プレスリリース

2009年11月4日
関西電力株式会社

原子力発電所の運営状況について

 当社の原子力発電所における運営状況について、以下のとおりお知らせします。

1.運転状況について(平成21年11月3日現在)
発電所 電気
出力
(kW)
運転状況 備  考
美 浜
発電所
1号機 34.0万 第24回 定期検査中
H21年8月17日〜H21年12月上旬予定
 
2号機 50.0万 運転中
  • ○復水タンク水位計の指示値低下に伴う運転上の制限の逸脱および復帰について
    詳細は2(3)のとおり
    【原因対策を取りまとめましたのでお知らせ
     (発生については10月5日にお知らせ済み)】
  • ○A−給水ポンプ排水管からの蒸気漏れについて
    詳細は2(3)のとおり
    【事象概要、原因対策をとりまとめましたので
     お知らせ(新規お知らせ)】
3号機 82.6万 運転中  
高 浜
発電所
1号機 82.6万 第26回 定期検査中
H21年9月14日〜H21年12月中旬予定
 
2号機 82.6万 運転中
  • ○協力会社社員の管理区域内における個人線量計の一時的な不携帯について
    詳細は2(3)のとおり
    【事象概要、原因対策をとりまとめましたので
     お知らせ(新規お知らせ)】
3号機 87.0万 運転中  
4号機 87.0万 運転中  
大 飯
発電所
1号機 117.5万 第23回 定期検査中
H21年8月20日〜H22年1月上旬予定
  • ○プラント排気筒ガスモニタの一時的な僅かな指示値の上昇について
    詳細は2(2)のとおり
    10月19日お知らせ済み】
2号機 117.5万 停止中
H21年10月21日 1次冷却材中の
放射能濃度の上昇に伴い停止
3号機 118.0万 第14回 定期検査中
H21年10月31日〜H22年2月中旬予定
 
4号機 118.0万 運転中  

2.トラブル等情報について

(1)法令に基づき国に報告する事象(安全協定の異常時報告事象にも該当する事象)

なし


(2)安全協定の異常時報告事象
発電所名  大飯発電所2号機 発 生 日 平成21年8月31日
件  名 原子炉の停止について(1次冷却材中の放射能濃度の上昇)     (添付図1)
事象概要
および
対 策 等

 定格熱出力一定運転中の8月31日、定例の1次冷却材中のよう素(以下よう素はI−131を指す)濃度測定*1を行ったところ、前回(8月28日測定、0.49Bq/cm3)と比較して若干上昇していた(0.65Bq/cm3)ことから、1次冷却材中の希ガス*2濃度およびよう素濃度の測定を行いました。その結果、前回(8月25日測定、7.9Bq/cm3)を上回る希ガス濃度(190Bq/cm3)を確認したことから、燃料集合体に漏えい*3が発生した疑いがあるものと判断しました。また、よう素濃度も1.0Bq/cm3に上昇していることを確認しました。
 9月1日に測定したよう素濃度は1.4Bq/cm3で、運転上の制限値(63,000Bq/cm3)に比べて十分に低く、発電所の運転および環境安全上の問題はないと判断されることから、1次冷却材中の放射能濃度の測定頻度を上げて(よう素濃度:3回/週→1回/日、希ガス濃度:1回/週→1回/日、全放射能濃度:1回/月→1回/週)監視を強化し、運転を継続しました。
 その後、1次冷却材中のよう素濃度は約1Bq/cm3から約11Bq/cm3の間で推移しており、運転上の制限値(63,000Bq/cm3)に比べて十分に低いものの、10月6日頃から希ガス濃度が上昇傾向にあった(9月1日から10月6日まで約560Bq/cm3から約1,730Bq/cm3で推移していたところ、10月7日から10月18日まででは約1,650Bq/cm3から約8,560Bq/cm3に上昇した)ことから、漏えい燃料の特定調査を実施するため、原子炉を停止することを決定し、10月21日15時頃から出力降下を開始、23時00分に発電を停止し、23時54分に原子炉を停止しました。
 今後、放射能の低減を図った上で、漏えい燃料の特定調査(シッピング検査*4等)を実施する予定です。
 なお、この事象による環境への放射能の影響はありません。

  • *1 定例の測定頻度は、よう素濃度:3回/週、希ガス濃度:1回/週。
  • *2 ウランの核分裂反応で生成するキセノン等のガス。
  • *3 燃料ペレットを収納している燃料被覆管から漏えいがあると、燃料被覆管内のよう素や希ガスが1次冷却材中に放出される。このため、1次冷却材中のよう素や希ガス濃度の変化から、漏えいの有無を判断している。
  • *4 燃料集合体から漏れ出てくる気体および液体に含まれる核分裂生成物(キセノン133、よう素131等)の量を確認し、漏えい燃料集合体かどうかの判断をする検査。

平成21年9月1日10月19日10月21日 お知らせ済み]


発電所名  大飯発電所1号機 発 生 日 平成21年10月12日
件  名 プラント排気筒ガスモニタの一時的な僅かな指示値の上昇について     (添付図2)
事象概要
および
対 策 等

 第23回定期検査中の10月12日10時10分頃、プラント排気筒ガスモニタ*1の指示値が僅かに上昇し、約10分後に通常値まで低下しました(最大値は18.1cps*2。通常値は14.5cps)。このため作業状況の確認をした結果、1号機側で希ガス放出にかかわる運転操作の実績はなく、定期検査作業においてもプラント排気筒ガスモニタの指示値が上昇するような作業の実績もないため、希ガス*3が放出されたものではなく、電気的なノイズにより指示値が上昇した可能性が高いと推測しました。その後、原因を調査中であった19日10時10分頃から、12日と同様にプラント排気筒ガスモニタの指示値が僅かに上昇し、約10分後に通常値まで低下しました(最大値は18.1cps。通常値は14.5cps)。また、原子炉補助建屋内の空気を吸引して測定している放射線モニタ*4の指示値が同時刻に上昇していることを確認しました。
 現在も原因調査中ですが、プラント排気筒ガスモニタが上昇する同じ時間帯で、運転中の2号機の体積制御タンク*5の気相部の水素ガスを処理している気体廃棄物処理系統のガス分析装置の自動校正*6が動作していることが判明しており、現在、指示値上昇との因果関係について、詳細に調査を行っています。
 今回、1号機排気筒から放出された希ガスの放射能量は12日および19日の合計で約1.0×10Bq(12日:約4.9×10Bq、19日:約5.5×10Bq)と評価され、保安規定に基づく放出管理目標値(3.9×1015Bq/年)に比べ約350万分の1以下と十分低い値でした。また、発電所敷地内および周辺のモニタリングポストの指示値は平常と変わりなく、周辺環境等への影響はありません。

  • *1 運転に伴って発生する気体放射性廃棄物(希ガス)を監視するモニタ。大飯1号機ではプラント排気筒で原子炉格納容器および補助建屋からの排気を監視している。
  • *2 1秒間に測った放射線の数を表す単位。
  • *3 ウランの核分裂反応で生成するキセノン等のガス。
  • *4 気体廃棄物処理系統の換気空調系ガスモニタ(通常は常時測定しているものではないが、10月12日以降、常時測定する設定に変更していたもの)。
  • *5 化学体積制御系の設備で、原子炉容器や配管内の一次冷却材の量を調整するためのタンク。
  • *6 ガス分析装置(水素濃度計、酸素濃度計)の校正を自動で一定間隔に実施するもの。

平成21年10月19日 お知らせ済み]



(3)保全品質情報等
発電所名  美浜発電所2号機 発 生 日 平成21年10月5日
件  名 復水タンク水位計の指示値低下に伴う運転上の制限の逸脱および復帰について   (添付図3)

(概要〕
 10月5日、運転中の美浜2号機において、中央制御室の復水タンク水位計指示値が低下したことから、9時36分、運転上の制限の逸脱を判断しましたが、9時44分に指示値は通常値に戻り、10時20分に運転上の制限の逸脱からの復帰を判断しました。
 指示値が低下したのは、復水タンク周辺の電線管取替え作業の際、復水タンク水位計の電源ケーブルを取り外したためでした。ケーブルを取り外した原因は、工事前の調査の際に、当該電線管には凍結防止用ヒータの電源ケーブルが入っているものと思い込み、ケーブルの接続先を確認せずに作業指示を出していたことにありました。
 対策として、ケーブルの接続や取り外しを行う作業においては、事前調査の段階でケーブルの接続先を確認することを当社社員に再徹底しました。また、協力会社に対しては、接続チェックシートに具体的な接続先を記載するよう要求しました。さらに、当該プルボックスから出ている復水タンク水位計等の安全上重要な電線管については印をつけて区別しました。
 なお、この事象による周辺環境への影響はありません。

事象概要
および
対 策 等

 定格熱出力一定運転中の10月5日9時35分頃、運転員が中央制御室の復水タンク*1の水位計指示値が低下(約8.7mから0m)していることを確認しました。指示低下時に実施していた作業を確認したところ、復水タンク廻りの凍結防止用ヒータ*2の電源ケーブルが入っている電線管取替えのため、同ヒータ電源ケーブルの取り外し作業を実施していることがわかりました。このため、取り外した電源ケーブルを復旧したところ、9時44分に指示値が復帰しました。指示値が低下していた間の復水タンク水位は、現地の水位計により変動がないことを確認しています。
 調査の結果、復水タンク廻りの凍結防止用ヒータの電源ケーブルを取り外す作業の際に、当該水位計の電源ケーブルを取り外したことにより指示値が低下したことがわかりました。保安規定においては、事故が発生した場合に中央制御室から復水タンクの水位を確認できることが求められており、今回の原因が当該水位計の電源ケーブルを取り外したことであると確認されたことから、10時20分に、9時36分(運転上の制限の逸脱を判断した時間)から10時20分までの間、運転上の制限から逸脱していると判断しました。
 なお、この事象による周辺環境への影響はありません。

平成21年10月5日 お知らせ済み]

 調査の結果、作業員は当社が指示した電線管に入っているケーブルの取り外しを行っていましたが、当該電線管には、復水タンク廻りの凍結防止用ヒータの電源ケーブルではなく、復水タンク水位計の電源ケーブルが入っていました。また、当社は電線管内のケーブルが復水タンク水位計の電源ケーブルであるとは認識せずに作業指示を出していました。
 その原因は、当社が行った工事前の調査の際に、当該電線管が作業用電源の接続されているプルボックス*3から出て復水タンク水位伝送器盤につながっていることや、水位伝送器盤から凍結防止用電源盤に向けて電線管が延びている状況を見て、当該電線管には凍結防止用ヒータの電源ケーブルが入っているものと思い込み、ケーブルの接続先を確認していなかったことにありました。また、協力会社から当社に提出されたケーブルの接続チェックシート*4にも、具体的な接続先が記載されていませんでした。
 対策として、ケーブルの接続や取り外しを行う作業においては、事前調査の段階でケーブルの接続先を確認することを当社社員に再徹底しました。また、協力会社に対しては、接続チェックシートに具体的な接続先を記載するよう要求しました。さらに、当該プルボックスから出ている復水タンク水位計等の安全上重要な電線管については印をつけて区別しました。

  • *1 主給水系統による給水が不可能な場合に、余熱除去系統使用までの1次冷却材系統の冷却のために、蒸気発生器に送る冷却水を蓄えているタンク。
  • *2 外気温度の低下により、水位計他の配管の水が凍結することを防止するためのヒータ。
  • *3 電線の接続や取り出しを容易にするための鋼板製等の箱。
  • *4 ケーブル取り外し前に接続(結線)状態を記録し、誤った接続・取り外しを防止するためのチェックシート。


発電所名  美浜発電所2号機 発 生 日 平成21年10月11日
件  名 A−給水ポンプ排水管からの蒸気漏れについて   (添付図4)

(概要〕
 10月11日18時15分頃、運転中の美浜2号機において、A−給水ポンプの排水管からの蒸気漏れを発見しました。蒸気は配管の継ぎ目の溶接部から漏れており、原因を調査したところ、過去の排水管改造工事の際に溶接部の内面に溶け込み不足があり、また、漏えい箇所付近に設置されている排水管を固定するためのUボルトが緩んでいたことから、溶接部の溶け込み不足とポンプの運転に伴う振動による当該溶接部への繰り返し応力が相まって、疲労割れが発生し貫通したものと推定しました。
 対策として、当該排水管を固定するUボルトのナットを1つから2つに増やして緩みを防止するとともに、ポンプの振動の影響を小さくするよう、配管の取り回しを変更しました。さらに、継ぎ手の溶接形状を差し込みタイプから、溶け込み不足が生じにくくかつ応力に強い突き合わせタイプに変更しました。
 本事象によるプラントの運転への影響はありませんでした。

事象概要
および
対 策 等

 定格熱出力一定運転中の10月11日18時15分頃、巡回点検中の運転員が3台ある給水ポンプ*1のうち、運転中のA−給水ポンプの排水管からの蒸気漏れを発見したため、予備機であるC−給水ポンプを起動したのち、A−給水ポンプを停止し系統から切り離す作業(隔離)を実施しました。
 漏れ箇所は、暖気ライン*2への分岐箇所(T字継ぎ手)の溶接部で、その表面に周方向の長さ約8mmの割れを確認しました。放射線透過試験*3および金属組織観察*4を行った結果、溶接部の内面には溶け込み不足があり、割れはその箇所から外面に向かって貫通しており、破面には高サイクル疲労の特徴である組織状模様が確認されました。また、排水管の継ぎ手周辺を点検したところ、排水管を固定するUボルトが緩んでいることが確認され、その影響を評価した結果、給水ポンプのミニマムフロー運転*5時における振動で、当該溶接部に繰り返し応力が作用し疲労割れが発生する可能性があることがわかりました。
 これらのことから、当該溶接部の内面にある溶け込み不足と、Uボルトの緩みにより生じた給水ポンプのミニマムフロー運転時の繰り返し応力が相まって疲労割れが発生し、貫通したものと推定しました。
 対策として、当該排水管を固定するUボルトのナットを1つから2つに増やし、緩みの発生を防止するとともに、定検毎に緩みがないことを確認することとしました。また、給水ポンプの振動の影響が小さくなるよう、暖気ライン分岐箇所を排水管下流側に変更し、変更後のミニマムフロー運転時に振動を測定して、問題がないことを確認しました。さらに、継ぎ手の溶接形状を差し込みタイプから、溶け込み不足が生じにくくかつ応力に強い突き合わせタイプに変更しました。
 なお、BおよびC−給水ポンプの排水管については、放射線透過試験を実施し割れがないことやUボルトに緩みがないことを確認しましたが、念のため、次回定期検査時にA−給水ポンプと同様の対策を実施することとします。
 本事象によるプラントの運転への影響はありませんでした。

  • *1 蒸気発生器へ水を供給するポンプ。美浜2号機には3台(A,B,C)あり、原子炉運転中は2台が運転、1台は予備機として停止している(待機状態)。
  • *2 初期起動時に系統水(高温)とポンプ内部水(常温)との温度差による熱影響を緩和させるため、ポンプを暖めるための系統。(通常運転中は使用していない)
  • *3 検査対象物を透過する放射線の強度分布を画像化することにより、検査対象物の内部構造等を検査する手法。
  • *4 肉眼あるいは低倍率の拡大鏡(20倍程度まで)を使用して金属組織を観察する試験。
  • *5 ポンプを運転するために最低流量を確保した運転のこと。


発電所名  高浜発電所2号機 発 生 日 平成21年10月21日
件  名 協力会社社員の管理区域内における個人線量計の一時的な不携帯について   (添付図5)

(概要〕
 10月21日、運転中の高浜2号機において、協力会社作業員1名が、管理区域内における個人の放射線被ばく量を測定する個人線量計(ガラスバッジを含む)を携帯せずに1時間程度作業を行っていたことがわかりました。当社は直ちに作業を中断させ、身体汚染のないことを確認したのち管理区域から退出させました。なお、被ばく評価を実施したところ、被ばく線量は0.00ミリシーベルトであり、健康への影響はありませんでした。
 対策として、出入管理室から管理区域へ向かう際に、個人線量計を携帯しているかを確認させるため、管理区域入域時の服装、個人線量計を携帯していることを示した等身大のパネル等を設置しました。
 また、作業員に対して個人線量計の携帯の目的および必要性を再徹底しました。

事象概要
および
対 策 等

 定格熱出力一定運転中の10月21日、液体廃棄物処理設備*1の取替工事のうち配管を保温する電気ヒータの取り付け作業に従事していた協力会社作業員1名が、管理区域*2に立入る前の着替えの際、デジタル式個人線量計*3およびガラスバッジ*4(以下個人線量計)を着替え場所の棚に置き忘れ、携帯しないまま管理区域内で作業を行っていました。その後、別の作業員が当該個人線量計を発見し、当社社員に届け出ました。当社は不携帯であった協力会社作業員をすみやかに特定し、作業を中断させ、身体汚染のないことを確認して管理区域から退出させました。なお、作業をしていた約1時間の被ばく線量については、放射線量が極めて低い作業場所であったこと、また、同一の作業を実施していた他の作業員の被ばく線量が0.00ミリシーベルトであったことから、0.00ミリシーベルトと評価しました。
 個人線量計を置き忘れた原因について聞き取り調査を行ったところ、更衣エリアにて下着を脱いで管理区域用のシャツに着替える際に、首から吊り下げていた個人線量計を外し、棚に置いたまま現場に向かったものとわかりました。
 これまでも、個人線量計の不携帯を防止するため、出入管理室内に音声を流して注意喚起を図るとともに、置き忘れ防止の注意表示を掲示していました。
 今後は、更衣エリアに注意表示を追加設置するとともに、管理区域境界付近にも注意喚起の音声を流すスピーカと、個人線量計を携帯していることを示した等身大のパネルを追加設置し、個人線量計を携帯しているかの確認動作(指差し呼称)を実行するように周知徹底しました。
 また、作業員に対して個人線量計を携帯する目的および必要性を再徹底しました。

  • *1 原子力発電所を運転することにより発生した放射性液体廃棄物を発生源の種類別に分別回収し、それぞれの性状にあった方法で減容したり、放射能濃度を低減させたりして処理する設備。
  • *2 被ばく線量が3ヶ月当たり1.3ミリシーベルトを超える可能性のある区域で、関係者以外の者の不必要な被ばくを防ぐため一般区域と明確に区別し、立ち入り制限等の管理を必要とする場所。
  • *3 作業員の管理区域立入毎の被ばく線量を測定する測定器で、被ばく線量や入域時間が設定レベルに達したときにアラームが鳴る仕組になっている。
  • *4 蛍光ガラス素子等を用いてエックス線、ガンマ線、ベータ線、中性子線の被ばく線量を一定期間累積して測定する個人線量計。

以 上