プレスリリースRSS

2020年9月7日
関西電力株式会社

高浜発電所3号機の定期検査状況について(蒸気発生器伝熱管の損傷に関する原子炉施設故障等報告書の提出について)

 高浜発電所3号機(加圧水型軽水炉 定格電気出力87万キロワット、定格熱出力266万キロワット)は、2020年1月6日から第24回定期検査を実施しており、3台ある蒸気発生器(SG)の伝熱管全数※1について渦流探傷検査(ECT)※2を実施した結果、B-SGの伝熱管1本、C-SGの伝熱管1本について、管支持板※3部付近に外面(2次側)からの減肉とみられる有意な信号指示が認められました。
 その後、有意な信号指示があった伝熱管の外観を小型カメラを用いて調査した結果、B-SG伝熱管に幅約4mm、C-SG伝熱管に幅約1mmと約4mmの周方向のきずがあることを確認しました。いずれもきずの形状から摩耗減肉の可能性が高いことを確認するとともに、当該伝熱管周辺の管支持板等に接触痕が認められました。
 このため、異物が接触した可能性が考えられることから、小型カメラを用いてSG器内を調査した結果、C-SGおよびA-SGの流量分配板※4上で異物(金属片)を確認しました。また、SGブローダウン系統について調査した結果、異物は確認できませんでした。
 C-SGおよびA-SG器内で確認された金属片は、配管等に使用されているうず巻ガスケット(幅4.5㎜程度)の一部である可能性があると推定されたため、2次系給水系統の配管や機器について、類似のガスケットを使用している箇所を抽出し、開放点検等を行いましたが異常は認められませんでした。
 また、SG器内やSGブローダウン系統について、点検範囲を拡大して調査した結果、新たな異物は認められませんでした。また、回収した金属片が伝熱管を損傷させた可能性について調査を行った結果、金属片を模擬した試験片が運転中のSG器内を模擬した流況の中で管支持板下面に保持され、伝熱管に接触することを確認しました。

  • ※1 過去に有意な信号指示が認められ、施栓した管等を除きA-SGで3,272本、B-SGで3,248本、C-SGで3,262本、合計9,782本。
  • ※2 高周波を流したコイルを、伝熱管に接近させることで対象物に渦電流を発生させ、対象物のきず等により生じた渦電流の変化を電気信号として取り出すことで、きず等を検出する検査であり、伝熱管の内面(1次側)より、伝熱管の内面(1次側)と外面(2次側)の両方を検査している。
  • ※3 伝熱管を支持する部品。
  • ※4 管板と第1管支持板の間に設置しているドーナツ形状の平板。

[2020年2月18日28日4月17日7月17日お知らせ済み]

 当社は、これまでの調査結果や原因と対策を取りまとめ、本日、原子力規制委員会に原子炉施設故障等報告書を提出しました。
 今後、原子力規制委員会が当該報告書の確認を行うことから、当社は、真摯に対応してまいります。

1.原因調査

 有意な信号指示があった伝熱管(計2本)は、小型カメラによる調査の結果、いずれもきずの形状から摩耗減肉の可能性が高いことを確認しました。このため、伝熱管外面に減肉が認められた原因として、異物が接触した可能性が考えられることから、SG器内外および減肉メカニズム等について調査を行いました。

  1. (1)SG器内(2次側)の調査

     A~C-SG器内の管板、流量分配板、第1~第7管支持板の上面および上部構造物について、小型カメラを用いて点検した結果、C-SGおよびA-SGの流量分配板上で異物(金属片)を確認しました。一方、B-SGについて、異物は確認されませんでした。
     また、A~C-SGについて、器内に水を張り、底部から窒素を噴射させた後、排水する操作を行い、排水内の異物確認を行うとともに、管板部を小型カメラで確認した結果、スラッジ※5以外の異物は確認できませんでした。

    • ※5 2次系冷却水に含まれる鉄の微粒子が、給水系統によってSG内に流れ集まって生成されるもの。スラッジによる伝熱管摩耗試験を実施した結果、伝熱管に軽微なきずは付くものの、スラッジはもろく、伝熱管との接触部が摩滅することから、伝熱管を摩耗減肉させる可能性は低いことを確認。
  2. (2)SG器外の調査

     SGブローダウン系統(系外排出ライン、復水器回収ライン、サンプルライン)について、タンク、弁等の機器、配管直管部内を小型カメラ等で点検した結果、異物は確認できませんでした。
     また、SG器内の2次系冷却水の排出にあたり、系外排出ラインに仮設ストレーナを設置して排水内の異物確認を行った結果、スラッジ以外の異物は確認できませんでした。
     このため、他の可能性について調査した結果、定期検査開始後の数日間は復水器回収ラインの通水を行っており、この系統から異物が流出する可能性が否定できないことがわかりました。

  3. (3)回収した金属片に関する調査

     C-SGおよびA-SGで確認された金属片を回収し、工場において分析した結果、金属片※6はステンレス鋼(SUS304相当)であり、配管等に使用されているうず巻ガスケット※7(幅4.5mm程度)の一部である可能性があると推定しました。

    • ※6 C-SGで回収した金属片は、縦約33mm、横約5mm、厚さ約0.2mm、重さ約0.3g、A-SGで回収した金属片は、縦約24mm、横約5mm、厚さ約0.2mm、重さ約0.2gの線形状
    • ※7 配管の継手部や容器のマンホール部、弁やポンプのボンネット部に使われているシール材
    • 2次系主給水系統等のガスケットの調査
       回収した金属片は、配管等に使用されているうず巻ガスケットの一部の可能性があることから、2次系主給水系統等の配管や機器について、類似のガスケットを使用している箇所(20箇所)を抽出し、今回の定期検査で点検した2箇所以外の18箇所の開放点検を実施するとともに、全ての箇所の過去の点検記録等を確認した結果、ガスケットが損傷し系統内に流出した実績はありませんでした。
    • C-SGで回収した金属片の調査
       電子顕微鏡による観察の結果、複数箇所で筋状の擦れ痕や摩耗、打痕があることおよび一部の板厚の減少を確認しました。また、運転中のSG器内(2次側)の流況を模擬した試験装置を用いて、金属片と形状、重さが同じ試験片を管支持板下部に配置したところ、水の流れにより試験片が管支持板下面に保持され伝熱管に接触することを確認しました。これらのことから、当該金属片が伝熱管にきずをつけた可能性があることを確認しました。
    • A-SGで回収した金属片の調査
       A-SGについては、今回の定期検査で摩耗減肉は確認していないものの、前回(第23回)の定期検査で伝熱管1本に摩耗減肉を確認しました。このため、今回回収した金属片がその原因であった可能性について検討しました。その結果、摩耗減肉の位置、金属片のサイズおよび管支持板の接触痕の状況から、その可能性は低いことを確認しました。
  4. (4)減肉のメカニズム
    • 管支持板下面での減肉メカニズム
       B、C-SGについて摩耗減肉が確認され、C-SGで金属片を回収できたことから、工場でその金属片と形状、重さが同じ試験片を用いて再現試験を実施しました。その結果、SG器内の水、蒸気の流れにより管支持板下面に留まった異物に伝熱管が繰り返し接触することにより、摩耗減肉が発生することを確認しました。
    • 想定される異物の形状
       B-SGでは異物が確認されていないことから、きずの形状や接触痕の位置をもとに、異物の形状を推定した結果、長さ15~25mm、幅4~7mm、厚さ1mm以下となりました。
  5. (5)異物の混入経路

     異物の形状等から、2次系主給水系統もしくはSG水張系統からSGに異物が流入した可能性があると推定しました。このため、これらの系統への混入の可能性を調査した結果、定期検査時に弁やストレーナ、タンクの分解点検の際に機器を開放することで作業員の持ち物(ウエス等)に付着していた異物(ガスケット片等)が系統内に混入する可能性があることを確認しました。

  6. (6)異物の混入時期

     前回(第23回)の定期検査において、2次系主給水系統は、機器の開放点検後にファイバースコープによる異物確認を行っていましたが、SG水張系統については、当時想定していた異物の形状(長さ約11.5mm、幅約2.5mm、厚さ約0.65mm)から、脱気器タンクからSG水張ポンプまでの範囲を調査範囲外としていました。
     このため、異物(C、A-SGで回収した金属片を含む)は、前回(第23回)の定期検査以前に系統内に混入したものと推定しました。

2.推定原因

 伝熱管の外面減肉が認められた原因は、管支持板下面に異物が留まり、伝熱管と繰り返し接触したことで摩耗減肉が発生したものと推定しました。
 また、異物は、前回(第23回)の定期検査以前における弁等の分解点検時に混入したものと推定しました。

3.対 策
  • (1)伝熱管の施栓
     当該伝熱管2本について、高温側および低温側管板部で閉止栓(機械式栓)を施工し、使用しないこととします。
  • (2)SGへの異物混入防止対策
     SGへの異物混入の可能性のある機器の点検について、前回定期検査での対策に加え、次の内容を作業手順書等に記載しました。これらについては、高浜発電所4号機第22回定期検査で反映したものです。
    • 作業員が機器に立ち入る際には、作業服を着替えるとともに靴カバーを着用する。
    • 垂直配管に取り付けられている弁の点検後、目視による点検が困難な箇所に対してファイバースコープによる異物確認を行う。また、ウエスを使用する場合は新品とし、新品と再使用品を区別して管理する。

    また、これらに加え、SG水張系統にストレーナを設置します。

以 上

検索ワード