現場取材|国際事業で競争力強化に挑む
かんでん Update
2024.4.30

現場取材|国際事業で競争力強化に挑む

日系企業の海外事業活動をサポート

ソリューション本部 営業部門(法人) 海外営業グループ部長 福澤義隆

ソリューション本部 営業部門(法人)
海外営業グループ部長 福澤義隆

関西電力が国内の法人営業で培ったソリューションサービスを国際展開する海外ソリューション事業。その1つが海外にある日系企業の工場においてエネルギーを供給するオンサイトサービスだ。関西電力がお客さまの工場内にコジェネレーションシステムや冷水チラー・ボイラ、太陽光発電設備などを設置したうえで電気・熱などを供給し、省エネ・省コスト・省CO2を実現する。

東南アジア諸国では、まだまだ停電や電圧低下による生産ラインへの影響に悩まされることが多い。
製品品質を担保するには、安定したエネルギー供給が不可欠だ。
「お客さまの課題を解決する設備の選定、設置から運用、メンテナンスまで当社がワンストップで行う。設置・メンテナンス費用は月々のサービス料金としてお支払いいただくので、お客さまは膨大な初期投資を気にせず高品質なエネルギーを使うことができる」と話すのは、海外営業グループ部長の福澤義隆だ。

関西電力の海外ソリューション事業は2015年タイでの調査プロジェクトから始まった。工業団地内の日本企業を1軒1軒訪問しエネルギーの課題をヒアリング、提案を繰り返す。1つの受注をきっかけに一気に評判が広がり、サービス普及につながった。18年バンコクに、21年ベトナム・ホーチミンに現地法人を設立。世界的な脱炭素化の流れもあり、省エネやゼロカーボン化への要望が増えていることから、タイやベトナムにある日系企業の工場等に、省エネ・省コスト・省CO2のソリューションやコンサルティングサービスを提供している。

オンサイトサービス

逃げずに寄り添いお客さまの信頼獲得

長年法人営業に携わってきたが、「海外営業は寝耳に水」と笑う福澤が海外営業の担当になったのは21年夏。ちょうど新型コロナウィルスの世界的な流行と重なり、オンラインで商談をする日々が続いた。海外から輸送する設備の資機材の搬入が遅れ、工期が予定どおり進まないもどかしさもあった。コジェネレーションシステムが何度も停止し、原因を調べると制御盤内に無数の蟻が発生し漏電していた、という現地ならではのトラブルにも見舞われた。

「毎日のようにトラブルが起こる。それでも“逃げずにお客さまに寄り添う”をモットーに、知恵を絞ればなんとかなると考えて営業活動を行っている。そうした姿勢をお客さまにご評価いただき、国内での関係深化にもつながっている」。海外での評価をきっかけに国内での取引が始まったケースもあり、さまざまな波及効果が得られるのも海外営業の醍醐味だ。

今後はアジアの他の国々に対象を広げ、提供するサービスメニューも増やし、事業拡大を図っていく。エネルギーのプロとして、お客さまの課題に1つ1つ真摯に向き合い解決する、この姿勢を忘れず、国内に限らず海外でもお客さまや社会に新たな価値を提供していく。

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