さんは嶺南産の高水温耐性マサバのブランディングに意気込む。
プロジェクトメンバーたちは毎週集まり、ゴールを共有するためのミーティングを重ねている。鍬先は「このプロジェクトで培ったノウハウは日本の水産業の課題解決に生かせる可能性もある。大きなビジョンを持って進めていきたい」と抱負を語った。
