プレスリリース

2011年4月7日
関西電力株式会社

原子力発電所の運営状況について

 当社の原子力発電所における運営状況について、以下のとおりお知らせします。

1.運転状況について(平成23年4月6日現在)
発電所 電気
出力
(kW)
運転状況 備  考
美 浜
発電所
1号機 34.0万 第25回 定期検査中
H22年11月24日〜未定
 
2号機 50.0万 運転中  
3号機 82.6万 運転中  
高 浜
発電所
1号機 82.6万 第27回 定期検査中
H23年1月10日〜未定
  • ○高浜発電所1号機の定期検査状況について(非常用ディーゼル発電機からの潤滑油漏えいに係る原因と対策について)
     詳細は2(2)のとおり
    【発生については、3月9日にお知らせ済み】
2号機 82.6万 運転中  
3号機 87.0万 運転中
  • ○補助建屋内での協力会社社員の負傷について
     詳細は2(2)のとおり
    【新規お知らせ】
4号機 87.0万 運転中  
大 飯
発電所
1号機 117.5万 第24回 定期検査中
H22年12月10日〜未定
(調整運転中)
 
2号機 117.5万 運転中  
3号機 118.0万 第15回 定期検査中
H23年3月18日〜H23年7月中旬予定
 
4号機 118.0万 運転中
  • ○B−アニュラス空気浄化ファン入口ダンパ用電磁弁の予防保全取替作業に伴う待機除外について
     詳細は2(3)のとおり
    【新規お知らせ】
  • ○定期検査中のプラントについては、定期検査開始〜本格運転再開予定時期を記載。

2.トラブル等情報について

(1)法令に基づき国に報告する事象(安全協定の異常時報告事象にも該当する事象)

なし

(2)安全協定の異常時報告事象

発電所名  高浜発電所3号機 発 生 日  平成23年3月8日
件  名 補助建屋内での協力会社社員の負傷について     (添付図1)

(概要)
 運転中の高浜3号機において、3月8日、補助建屋の資材搬入エリアで、パンチングメタル(多孔板)を搬入する作業を行っていた作業員が被災しました。
 原因は、パンチングメタルをクレーン付きトラックから運搬用台車に降ろし立掛けた後、台車とパンチングメタルに挟まっていたナイロンスリング(ナイロン製の吊り具)を取り外していた際、転倒防止措置を行っていなかったため、パンチングメタルのバランスが崩れて倒れ、被災者の右足にあたり負傷したものと推定されました。
 対策として、クレーン等の揚重設備による荷降ろし後、吊り具を取り外す前に吊り具の挟まりがないことを確認するとともに固縛等の転倒防止措置を行うことを社内規定に明記することとし、協力会社に周知徹底しました。

事 象
および
対策等
1.発生状況

  高浜発電所3号機は定格熱出力一定運転中の3月8日11時15分頃、補助建屋(管理区域)の資材搬入エリアにおいて、点検通路にパイプ手摺と異物落下防止用のパンチングメタルを取り付ける工事を実施するために、パンチングメタルを搬入する作業を行なっていた作業員が被災しました。
 被災時の状況は、パンチングメタル59枚(総重量約720kg)をクレーン付きトラックから運搬用台車に降ろして台車の手摺に立掛けた後、吊り上げ用に使用していたナイロンスリングを取り外すため、別の作業員がナイロンスリングを引き抜いていたところ、パンチングメタルが被災者の方向へ倒れ、被災者の右足にあたり負傷しました。
 病院に搬送し、診察を受けた結果、約3ヶ月の加療を要すると診断されました。

2.調査結果

  作業状況を調査した結果、被災者を含む作業員計5人は、パンチングメタル59枚(総重量約720kg)をクレーン付きトラックから運搬用台車に降ろして台車の手摺に立掛けた後、吊り上げに使用していたナイロンスリング2本を取り外す作業を行なっていました。
 パンチングメタルは運搬用台車の手摺りに立掛けられていたことからパンチングメタルが倒れてくるとは思わず、固縛などの転倒防止措置を行わないままナイロンスリングを取り外していました。2本の吊り具の内、被災者側の吊り具は特に問題なく被災者が取り外し、別の作業員が外そうとしたもう片方の吊り具については、パンチングメタルと台車との間に挟まっていましたが、無理な力をかけることなく引き抜くことができたため、そのまま取り外していました。

3.原因

  原因は、パンチングメタルを運搬用台車に乗せた後、挟まっていた吊り具を取り外す作業を行っていた際、転倒防止のための固縛等の処置を行っていなかったため、パンチングメタルのバランスが崩れて倒れ、被災者の右足にあたり負傷したものと推定されました。

4.対策

  対策として、クレーン等の揚重設備による荷降ろし後、吊り具を取り外す前に吊り具が挟まっていないことを確認するとともに、固縛等の転倒防止措置を行うことを請負工事の注意事項を定めた社内規定に明記することとし、協力会社に周知徹底しました。

発電所名  高浜発電所1号機 発 生 日  平成23年3月9日
件  名 高浜発電所1号機の定期検査状況について(非常用ディーゼル発電機からの潤滑油漏えいに係る原因と対策について)
事象概要
および
対 策 等

 高浜発電所1号機(加圧水型軽水炉 定格電気出力82万6千キロワット、定格熱出力244万キロワット)は、第27回定期検査中(1月10日開始)のところ、本日12時19分に、B−非常用ディーゼル発電機のディーゼル機関を起動し、分解点検後の試運転を実施したところ、4台あるクランク室安全弁の1つから潤滑油が噴き出したため、12時21分に当該ディーゼル機関を停止しました。これに伴い、潤滑油の漏えいも停止しました。
 今後、当該ディーゼル機関の点検を行い、潤滑油が漏れた原因について調査を行ってまいります。
 本事象において、環境への影響はありません。
 なお、今回の事象に伴い、12時22分にB−ディーゼル発電機室地下1階の火災報知器が発報しましたが、漏れた潤滑油が霧状となって拡散したことにより発報したものと推定されます。
 今回の事象については、消防署員による現場確認の結果、火災でないと判断されました。

[平成23年3月9日お知らせ済み]

 原因と対策については、本日発表の『高浜発電所1号機の定期検査状況について(非常用ディーゼル発電機からの潤滑油漏えいに係る原因と対策について)』を参照ください。

(3)保全品質情報等

<工学的安全施設※1の予防保全作業>

  工学的安全施設を、保安規定に基づく予防保全を目的とした点検・保修作業※2のために、一時的に待機除外※3とした場合は、工学的安全施設の予防保全作業としてお知らせする事象。

  • ※1:工学的安全施設
  • 原子炉施設の破損、故障等に起因して原子炉内の燃料の破損等による多量の放射性物質の放散の可能性がある場合に、これらを抑制又は防止するための機能を備えている施設で、非常用炉心冷却設備などがある。
  • ※2:保安規定に基づく予防保全を目的とした点検・保修作業
  • 故障、損傷等のない設備の機能確認試験や消耗品の交換、清掃、手入れ等の点検・保修作業。
  • ※3:待機除外
  • 通常、いつでも起動できる状態(待機状態)にある機器を、点検・保修のために隔離し、起動できない状態とすること。
発電所名  大飯発電所4号機 発 生 日  平成23年3月9日
件  名 B−アニュラス空気浄化ファン入口ダンパ用電磁弁の予防保全取替作業に伴う待機除外について     (添付図2)
事象概要
および
対 策 等

 定格熱出力一定運転中の3月1日、定期的に実施しているB−アニュラス空気浄化ファン※1起動試験時において、当該ファン停止後、入口ダンパ※2の閉止に時間を要していることを確認しました。
 現地確認を行ったところ、入口ダンパの駆動用空気を調整(供給・排気)している電磁弁の排気口から、排気が続いていることを確認したため、当該電磁弁をタッピング※3した結果、電磁弁からの排気が止まり入口ダンパは閉止しました。

 このことから、入口ダンパ電磁弁の動作不良が考えられたため、3月9日、当該ファンを予防保全の観点から計画的に待機除外とし、入口ダンパ用電磁弁を新品に取替え動作に問題ないことを確認し復旧しました。
 取替えた電磁弁を分解点検した結果、特に異常は認められませんでした。このことから、今回の事象は、電磁弁に一時的な動作不良が発生したため、入口ダンパの動作に時間を要したものと推定しました。

(ダンパの機能)
 当該ダンパは、アニュラス空気浄化系運転のために開くことが求められるが、ダンパの開動作に問題はなかったことから、安全機能上の問題はない。
  • ※1:アニュラス空気浄化ファン
  •  1次冷却材喪失事故時等に格納容器内に浮遊する核分裂生成物が格納容器の配管貫通部等から直接大気に漏出することを防止するため、アニュラス内を負圧に保つとともに、フィルタを通し空気を浄化するためのファン。
  • ※2:ダンパ
  •  ダクト(通風管)内の気体の流れをしゃ断・調整するための装置(仕切り)
  • ※3:タッピング
  •  部品等の動きを確認するために軽くたたく点検行為

以 上

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