再生可能エネルギーへの取組み
関西電力の水力発電所

(写真) 関連リンク:黒部の知られざる裏側を見る

黒部川第四発電所は“クロヨン(黒四)”と呼ばれ、これまで多くの人々に親しまれています。この黒四は、昭和31年8月着工以来、7年、513億円の工費、延べ1,000万人の労働力を投入し、昭和38年6月に完成しました。黒四の完成は、電力供給に大きく貢献したばかりでなく、黒部川全体の流量を調整し、下流発電能力をも高めることができたのです。発電所は、国立公園内ということもあって全て地下式になっています。

所在地富山県黒部市
最大出力337,000kW
形式ダム水路式
河川黒部川水系黒部川
営業運転開始年月昭和36年1月

(写真) 関連リンク: 国内最大出力の純揚水式発電所 「奥多々良木発電所」に迫る

兵庫県の市川と円山川の分水界という地形を利用してつくられた純揚水式発電所です。上部ダムは高さ98.0m、下部ダムは64.5mのロックフィルダムです。上部ダム(黒川ダム)と下部ダム(多々良木ダム)を3,800mの水路と地下発電所で結び、有効落差約380mを得て発電しています。

所在地兵庫県朝来市
最大出力1,932,000kW
形式純揚水式
河川上部:市川水系市川及び油谷川
下部:円山川水系多々良木川
営業運転開始年月昭和49年6月

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読書(よみかき)発電所は“電力王”とよばれた福澤桃介によって大正10年(1921年)に着工され、同12年(1923年)の冬に運用を開始しました。3本の鉄管を背負った鉄筋コンクリート造りの水路式発電所は、完成時は4万700kWという当時では水力発電の中で日本一の出力を誇っていました。この読書発電所は、当時の水路式発電所の金字塔ともいうべき発電所であり、平成6年12月27日(1994年)に近代化遺産として、運用中の発電所では初めて国の重要文化財に指定されました。

所在地長野県木曽郡
最大出力119,000kW
形式ダム水路式
河川木曽川水系木曽川、柿其川
営業運転開始年月大正12年12月

(写真) 関連リンク: 蹴上発電所見学会のご案内

蹴上(けあげ)発電所は、琵琶湖疏水で得られる水力の有効活用の目的で建設され、明治24年(1891年)6月に発電機2台で運転を開始しました。情緒あふれるレンガ造りの発電所から生まれる電気は京都の街へと送られ、明治28年(1895年)には、塩小路(現在の京都駅)~伏見駅へ走る日本初の市街電気鉄道(京都市電)の開通に大きく貢献しました。京都の近代化に大きく貢献した蹴上発電所は、開業から100年以上を経た今でも京都の街へ電気を送り続けています。

所在地京都市
最大出力4,500kW
形式水路式
河川淀川水系琵琶湖疏水
営業運転開始年月明治30年5月

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宇治発電所は、琵琶湖の水を利用した発電所で、大正2年(1913年)7月に出力27,630kWで運転を開始しました。当時、関西地方で最も出力の大きい水力発電所は、蹴上発電所の4,800kW(現在4,500kW)であり、宇治発電所の出力がいかに飛躍的なものであったかが想像できます。

所在地京都府宇治市
最大出力32,500kW
形式水路式
河川淀川水系淀川、志津川
営業運転開始年月大正2年7月

(写真) 関連リンク: 中央アルプスの雪解け水も「維持流量」

読書(よみかき)ダムは、ダム下流の景観の保全など河川環境維持のため、常時、ダム湖から「河川維持流量」を放流しています。大桑野尻発電所は、この「河川維持流量」を利用して発電しています。

所在地長野県木曽郡
最大出力490kW
形式ダム式
河川木曽川水系木曽川
営業運転開始年月平成23年6月

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これまで、水力発電所は大規模なものが主流でしたが、最近は、使われていない水資源も発電に有効利用しようという動きがあります。新黒薙(くろなぎ)第二発電所は、既設の黒薙第二発電所に繋がる水圧管を途中で分岐することにより、新たに作られた水力発電所です。

所在地富山県黒部市
最大出力1,900kW
形式水路式
河川黒部川水系黒薙川、猪頭谷川
営業運転開始年月平成24年12月

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出し平(だしだいら)発電所では、ダム下流の景観の保全等、河川環境を維持するために放流している水を利用して発電しています。
小規模な発電所ですが、黒部川水系の大切な水をできるだけ有効に使うための取組みの一環で、再生可能エネルギーの普及促進につながるものです。
また、環境面だけではなく、このような取組みを積み重ねることで、エネルギーセキュリティ(電源の多様化)や供給力確保にも貢献するものだと考えています。

所在地富山県黒部市宇奈月町
最大出力520kW
形式ダム式
河川黒部川水系黒部川
営業運転開始年月平成27年11月
事業概要