

健康しんだんをするときや、ケガや病気をしてしまったとき、レントゲンを使って体の中がどうなっているのかを見ることがあるよね。「なぜレントゲンは体の中が見えるの?」と不思議に思ったことはないかな?レントゲンで体の中を見ることができるのは、「放射線(ほうしゃせん)」があるおかげなんだ。今回は身近なところで使われている放射線と、放射線のとくちょうなどについて勉強してみよう。

身近なところで使われている放射線
放射線は「いろいろな物を通りぬける」「いろいろな物の性質や状態を変える」といった特別な力を持っていて、みんなの身近なところで使われているんだ。まずは、放射線がどんなところで、どんなふうに使われているかを見ていこう。
・体や機械(きかい)などの検査
レントゲンは、「エックス線」という放射線が、体の中を通りぬけたときにできる「かげ」を写真などにうつし出すことで、体の中のようすを見ることができるんだ。エックス線を使った検査のひとつに、荷物をあけずに中身をチェックする手荷物検査があるよ。
そのほかにも、機械の部品などがこわれていないか?キズがついていないか?といった検査にも、放射線が使われているよ。
・病気の治療(ちりょう)や消毒
体の中にできた「がん」の部分に放射線をあてる治療があるんだ。この方法なら、病気になっていないところをキズつけることなく、「がん」だけをやっつけることができるんだ。そのほかに、病院で使われている注射器(ちゅうしゃき)などの道具の消毒に、放射線が使われることもあるんだ。
・植物などの品種改良(ひんしゅかいりょう)
植物に放射線をあてることで、病気や寒さに強いお米や果物をつくったり、花の色や形などが今までになかった、新しい植物をつくったりしているんだ。また、野菜やくだものをダメにしてしまう害虫の退治にも、放射線が役立っているよ。
・食品の保存(ほぞん)
ジャガイモは、置いておくとすぐに芽(め)が出て食べられなくなってしまうんだ。ジャガイモに放射線をあてることで、とうぶんの間は芽が出なくなるようにできるんだ。
・いろいろな製品づくり
ゴムやプラスチックに放射線をあてることで、熱や水、衝撃(しょうげき)などに強いゴムやプラスチックを作ることができるんだ。たとえば、放射線をあてて長持ちするようになったゴムは、自動車のタイヤに使われたりしているよ。

もともと、放射線は宇宙(うちゅう)から地球にふってきたり、地球上にある岩などから出ていたり、空気や食べ物にも放射性物質がふくまれていたりもするよ。
つまり、人間はいつも弱い放射線にかこまれて生きているということだから、少しの量の放射線なら、人間の体に問題が起こる心配はないとされているんだよ。

(2016年9月時点の内容です)