プレスリリース

2010年4月30日
関西電力株式会社
環境総合テクノス株式会社
株式会社松本微生物研究所

菌根菌を活用した新技術の開発について

 当社はこの度、環境総合テクノス株式会社(以下、環境総合テクノス)、株式会社松本微生物研究所(以下、松本微生物研究所)と共同で、菌根菌を用いた「樹勢回復技術」と、菌根菌をはじめとした土壌微生物を用いた「病害抑制技術」を新たに開発しました。

※菌根菌: 菌根(土壌中の糸状菌が、植物の根の表面または内部に着生したもの)を作って植物と共生する菌類。土壌中に張り巡らせた菌糸から、養分・水分を吸収して宿主植物に供給し、病害虫に対して宿主植物が本来持つ抵抗力を増大させる。代わりにエネルギー源として宿主植物が光合成により生産した炭素化合物を得ることで、菌自身が成長する。

 当社と環境総合テクノスは、地球温暖化防止など環境問題への先進的な取組みとして、平成4年から菌根菌を用いて、熱帯雨林や砂漠等の過酷な状況下における植林技術の研究を実施し、平成15年からは、その技術を活かしてオーストラリアで土壌塩類化が進む地方において植林を行っています。[平成14年10月18日お知らせ済]

 今回、松本微生物研究所を加えた3社で、菌根菌の特徴を活かして、樹勢の衰えが著しいサクラやマツが90%以上枯れずに健全に育つことができる「樹勢回復技術」を開発しました。また、主な根の病気である白紋羽(しろもんぱ)病にかかりやすいリンゴに対して菌根菌をはじめとした土壌微生物を使って病原菌の侵入を防ぐ土壌作りを行うことで80%以上防ぐことができる「病害抑制技術」を開発しました。

 3社は今後、「樹勢回復技術」については、種類の異なる樹木に対して効果を確認し、また「病害抑制技術」については、より大規模な実証試験で効果を確認するとともにリンゴと同様、白紋羽病の被害が報告されているモモ、ブドウ、ウメだけでなく、白紋羽病以外の被害が報告されている植物に対しても効果を確認する予定です。将来的には、これらの技術を国内外の森林に活用し、COの削減を図っていきたいと考えています。

 当社は引き続き、今回の研究で得られた知見を活かしながら、関西電力グループを挙げて低炭素社会の実現に向け貢献してまいります。

以 上

<添付資料>

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