プレスリリース

2002年10月18日

オーストラリアにおける土壌塩類化を防止する環境植林事業の開始について



 当社と株式会社関西総合環境センター(KANSO)は、オーストラリア南西部パース近郊において、地元農場経営者が農業振興のため設立した会社「オイルマリーカンパニー」と、電力会社で初めて、土壌塩類化を防止する環境植林事業を開始することで合意し、10月15日、基本契約を締結いたしました。

 オーストラリアでは、土壌塩類化が進み、農作物が育たないといった被害が広がっています。土壌塩類化による被害は、オーストラリアの農地の約5%にあたる250万haに及んでいます。主な原因は、森林を伐採することによって生じた塩分を含んだ地下水位の上昇と言われています。

 そこで、当社とKANSOは、これまで国内外で研究してきた菌根菌や炭を利用した植物の成長を促進する植林技術を活用し、CO吸収源を拡大し、かつ土壌塩類化を防止する環境植林事業に取り組んでいくこととしました。この植林事業は、当社とKANSOの植林技術に着目した「オイルマリーカンパニー」からの要請で開始することとしたものです。なお、地元の生態系に配慮し、在来種であり、病害虫や干ばつに強いマリーユーカリを植林します。

<オーストラリアにおける土壌塩類化を防止する環境植林事業概要>
実施場所 オーストラリア南西部パース近郊
植林規模
1000haの農地に在来種マリーユーカリを250万本植林
             [100m間隔で10m幅のベルト状]
期  間 平成15年6月~(20年間)
CO2吸収 86万t-CO2(20年間)

 今後、当社およびKANSOは、このプロジェクトを通じて得られた経験を活かし、オーストラリアでの植林規模の拡大や、同様に土壌塩類化が進んでいる中国や中央アジア諸国などの乾燥地域で植林事業を検討していきます。CO削減と土壌塩類化防止を同時に達成するとともに、京都メカニズムに適用できるビジネスにもつなげていきたいと考えています。 

※土壌塩類化: 地下水位が上昇し、その際土壌中の塩類が溶解しながら地表あるいは地表近くに析出すること。地表の植物や生物に被害を及ぼす。

以 上

 

<参考資料>


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