プレスリリース

2011年7月20日
関西電力株式会社

高浜発電所4号機の定期検査開始について

高浜発電所4号機 第20回定期検査の概要

1.主要な工事等
(1)原子炉冷却系統設備小口径配管他取替工事 図−1参照

 国外PWRプラントにおける応力腐食割れ事象を踏まえ、1次冷却材の流れがない配管(高温環境で溶存酸素濃度が高い)の溶接部について、計画的に対策工事を実施しており、耐食性に優れた材料に取り替えます。
 また、取替え時の作業性を考慮し、対象箇所周辺の弁や配管の一部を取り替えます。

  • * 応力集中が小さい溶接形状への変更と耐食性に優れた材料への変更
(2)1次系強加工曲げ配管取替工事 図−2参照

 国外BWRプラントにおいて、芯金を使用して曲げ加工した配管の内面で応力腐食割れが発生した事象を踏まえ、予防保全として、1次冷却材系統につながる曲げ配管のうち、芯金を使用して曲げ加工したものを、芯金を使用せずに曲げ加工した配管に取り替えます。
 また、取替え時の作業性を考慮し、対象箇所周辺の弁や配管の一部を取り替えます。

(3)1次冷却材ポンプ電源監視回路改造工事 図−3参照

 1次冷却材ポンプ駆動用電源の電圧および周波数の低下を監視する装置の電源が喪失した状態で運転することを防止するため、監視装置の電源が喪失した場合には中央制御室に警報を発報するとともに、「電源電圧低」および「電源周波数低」の信号を発信する回路構成に変更します。

  • * 国内PWRで、1次冷却材ポンプ駆動用電源の監視装置の電源が喪失した状態で運転した事象を踏まえ、平成22年5月、原子力安全・保安院は、事業者に対し監視装置の電源が喪失した場合に中央制御室に警報を発報する等の設備改善を行うよう指示した。
(4)600系ニッケル基合金溶接部の応力腐食割れに係る予防保全工事
図−4参照

 国内外PWRプラントにおける応力腐食割れ事象を踏まえ、予防保全対策として600系ニッケル基合金が使用されている原子炉容器出入口管台溶接部について、溶接部内面全周を研削した後、耐食性に優れた690系ニッケル基合金で溶接を行います。

(5)原子炉容器供用期間中検査 図−5参照

 原子炉容器の供用期間中検査として、原子炉容器溶接部等の超音波探傷検査を行い、健全性を確認します。

2.設備の保全対策
(1)2次系配管の点検等 図−6参照

 当社の定めた「2次系配管肉厚の管理指針」に基づき、2次系配管682箇所について超音波検査(肉厚測定)を実施します。
 また、過去の点検で減肉が確認された部位1箇所、今後の保守作業を考慮した部位19箇所、合計20箇所を耐食性に優れたステンレス鋼もしくは低合金鋼の配管に取り替えます。

3.燃料集合体の取り替え 

 燃料集合体全数157体のうち、97体について取り替える予定です。97体のうち56体は新燃料です。

4.福島第一原子力発電所事故を踏まえた特別点検等 図−7参照

 非常用炉心冷却系統や格納容器スプレイリングの健全性確認、使用済燃料ピット冷却系統ポンプの分解点検および使用済燃料ピット水位監視カメラの設置を行います。また、使用済燃料ピットの水位計と温度計の電源を非常用電源に変更します。

5.その他

 原子炉起動については、福島第一原子力発電所事故に対する安全対策の実施状況を踏まえ、地元のご理解を得ながら計画します。

以 上

本文へ戻る

プレスリリース