プレスリリース
2019
2019年12月3日
関西電力株式会社
原子力発電所の運営状況について
当社の原子力発電所における運営状況について、以下のとおりお知らせします。
- 1.運転状況について(2019年12月2日現在)
-
発電所 電気
出力
(kW)運転状況 備 考 美 浜
発電所3号機 82.6万 第25回 定期検査中
2011年5月14日~未定高 浜
発電所1号機 82.6万 第27回 定期検査中
2011年1月10日~未定高浜発電所1、2号機 安全対策工事における協力会社作業員の負傷に対する原因と対策について
詳細は3(2)のとおり2号機 82.6万 第27回 定期検査中
2011年11月25日~未定3号機 87.0万 運転中 4号機 87.0万 第22回 定期検査中
2019年9月18日~2020年3月中旬予定高浜発電所4号機の定期検査状況について
(蒸気発生器伝熱管の損傷に関する原子炉施設故障等報告書の提出について)
詳細は3(1)のとおり大 飯
発電所1号機※1 - 廃止(2018.3.1 9:00)
(定期検査中※2(2010年12月10日~未定))2号機※1 - 廃止(2018.3.1 9:00)
(定期検査中※2(2011年12月16日~未定))3号機 118.0万 運転中 大飯発電所3、4号機 トンネル工事中の協力会社作業員の負傷に対する原因と対策について
詳細は3(2)のとおり4号機 118.0万 運転中 - ※1:2018年3月1日に経済産業大臣へ廃止に係る発電事業変更届出書を提出。
- ※2:法律上、定期検査は廃止措置計画の認可を受けた日をもって終了とみなされる。
発電所名 | 申請 | 申請日 | 補正日 | 許認可日 |
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大飯 3、4号機 |
原子炉設置変更許可申請 | 2013. 7. 8 | 2016. 5.18 2016.11.18 2017. 2. 3 2017. 4.24 |
2017. 5.24 |
工事計画認可申請 | 2013. 7. 8 2013. 8. 5※1 |
2016.12. 1 2017. 4.26 2017. 6.26 2017. 7.18 2017. 8.15 |
2017. 8.25 | |
保安規定変更認可申請 | 2013. 7. 8 | 2016.12. 1 2017. 8.25 |
2017. 9. 1 | |
使用前検査申請 | 3号機:2017.8.28 (開始:2017.9.11) 4号機:2017.8.28 (開始:2017.9.14) |
2017.11.30 | 3号機:2018. 4.10 4号機:2018. 6. 5 |
|
高浜 3、4号機 |
原子炉設置変更許可申請 | 2013. 7. 8 | 2014.10.31 2014.12. 1 2015. 1.28 |
2015. 2.12 |
工事計画認可申請 | 2013. 7. 8 2013. 8. 5※1 |
2015. 2. 2 2015. 4.15 2015. 7.16※2 2015. 7.28※2 2015. 9.29※3 |
3号機:2015. 8. 4 4号機:2015.10. 9 |
|
保安規定変更認可申請 | 2013. 7. 8 | 2015. 6.19 2015. 9.29 |
2015.10. 9 | |
使用前検査申請 | 3号機:2015. 8. 5 (開始:2015. 8.17) 4号機:2015.10.14 (開始:2015.10.21) |
3号機:2015.10.14※4 3号機:2015.11.25 4号機:2015.11.25 3号機:2016. 2. 8 |
3号機:2016. 2.26 4号機:2017. 6.16 |
|
美浜3号機 | 原子炉設置変更許可申請 | 2015. 3.17 | 2016. 5.31 2016. 6.23 |
2016.10. 5 |
工事計画認可申請 | 2015.11.26 | 2016. 2.29 2016. 5.31 2016. 8.26 2016.10. 7 |
2016.10.26 | |
保安規定変更認可申請 | 2015. 3.17 | 2019. 7.31 | - | |
使用前検査申請 | 2017.12.15 (開始:2018.1.15) |
- | - | |
高浜 1、2号機 |
原子炉設置変更許可申請 (高浜1~4号機) |
2015. 3.17 | 2016. 1.22 2016. 2.10 2016. 4.12 |
2016. 4.20 |
工事計画認可申請 | 2015. 7.3 | 2015.11.16 2016. 1.22 2016. 2.29 2016. 4.27 2016. 5.27 |
2016. 6.10 | |
保安規定変更認可申請 | 2019. 7.31 | - | - | |
使用前検査申請 | 2016.10. 7 (開始:2016.11.14) |
- | - |
- ※1:高浜発電所3、4号機では2015.2.2の補正書に、大飯発電所3、4号機では2016.12.1の補正書に、2013.8.5の申請内容を含めたため、2013.8.5の申請を取り下げ。
- ※2:高浜発電所3号機および共用設備のうち3号機に分類した設備について補正書を提出。
- ※3:高浜発電所4号機および共用設備のうち4号機に分類した設備について補正書を提出。
- ※4:高浜発電所4号機の共用設備の使用前検査時期を高浜発電所3号機の使用前検査工程に反映した記載内容の変更。
発電所名 | 申請 | 申請日 | 補正日 | 許認可日 |
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高浜 3、4号機 |
原子炉設置変更許可申請 | 2014.12.25 | 2016. 6. 3 2016. 7.12 |
2016. 9.21 |
工事計画認可申請 | 2017. 4.26 | 2018.12.21 2019. 4.26 2019. 7.17 2019. 7.30 |
2019. 8.7 | |
保安規定変更認可申請 | - | - | - | |
使用前検査申請 | 2019. 8.13 | - | - | |
高浜 1、2号機 |
原子炉設置変更許可申請 (高浜1~4号機) |
2016.12.22 | 2017. 4.26 2017.12.15 |
2018. 3. 7 |
工事計画認可申請 | (第1回)2018. 3. 8 (第2回)2018.11.16 (第3回)2019. 3.15 (第4回)2019. 5.31 |
(第1回)2018.10. 5 (第1回)2019. 2.19 (第1回)2019. 3.20 (第1回)2019. 4. 9 (第1回)2019. 4.19 (第2回)2019. 5.31 (第2回)2019. 8. 2 (第2回)2019. 8.21 (第3回)2019. 8. 2 (第3回)2019. 9.27 |
(第1回)2019. 4.25 (第2回)2019.9.13 (第3回)2019.10.24 |
|
保安規定変更認可申請 | - | - | - | |
使用前検査申請 | (第1回)2019. 7. 9 (第2回)2019.10.17 (第3回)2019.11.12 |
- | - | |
美浜3号機 | 原子炉設置変更許可申請 | 2018. 4.20 | - | - |
工事計画認可申請 | - | - | - | |
保安規定変更認可申請 | - | - | - | |
大飯3、4号機 | 原子炉設置変更許可申請 | 2019. 3. 8 | - | - |
工事計画認可申請 | - | - | - | |
保安規定変更認可申請 | - | - | - |
- 2.廃止措置の状況(2019年12月2日現在)
-
発電所 廃止措置の状況(2017.4.19 ~ ) 美浜発電所 1号機 ・2次系設備の解体撤去作業中(2018.4.2 ~) 2号機 ・2次系設備の解体撤去作業中(2018.3.12 ~)
- 3.トラブル情報等について
-
- (1)法令に基づき国に報告する事象(安全協定の異常時報告事象にも該当する事象)
-
発電所名 高浜発電所4号機 発 生 日 2019年10月17日 件 名 高浜発電所4号機の定期検査状況について
(蒸気発生器伝熱管の損傷に関する原子炉施設故障等報告書の提出について)事象概要
および
対策等2019年10月17日、高浜発電所4号機(第22回定期検査中)において、3台ある蒸気発生器(SG)の伝熱管全数※1について応力腐食割れ※2等を検出するために渦流探傷検査(ECT)※3を実施した結果、A-SGの伝熱管1本、B-SGの伝熱管1本およびC-SGの伝熱管3本について、管支持板※4部付近に外面(2次側)からの減肉とみられる有意な信号指示が認められました。その後、有意な信号指示があった伝熱管の外観を小型カメラで調査した結果、幅約4mmから8mmの周方向のきずがあることを確認しました。いずれも光沢のある金属面が確認されていることや、きずの形状から摩耗減肉の可能性が高いことを確認しました。また、きずの位置は、ECTおよび外観確認の結果から、管支持板下面から約1mmから10mm下であることを確認するとともに、有意な信号指示があった伝熱管周辺の管支持板等に接触痕を確認しました。
- ※1 過去に有意な信号指示が認められ、施栓した管等を除きA-SGで3,245本、B-SGで3,248本、C-SGで3,259本、合計9,752本。
- ※2 環境、応力、材料の3要因によって発生する割れ。
- ※3 高周波電流を流したコイルを、伝熱管に接近させることで対象物に渦電流を発生させ、対象物のきず等により生じた渦電流の変化を電気信号として取り出すことできず等を検出する検査であり、伝熱管の内面(1次側)より、伝熱管の内面(1次側)と外面(2次側)の両方を検査している。
- ※4 伝熱管を支持する部品。
[2019年10月17日、29日、11月15日お知らせ済み]
当社は、これまでの調査結果や原因と対策を取りまとめ、2019年11月28日、原子力規制委員会に原子炉施設故障等報告書を提出しました。
- 1.原因調査
-
有意な信号指示があった伝熱管(計5本)は、小型カメラによる調査の結果、いずれも光沢のある金属面が確認されていることや、きずの形状から摩耗減肉の可能性が高いことなどを確認しました。
このため、減肉の要因として異物の接触等の可能性が考えられることから、SG器内(A~C)および2次冷却系統の調査および減肉のメカニズムの検討を行いました。(1)SG器内の調査
- a.伝熱管近傍の点検
有意な信号指示があった伝熱管(計5本)の外観等を確認するため、小型カメラを用いて各SG器内(2次側)の調査を行った結果、A-SGの第1管支持板上に金属片(長さ約20mm、幅約10mm、厚さ約0.6mm、重量約1g)を確認し、工場において化学成分分析、外観観察等を実施した結果、ステンレス鋼(SUS304相当)と推定しました。また、外観観察の結果、摺動痕が認められなかったため、この金属片は伝熱管を摩耗減肉させたものではないと推定しました。 - b.SG器内上部構造物の点検
気水分離器、給水リング等について、小型カメラ等により目視点検を実施した結果、異常は認められませんでした。 - c.SG器内の水張りによる調査
SG器内に水を張り、底部から窒素を噴射させた後、水を抜き、管板部をカメラで確認するとともに、排水内の異物を確認しましたが、スラッジ以外の異物は確認できませんでした。なお、SG器内から回収したスラッジによる伝熱管摩耗試験を実施した結果、伝熱管に軽微なきずは付くものの、スラッジはもろく、接触部が摩滅することから、伝熱管を摩耗減肉させる可能性は低いことを確認しました。
これらの調査の結果、部品損傷などの異常は認められず、A-SGで確認された金属片以外の異物は確認できませんでした。
(2)SG器外の調査
SG器外から異物が持ち込まれた可能性が高いと推定されたことから、昨年の高浜3号機のSG伝熱管における外面減肉事象と同様に、SGへ異物が持ち込まれる経路等の調査を行いました。
- a.異物の混入時期
減肉が認められた伝熱管については、今回の定期検査で初めて外面からの減肉信号指示が確認されていることから、前回の定期検査時に系統内に異物が混入した可能性が高いと推定しました。 - b.異物の流入経路
2次系冷却系統内の機器の部品が損傷すること等により異物となる可能性は低いことから、主給水系統もしくはSG水張系統からSGへ異物が流入した可能性があると推定しました。このため、系統外部からの混入の可能性を調査した結果、弁やストレーナ、タンクの分解点検の際に機器を開放することで作業員の衣服等に付着していた異物が系統内に混入する可能性があることを確認しました。また、垂直配管に取り付けられている弁については、作業完了後の最終異物確認時に目視による確認が困難な範囲があることを確認しました。 - c.想定される異物
系統の開放点検を実施している作業箇所の近傍において、保温材外装板や配管識別表示等の現地加工を実施した際に部材の切れ端等が発生し、異物が混入する可能性があることを確認しました。
(3)減肉のメカニズム
- a.想定される異物の形状
減肉痕等の位置関係から、異物形状を、長さ18㎜~24㎜、幅6㎜~8㎜、厚さ1㎜以下と推定しました。 - b.管支持板下面での減肉メカニズム
工場における再現試験等の結果、SG器内の水・蒸気の流れにより管支持板下面に留まった異物に伝熱管が繰り返し接触することにより、摩耗減肉が発生することを確認しました。
- a.伝熱管近傍の点検
- 2.推定原因
- 伝熱管の外面減肉が認められた原因は、管支持板下面に異物が留まり、その異物に伝熱管が繰り返し接触したことで摩耗減肉が発生したものと推定しました。
また、異物は、前回の定期検査(第21回)中における弁等の分解点検時に混入したものと推定しました。 - 3.対 策
-
(1)伝熱管の施栓
当該伝熱管については、高温側および低温側管板部で閉止栓(機械式栓)を施工し、使用しないこととします。
(2)SGへの異物混入防止対策
SGへの異物混入の可能性のある機器の点検について、次の内容を作業手順書等に記載します。
- ・作業員が機器に立ち入る際には、作業服を着替えるとともに靴カバーを着用する。
- ・垂直配管に取り付けられている弁の点検後、目視による点検が困難な箇所に対してファイバースコープによる異物確認を行う。
なお、上記の取りまとめ内容については、今後、原子力規制委員会により原子炉施設故障等報告書の確認等が行われることから、当社は、真摯かつ的確、迅速に対応してまいります。
[2019年11月28日お知らせ済み]
以 上
- (2)安全協定の異常時報告事象
-
発電所名 高浜発電所1、2号機 発 生 日 2019年9月19日 件 名 高浜発電所1、2号機 安全対策工事における協力会社作業員の負傷に対する原因と対策について 事象概要
および
対策等高浜発電所1、2号機は定期検査中の9月19日15時30分頃、安全対策工事の一環として、本坑から分岐したトンネル内で鉄製の壁を設置する作業を行っていたところ、作業員10名のうち1名が作業準備のため待機していた際に気分を悪くして倒れました。その後、他の8名も体調不良を訴え、計9名が病院に搬送されました。9名のうち8名が入院し、診察の結果、一酸化炭素中毒と診断され、そのうち1名が1週間の安静、加療が必要とされました。8名については、いずれも9月20日に退院しました。
なお、この事象による周辺環境への放射能の影響はありません。[2019年10月3日お知らせ済み]
- 1.調査結果
-
- (1)一酸化炭素(以下「CO」という)の発生源
現場では、溶接作業のため、エンジン付溶接機、エンジン駆動のフォークリフト、電動駆動の高所作業車、集塵機を使用していました。
これらの資機材を用いて再現試験を行った結果、主にエンジン付溶接機からCOが発生していたことが分かりました。 - (2)換気状況
現場には、送気ファン、排気ファンが設置されていましたが、再現試験の結果、当該作業場所付近で空気が循環し、新しい空気がほとんど取り入れられていない状態であることを確認しました。この状態でCO濃度を測定したところ、作業場所周辺で最大300~500ppm(許容値:50ppm以下)となることを確認しました。
- (1)一酸化炭素(以下「CO」という)の発生源
- 2.推定原因
- 本坑から分岐したトンネル内の換気が不十分であったことから、エンジン付溶接機から発生したCOが当該作業場所付近に滞留し、その周辺で作業していた作業員がCO中毒となったものと推定しました。
- 3.対 策
-
分岐トンネル内の換気を確実に行うため、トンネル先端まで外気を直接供給する送気管を設置しました。
また、トンネルの入口や作業エリアでCO濃度をリアルタイムで測定するとともに、トンネル内の溶接作業にあたっては、COが発生しない電気式溶接機を使用することとしました。
さらに、万一に備え、休憩所内に酸素吸入器を配備することとしました。
以 上
発電所名 大飯発電所3、4号機 発 生 日 2019年10月31日 件 名 大飯発電所3、4号機 トンネル工事中の協力会社作業員の負傷に対する原因と対策について 事象概要
および
対策等大飯発電所3、4号機において、10月31日8時48分、発電所敷地内のトンネル工事中、トンネル内壁を覆うコンクリートを打設するための型枠を設置しようとしていたところ、型枠と鉄筋をボルトで固定する際に、鉄筋の位置を調整しようと作業員が型枠に登り、調整後に足場に戻ろうとして、約4m下の底面に転落しました。
負傷した作業員は、直ちに病院に搬送され、現在治療中です。[2019年10月31日、11月1日お知らせ済み]
- 1.調査結果
- 型枠を設置するため、固定用のボルトを型枠の表側から挿入し、裏側の鉄筋に取り付けようとしたところ、鉄筋の位置がずれていたことから位置調整を行うこととしました。被災者は足場上からは型枠裏側に手が届かなかったことから、「足場から身を乗り出して作業しない」というルールを定めていたにもかかわらず、足場から身を乗り出して型枠に登り、調整作業を実施しました。その後、型枠上から元の足場に戻ろうとした際、約4m下のトンネル底面に転落しました。
- 2.原因
- 型枠を固定するための鉄筋の位置調整を行う際、「足場から身を乗り出して作業しない」というルールを定めていたにもかかわらず、足場から離れ、型枠に登って調整作業を実施したため、高所から転落したものと推定しました。
- 3.対策
- 足場上で型枠の取り付けや調整が行えるよう、足場の位置を変更すること等を作業計画に反映しました。
以 上
- (3)保全品質情報等
- なし
以 上