プレスリリース

2010年3月23日
関西電力株式会社

大飯発電所1号機の燃料集合体漏えいに係る調査状況について

 大飯発電所1号機(加圧水型軽水炉 定格電気出力117万5千キロワット、定格熱出力342万3千キロワット)は、定格熱出力一定運転中の2月1日、1次冷却材中のよう素(I−131)濃度および希ガス濃度(Xe−133)が、前回(1月29日)の測定値を上回ることが確認されたため、燃料集合体から漏えい※1が発生した疑いがあると判断し、1次系冷却材中の放射濃度の測定頻度を上げて監視を強化しました。
 1次系冷却材中のよう素濃度は、保安規定で定めている運転上の制限値(63,000 Bq/cm3)に比べて十分低いものの、漏えい燃料の特定調査をするため、2月5日に出力降下を開始し、翌6日1時に発電を停止した後、同日1時47分に原子炉を停止しました。
 なお、この事象による環境への放射能の影響はありません。

  • ※1 燃料ペレットを収納している燃料被覆管から漏えいがあると、燃料被覆管内のよう素や希ガスが1次冷却材中に放出される。このため、1次冷却材中のよう素や希ガス濃度の変化から、漏えいの有無を判断している。

平成22年2月1日5日お知らせ済み]

 原子炉停止後、原子炉容器の上部ふたを開放し、原子炉に装荷されている燃料集合体(193体)を使用済燃料ピットに取り出す作業を行い、漏えい燃料特定のため、取り出した燃料集合体全数についてシッピング検査を3月18日から実施中です。
 23日14時現在、全数(193体)のうち154体まで検査を終えた段階で、2体の燃料集合体に漏えいを確認しました。引き続き、残りの燃料集合体のシッピング検査※2を行う予定です。
 漏えいを確認した2体については、今後、外観検査を行った後、超音波※3およびファイバースコープにより漏えい燃料棒の調査を行います。

  • ※2 燃料集合体から漏れ出てくる核分裂生成物(Xe-133、I-131等)の量を確認し、漏えい燃料集合体かどうか判断する。
  • ※3 漏えい燃料棒の内部に水が存在すると、燃料被覆管を伝播する超音波が減衰することから、これを検出することで、漏えい燃料棒を特定する。

以 上

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