プレスリリース

2015年11月11日
関西電力株式会社

「原子力発電の安全性向上に向けた自主的かつ継続的な取組みのさらなる充実」に関する進捗状況について(平成27年度上期)

 当社は、美浜発電所3号機事故※1の反省を踏まえながら、安全最優先の事業運営を行ってきましたが、その中で、東京電力福島第一原子力発電所事故(以下、福島第一原子力事故)から、原子力発電固有のリスクに対する認識や向き合う姿勢が十分ではなかったのではないかということを教訓として学びました。このことを踏まえ、「原子力発電の安全性向上に向けた自主的かつ継続的な取組みのさらなる充実」(以下、ロードマップ)を策定し、これに沿った取組みを進めていくこととしました。

平成26年6月20日 お知らせ済み]

 当社は、ロードマップにおける取組みを全社一体となって確実に実施していくとともに、その進捗状況について定期的に公表することとしており、今回、平成27年度上期(4月から9月実施分)の進捗状況を取りまとめました。この機会に、ロードマップに沿って取り組んできた結果を踏まえ、安全性向上の取組みをより分かりやすくお伝えするため、ロードマップの体系を再整理し、記載内容を充実しました。
 主な内容は、以下のとおりです。

(1)原子力安全の浸透および定着
  • ・美浜発電所3号機事故を契機として、原子力部門の安全文化の状況を評価する仕組みを構築し、毎年、評価を行っています。平成26年度の評価で抽出した課題に対する重点施策として、「協力会社とのコミュニケーションの充実」などに取り組んでおり、具体的には、協力会社の方々に対し、当社原子力発電所の審査状況や工事内容の変更理由について、より丁寧な説明を行うなどの充実を図っています。
(2)リスクマネジメントの充実
  • ・国内外知見の充実を図るため、フランス電力株式会社(以下、EDF)との情報交換協定に基づき、当社で唯一、姉妹発電所交流協定を結んでいる大飯発電所とEDFゴルフェッシュ発電所との交流を、福島第一原子力事故の影響により中断していましたが、平成27年4月、東日本大震災以降初めて、約4年半ぶりに再開しました。姉妹発電所交流では、緊急時対応の訓練内容や火災防護を中心に情報交換を行うなど、積極的に情報を収集、活用し、美浜、高浜発電所にも展開しています。なお、昭和54年3月にEDFとの情報交換協定を締結し、数年ごとに更新している協定について、今月中に更新する予定です。
  • ・リスクコミュニケーションについて、ステークホルダーのご意見を、これまで以上にリスクマネジメントに反映し、原子力発電の安全性向上につなげるため、平成27年2月の開始当初は立地地域の行政の方を中心とした約10人を対象にしていましたが、約半年間の活動結果を踏まえ、平成27年7月から、立地地域を中心とした行政、各議会、地元区長、地域団体等のオピニオンの方など約250人に拡大し、その活動の中でいただいた約190件のご意見を、部門内の横断的なワーキンググループにてリスクマネジメントに反映すべきリスク情報がないか検討するとともに、原子力事業本部長をトップとする会議などに報告し、経営層と情報を共有しました。
(3)原子力事業本部における安全性向上に向けた基盤整備
  • ・津波対策、地震対策、火災防護対策などハード対策を着実に進めるとともに、ハード対策の実効性を確実にするため、給水訓練や、電源供給訓練などのソフト対策を実施し、事故時対応能力の向上に取り組んでおり、高浜発電所3,4号機の再稼動に向けて、技術・人材の面で万全を期すために、原子力事業本部や美浜、大飯発電所などから約60人の技術者を駐在させるなど、高浜発電所の体制強化を8月から順次実施しています。

 なお、次回は、平成27年度下期の進捗状況を取りまとめ、来年春頃にお知らせする予定です。

 当社は今後も引き続き、「ロードマップ」における取組みを含め、規制の枠組みにとどまることなく、原子力発電の安全性向上に向けて、自主的・継続的に安全性の向上に取り組んでまいります。

  • ※1 平成16年8月9日、美浜発電所3号機のタービン建屋において、二次系配管が破損し、配管から熱水と蒸気が噴出した事故。事故当時、定期検査の準備作業をしていた協力会社の方が被災し、5名の方がお亡くなりになり、6名の方が重傷を負われた。

以 上

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