プレスリリース

2007年7月5日
関西電力株式会社

高浜発電所4号機の原子炉起動および調整運転の開始について

高浜発電所4号機 第17回定期検査の概要

1. 主要な工事等について
 (1)原子炉容器上部ふた取替工事 添付および(図−1参照)
   大飯発電所3号機の原子炉容器上部ふた管台からの1次冷却材漏えい事象を踏まえ、長期的な設備信頼性維持を図るため、材質を変更するなど改良を施した新しい上部ふたに取替えました。
 旧上部ふたについては、既設のB蒸気発生器保管庫内に保管しました。

 (2)再生熱交換器取替工事  (図−2参照)
   国内PWRプラントにおける高サイクル熱疲労割れ事象(温度ゆらぎによる疲労)を踏まえ、内筒を有する再生熱交換器については定期的に点検を行っていますが、今後の保守性を考慮し、再生熱交換器一式(3台)を内筒のない構造のものに取り替えました。
 旧再生熱交換器については、既設のC廃棄物庫に保管しました。

 (3)亜鉛注入装置設置工事 (図−3参照)
   作業員の被ばく低減を目的として、コバルト-60等の放射性物質が機器や配管内表面に付着するのを抑制する等の効果がある亜鉛を、1次冷却材中に注入するための装置を化学体積制御系に設置しました。

※: 亜鉛注入は国内プラントで実績があり、1次冷却材中に放射化しにくい亜鉛を注入することで、機器や配管内表面に強固な被膜を形成させ、コバルト-60等の放射性物質が機器・配管内表面へ再付着することを抑制することで、1次冷却材系配管等の線量を低減する。


2. 保全対策について
 (1)600系ニッケル基合金溶接部の応力腐食割れにかかる点検 (図−4参照)
   国内外PWRプラントにおいて、600系ニッケル基合金溶接部の応力腐食割れ事象を踏まえ、600系ニッケル基合金が使用されている蒸気発生器出入口管台および加圧器サージ管台溶接部について、外観目視点検や超音波探傷検査を実施し、異常のないことを確認しました。

 (2)2次系配管の点検等   (図−5参照)
  美浜発電所3号機事故を踏まえ、2次系配管1,019箇所について超音波検査(肉厚測定)を行いました。(今回で未点検箇所の点検を終了)
 その結果、必要最小厚さを下回る箇所、および余寿命評価で次回定期検査までに必要最小厚さを下回る可能性があると評価された箇所はありませんでした。
     
  過去の点検結果から減肉が確認された部位9箇所、他プラントにおいて減肉を確認した類似部位1箇所、保守作業を考慮した部位339箇所、合計349箇所の配管を炭素鋼から耐食性の優れたステンレス鋼、または低合金鋼の配管に取り替えました。


3. 蒸気発生器伝熱管の渦流探傷検査(ECT)
   3台ある蒸気発生器の伝熱管全数(既施栓管を除く9,758本)について、渦流探傷検査(ECT)を実施した結果、異常は認められませんでした。


4. 燃料集合体の取り替え
   燃料集合体全数157体のうち77体(うち56体は新燃料集合体)を取り替えました。
 また、燃料集合体の外観検査(41体)を実施した結果、異常は認められませんでした。


5. 次回定期検査の予定
   平成20年夏頃

以  上

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