プレスリリース

2009年12月18日
関西電力株式会社

大飯発電所2号機の燃料集合体漏えいに係る調査状況(続報)について

 大飯発電所2号機(加圧水型軽水炉 定格電気出力117万5千キロワット、定格熱出力342万3千キロワット)は、定格熱出力一定運転中の8月31日、1次冷却材中のよう素(I−131)濃度と希ガス※1濃度が前回の測定値を上回ったため、燃料集合体に漏えい※2が発生した疑いがあるものと判断し、1次冷却材中の放射能濃度の測定頻度を上げて監視強化し、運転を継続していました。10月6日頃から希ガス濃度が上昇傾向にあったことから、漏えい燃料の特定調査を実施するため、10月21日に原子炉を停止しました。
 その後、1次冷却材中の放射能を低減させた後、原子炉容器上部ふたを取り外し、12月4日から燃料集合体を取り出す作業を行い、7日から漏えい燃料を特定するため、シッピング検査※3を実施しました。
 8日時点で、原子炉に装荷されていた燃料集合体のうち、2体に漏えいの疑いがあることを確認しました。

  • ※1 ウランの核分裂反応で生成するキセノン等のガス。
  • ※2 燃料ペレットを収納している燃料被覆管から漏えいがあると、燃料被覆管内のよう素や希ガスが1次冷却材中に放出される。このため、1次冷却材中のよう素や希ガス濃度の変化から、漏えいの疑いの有無を判断している。
  • ※3 燃料集合体から漏れ出てくる気体および液体に含まれる核分裂生成物(キセノン-133、よう素-131等)の量を確認し、漏えい燃料集合体かどうか判断する検査。

平成21年9月1日10月19日21日12月7日8日お知らせ済み]

1.燃料集合体漏えい調査の結果
  • ・燃料集合体全数のシッピング検査の結果、上記2体以外に漏えいは確認されませんでした。
  • ・漏えいが確認された燃料集合体2体について、水中カメラによる外観目視検査を実施したところ、異常は認められませんでした。
  • ・漏えい燃料棒を特定するため超音波による調査※4を実施した結果、燃料集合体1体(KCHC81)で漏えい燃料棒3本が確認され、別の燃料集合体1体(KCHC88)では漏えい燃料棒1本が確認されました。
  • ・これらの燃料棒4本について、ファイバースコープを用いて詳細に目視点検を実施したところ、集合体(KCHC81)の3本については、燃料棒を保持している第9支持格子※5(最下段)の内部で、燃料棒を支持している支持板またはばね板との間に隙間があることが認められました。また、そのうちの1本については、第1支持格子の下で二次的な水素化※6によるものと思われる燃料棒被覆管の膨らみが認められました。なお、もう一方の燃料集合体(KCHC88)の1本については、明らかな隙間等は認められませんでした。
  • ・漏えいが確認された燃料集合体2体は、いずれも同一メーカで、同一時期に製造された燃料でした。
 引き続きこれまでの調査結果の分析や、他の燃料との比較を行い、漏えいが発生した原因の調査と対策の検討を行います。
  • ※4 漏えいが発生した燃料棒の内部には水の浸入が予想され、超音波が燃料棒内を伝播する際の減衰を検出することで、燃料棒内部の水の有無を判断し、漏えい燃料棒を特定する。
  • ※5 燃料棒を保持するための部品であり、支持格子内は燃料棒1本ごとに燃料棒を保持するための支持板とばね板で構成される。
  • ※6 何らかの原因により燃料に一次破損が生じると、1次冷却水が燃料棒内に浸入して水素が発生する。水素が被覆管に吸収されることで膨らみが発生する。
2.原子炉格納容器内の空気再循環冷却ユニット点検と補修について

 運転中の本年6月下旬、原子炉格納容器内のサンプ(水溜め)に溜まった水を移送する際に行う分析で、格納容器内にある各機器を冷却するための機器冷却水※1に含まれるクロム酸が検出されました。このため、この冷却水が供給されている機器のうち、運転中に停止可能な機器について順次隔離したところ、C−下部コンパートメントの空気再循環冷却ユニット※2(以下「冷却ユニット」という)を隔離した結果、漏れは停止しました。また、隔離後の現場点検で、当該ユニット下部やその下の床面などに濡れ跡を確認しました。
 本事象による環境への放射能の影響はなく、冷却ユニットを1台停止しても、他の3台で格納容器内の温度管理は可能であることから、運転には支障はありません。

 今停止期間中にあわせて当該冷却ユニットを点検したところ、冷却水が流れる伝熱管1本の入口部近くに貫通孔(長さ:約2.5mm、幅:約0.4mm)が認められ、管内部では折れ曲がった金属の線状異物(長さ:約130mm、直径:約3.2mm)が入口部で引っかかっており、管内面にこすれ跡も確認しました。この異物を分析した結果、仮設足場等で使用している鋼線の切れ端であることがわかりました。
 以上のことから、冷却ユニットを開放点検した際、何らかの原因で鋼線の切れ端が冷却ユニット内に混入し、当該伝熱管の入口部に引っかかり、管内面をこすり続けたため、貫通孔が生じたものと推定しました。

 対策として、当該冷却ユニットの伝熱管(銅材)の貫通孔をろう付け溶接で補修し、漏えい試験により漏れがないことを確認します。

 また、機器内から異物が発見されたことの調査では、前回の定期検査で、当該冷却ユニットの入口配管フランジ部のパッキン取替えのため、機器を開放していた際、その近くで足場解体作業が行われており、機器点検のエリアと通路との区画管理が徹底されていなかったことが原因と推定されることから、今後は、機器の開放作業時においては、区画管理・異物管理の徹底を再周知します。
 さらに、機器冷却水が供給されている格納容器内の機器について、内部の目視点検を行い、異物が混入していないことを確認します。

  • ※1 1次系のポンプモータや空調器等の冷却水として使用される水で放射能は含まれていない。この水には腐食防止用のクロム酸が添加されている。
  • ※2 下部コンパートメント空気再循環冷却ユニットは、通常運転時に原子炉格納容器下部の空気の冷却を行う機器である。冷却ユニットは4台(A〜D号機)設置されているが、気温が上昇する夏季においても3台運転により格納容器内の温度を管理できる能力を有している。夏季以外においては2台で冷却を行っている。

以 上