

火力発電のしくみ
火力発電は文字どおり「火の力」を使って電気を作っているんだ。まずは天然ガスや石炭を燃料にする「ボイラー」という機械で火を起こして、たくさんのお湯をわかすんだ。
やかんでお湯をわかすと、やかんの口から蒸気(じょうき)が出てくるよね?火力発電では、お湯をわかしたときに出てくる蒸気の力で、たくさんの羽がついた「タービン」という大きな機械を回しているんだ。蒸気の力で回るタービンは発電機(はつでんき)につながっていて、タービンを回して発電機を動かすことで電気が作られるんだ。
ちなみに、タービンを回すために使われた蒸気は、復水器(ふくすいき)という機械でまた水にもどるんだよ。そして、また同じように蒸気になってタービンを回すんだ。

■火力発電の「種類」と「燃料」について
火力発電にはいくつかの種類があるんだ。もちろん「火の力」を使って電気を作るというところは同じだけど、電気を作り出すためのしくみや、火を起こすための燃料がちがっていたりするんだ。
汽力(きりょく)発電
「基本的な仕組み」のところで説明したとおり、お湯をわかすと出てくる蒸気でタービンという機械を回して電気を作るのが「汽力発電」なんだ。いまのところ、この方法で電気を作っている火力発電所が多いんだ。
ガスタービン発電
ガスタービン発電は「蒸気」でタービンを回すのではなく、天然ガスや灯油などの燃料を燃やしたときに出る「燃焼(ねんしょう)ガス」でタービンを回して電気を作るんだ。小さな機械で、たくさんの電気を作ることができるというとくちょうがあるんだ。
コンバインドサイクル発電
「汽力発電」と「ガスタービン発電」を組み合わせた、新しい火力発電の方法が「コンバインドサイクル発電」なんだ。しくみは複雑(ふくざつ)になるけど、これまでの方法と同じ量の燃料で、より多くの電気を作ることができるんだ。
火力発電所では火を使うため「地球温暖化(ちきゅうおんだんか)」の原因になる二酸化炭素(にさんかたんそ)を出してしまうけど、この方法は二酸化炭素を出す量が少なく、「地球にやさしい」火力発電の方法として注目されているんだよ。
火力発電に使われる燃料には、「天然ガス」「石炭」「石油」などがあるんだ。どの燃料も日本ではなかなか手に入らないため、ほとんどを外国から輸入してしているんだよ。関西電力の火力発電所では、それぞれの燃料が持っているとくちょうを上手に組み合わせて、安定して電気を送りとどけられるように工夫しているよ。

(2020年1月時点の内容です)
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