プレスリリース

2009年12月3日
関西電力株式会社

原子力発電所の運営状況について

 当社の原子力発電所における運営状況について、以下のとおりお知らせします。

1.運転状況について(平成21年12月2日現在)
発電所 電気
出力
(kW)
運転状況 備  考
美 浜
発電所
1号機 34.0万 第24回 定期検査中
H21年8月17日〜H21年12月中旬予定
(調整運転中)
  • ○発電機出力上昇操作中の不具合による発電停止の原因と対策について
    詳細は2(1)のとおり
    11月1324日お知らせ済み】
  • ○「制御棒駆動装置電源故障」警報等の発信について
    詳細は2(3)のとおり
    11月69日お知らせ済み】
2号機 50.0万 運転中  
3号機 82.6万 運転中  
高 浜
発電所
1号機 82.6万 第26回 定期検査中
H21年9月14日〜H21年12月中旬予定
(調整運転中)
 
2号機 82.6万 運転中  
3号機 87.0万 運転中  
4号機 87.0万 運転中  
大 飯
発電所
1号機 117.5万 第23回 定期検査中
H21年8月20日〜H22年1月上旬予定
2号機 117.5万 停止中
H21年10月21日
1次冷却材中の放射能濃度の上昇に伴い停止
 
3号機 118.0万 第14回 定期検査中
H21年10月31日〜H22年2月中旬予定
 
4号機 118.0万 運転中  

2.トラブル等情報について

(1)法令に基づき国に報告する事象(安全協定の異常時報告事象にも該当する事象)
発電所名  美浜発電所1号機 発 生 日 平成21年11月12日
件  名 発電機出力上昇操作中の不具合による発電停止の原因と対策について     (添付図1)
事象概要
および
対 策 等

 定期検査中の11月12日19時40分から発電機出力約20%に向けて出力上昇操作を始めましたが、タービンに送る蒸気の量を制限している弁(蒸気加減弁)の制御スイッチ(負荷制限器スイッチ)を出力上昇側に1回操作*1したところ、発電機出力が急激な上昇傾向を示しました。その後の出力降下操作により、出力は同日22時頃には約6%の出力で安定して推移する状態となりました。
 原因調査として、負荷制限器スイッチや弁の制御回路等について点検しましたが、異常は認められなかったことから、詳細な点検を行うため発電を停止することとし、11月13日7時00分に出力降下を開始し、7時8分に発電を停止しました。
 なお、発電停止期間中の本事象による原子炉熱出力の変動は、17万9千600キロワット(定格熱出力の17.4%)から6万3千キロワット(同6.1%)までとなっていました。

1.調査結果
(1)蒸気加減弁およびロードリミッタ(負荷制限器)*2等の調査
 蒸気加減弁の開度は、ロードリミッタ(以下「負荷制限器」という)の信号によって弁の開度を制御する油圧信号が変化することで制御されている。
 発電停止後、負荷制限器および蒸気加減弁について外観点検や動作試験等を行った結果、異常は認められませんでした。
 詳細調査として、事象発生時における負荷制限器の油圧信号を調査したところ、油圧信号の変化量が、通常(約0.15kPa程度)より大きい値(約7kPa)を示していたことを確認しました。
 このことから、負荷制限器内で一時的に異常が発生した可能性があると判断し、負荷制限器部分を制御油圧系統から取り外して詳細に点検しました。
 その結果、構成部品であるピストンやカップ弁等の構成部品に傷等の異常は認められませんでしたが、内部の制御油を回収したところ、微小な異物を確認しました。分析の結果、異物は負荷制限器を制御油圧系統に取り付ける際の接続面(合わせ面)に用いるペースト状ガスケット*3(以下「ガスケット」という)の成分と一致することを確認しました。

(2)異物混入の調査
 負荷制限器は定期検査作業に制御油圧系統から取り外し、油が通る開口部は布ウエス*4で塞ぎ、合わせ面に塗布しているガスケットは除去しています。
 これらの作業過程から、ガスケットの微小な残片等がウエスに付着するなどして開口部に混入した可能性が否定できないと判断しました。

(3)異物混入時の動作再現試験
 負荷制限器の内部には、それぞれ独立して上下に動くピストンと、弁の開閉を制御する油圧を発生させているカップ弁があり、負荷制限器スイッチからの信号により、カップ弁の位置が微小に動き、ピストンとの隙間が変化しますが、この隙間を一定に調整するように油圧が変化することで弁の開度が制御されます。
 ガスケットの微小片(異物)が、上下に動くピストンの外面にはさまった場合の再現試験を行った結果、ピストンが動く際に、異物による抵抗力が働くため、油圧と釣り合う位置が通常と異なり、油圧の変化量が通常と比べ大きくなることを確認しました。

2.推定原因
 今回の定期検査時の負荷制限器の取外し・取り付け作業に伴い、微小なガスケットの残片が負荷制限器内の油系統に混入し、出力上昇時にピストン外側に噛み込んだことにより、蒸気加減弁の開度制御油圧の変化量が大きくなった結果、発電機出力が大きくなり、原子炉熱出力も追従して変動したものと推定しました。

3.対 策
 今回不具合が認められた負荷制限器については、工場にて点検・調整を行った後、発電所にて油圧系統に取り付け、蒸気加減弁が正常に動作することを確認しました。
 また、今後、定期検査時に負荷制限器を制御油圧系統から取り外す際には、合わせ面の開口部に専用の閉止プラグを取り付けるとともに、作業場所をクリーンエリア(異物の侵入を防ぐエリア)に設定し、異物管理を強化することとします。
 この事象による周辺環境への放射能の影響はありません。

  • ※1:負荷制限器スイッチを1回上昇操作すると、結果として電気出力が約0.1%上昇する程度の蒸気量が増える。(弁が開側になる)
  • ※2:蒸気加減弁の開度を調整する油圧制御機構の一部。制御機構は主ガバナ、補助ガバナ、油圧ブースタおよび負荷制限器から構成される。
  • ※3:機密性を高めるために部品と部品の合わせ面に塗布しているシール材。
  • ※4:機械の油の拭き取りなどに用いる布。

以 上

平成21年11月1324日 お知らせ済み]

 同機は11月24日17時02分に、調整運転を再開(発電再開)しました。今後、12月中旬に経済産業省の最終検査を受けて本格運転を再開する予定です。

(2)安全協定の異常時報告事象

なし

(3)保全品質情報等
発電所名  美浜発電所1号機 発 生 日 平成21年11月6日
件  名 「制御棒駆動装置電源故障」警報等の発信について    (添付図2)
事象概要
および
対 策 等

 11月6日に、原子炉起動前の制御棒(全29本)の動作確認のため、停止バンクA(8本)を全引き抜き位置から全挿入位置まで挿入しようとしたところ、その途中で、制御棒駆動装置の電源の故障を示す警報と、制御棒操作の動作指令信号と実際の制御棒位置に差があることを示す警報が発信しました。
 直ちに状況を確認したところ、8本のうち1本の制御棒が指令信号より若干深い位置に挿入されており、また、この制御棒の動作中の駆動装置で電源故障を示すランプが点灯していました。その後、この8本を全挿入位置まで挿入した後に、引き抜き操作を行ったところ、同様な事象が発生したため、制御棒駆動装置の電源系に異常があると考え、原子炉起動を延期し、原因調査を行うこととしました。
 当該制御棒の駆動装置の電源系について、原子炉補助建屋内の制御棒駆動装置制御盤から原子炉容器上部の制御棒駆動装置に至るまでの電源ケーブルについて電気抵抗測定を行った結果、原子炉容器上部にある中間コネクタと制御棒駆動装置の間の電気抵抗が大きいことがわかりました。
 このため、その途中にある制御棒駆動装置の電源ケーブル接続コネクタ部(原子炉容器上部)を点検したところ、コネクタのガタつきとコネクタ抜け出し防止用ナットに緩みが見つかり、ナットを締め込んだところ電気抵抗は回復しました。このことから、当該接続コネクタ部で接触不良が発生しているものと判断されました。
 当該接続コネクタ部は、点検のため前々回の定期検査時に取り外されており、その際には、取り外し前にナット側(コネクタの凹部)とネジ山側(コネクタの凸側)に印をつけ、復旧時には印が合致するまでナットを締め付けていましたが、コネクタの差し込みが不十分な状態でナットを締め付けた可能性があるものと考えられました。
 これらのことから、警報が発信した原因は、前々回の定期検査において電源ケーブルコネクタ部の差し込み不足と、ナットの締め付けが不十分であったことから、運転時や制御棒操作に伴う振動等によりナットが徐々に緩み、電源ケーブルコネクタに一時的な接触不良が発生したものと推定されました。
 対策として、電源ケーブルコネクタを確実に差し込んだ状態でナットを締め付けるよう、締め付け後のネジ山部の隙間を管理していくこととしました。
 当該制御棒を含む全29本の制御棒について、この方法でナットの締め付けを行った上で動作確認し、問題のないことを確認しました。

平成21年11月69日 お知らせ済み]

 同機は11月9日19時00分に原子炉を起動し、10日10時23分に臨界に達し、12日19時10分に調整運転を開始しました。(その後の発電停止については2(1)のとおり)

以 上