プレスリリース

2011年9月13日
公立大学法人大阪府立大学
株式会社森生テクノ
関西電力株式会社

工場屋根への保水性パネル敷設による遮熱効果の実証試験結果について

 公立大学法人大阪府立大学(生命環境科学研究科 山田 宏之教授)、株式会社 森生テクノ、関西電力株式会社の3者は、火力発電所の配管保温材を再利用した保水性パネルの開発を行い、これまで、プールサイドでの屋外冷房や校舎屋上直下教室の温熱環境改善の効果検証などを行ってきました。

  • ※ 火力発電所で使用する配管保温材を再生利用し、セメントと混ぜ合わせたもの。水分を含ませることにより、その水分が蒸発する際の気化熱でパネル表面を低温に保つ。
    表面温度低減効果は、夏場の屋外でのコンクリート板との温度差が27℃であり、水分を一度与えると5日以上持続する。

平成20年8月11日および平成22年8月26日 お知らせ済み]

 この度、実証試験結果に興味を持たれたイオインダストリー株式会社(自動車製品製造、静岡県湖西市)にご協力いただき、事業化への最終段階として、実際に使用されている建物の室内温熱環境の改善効果を測定する試験を平成23年7月1日から実施しています。試験内容は、建物の折板屋根上に保水性パネルを約1,500枚(約130m2)敷設し、パネルを敷設した部屋と敷設していない部屋の室内温熱環境を比較するものです。

  • ※ 折板は屋根工法の一つで、主に工場・カーポート・車庫などの鉄骨の建物に多く使われている。金属屋根の代表的な屋根工法である。

 今回の試験を通じて、パネルを敷設した部屋が敷設していない部屋の室温より平均で約6℃、最大で約8℃低いという結果が得られ、40℃を超えていた最高室温が32.5℃程度まで下がることを確認しました。

 これまでの実証試験を通じて、パネルに含ませた水が自然に蒸発することで室内温度の低減につながることを確認しました。本技術は、省エネに大きく貢献するものであり、今年度中にパネルを用いた建物屋根材などをゼネコンやメーカーから商品として販売する予定です。なお、国内数社から既に商品化のお申し出をいただいております。

以 上

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