プレスリリース

2009年11月13日
関西電力株式会社

高浜発電所1号機の原子炉起動および調整運転の開始について

高浜発電所1号機 第26回定期検査の概要

1.主要工事等
(1)耐震裕度向上工事 図−1参照

 既設設備の耐震性を一層向上させるため、原子炉冷却系統や安全注入系統などの配管、制御建屋空調系統のダクト、蓄電池や復水タンクなどの機器、伝送器の支持構造物を強化しました。

(2)原子炉冷却系統設備小口径配管他取替工事 図−2参照

 国外PWRプラントにおける応力腐食割れ事象を踏まえ、1次冷却材の流れがない配管(高温環境で溶存酸素濃度が高い配管)の溶接部について、計画的に対策工事※1を実施しており、今定期検査では、安全注入系統の配管溶接部16箇所について、溶接形状と材料を変更しました。また、取替作業時の作業性を考慮し、対象となる溶接部周辺の弁および配管の一部についても取り替えました。

  • ※1:応力集中が小さい溶接形状への変更と耐食性に優れた材料への変更
(3)原子炉照射試験片取出工事  

 中性子照射による原子炉容器の材料特性変化を定期的に把握するため、原子炉容器内部に設置している照射試験片を取り出しました。

(4)1次冷却材ポンプ軸シール部改造工事 図−3参照

 設備の信頼性を一層向上させる観点から、シールの摺動面で発生した摩耗粉がシールの動きを阻害することを防止するため、1次冷却材ポンプ3台のNo.3シール部に1次系純水を供給して摩耗粉を排出する系統を新たに設置しました。

(5)亜鉛注入装置設置工事  図−4参照

 作業員の被ばく低減の観点から、コバルト−60等の放射性物質が1次冷却材系統などの機器や配管内表面へ付着することを抑制するため、亜鉛を1次冷却材中に注入する装置※2を化学体積制御系統に設置しました。

  • ※2:1次冷却材中に放射化しにくい亜鉛を注入して、機器や配管内表面に皮膜を形成させることにより、コバルト−60等の放射性物質が機器・配管内表面へ付着することを抑制し、1次冷却材系配管等の線量を低減する。亜鉛注入は、国内プラントでの実績がある。
2.設備の保全対策
(1)2次系配管の点検等 図−5参照

 当社の定めた「2次系配管肉厚の管理指針」に基づき、2次系配管384箇所について超音波検査(肉厚測定)等を行った結果、必要最小厚さを下回る箇所、および次回定期検査までに必要最小厚さを下回る可能性があると評価された箇所はありませんでした。
 また、過去の点検で減肉が確認された部位12箇所を耐食性に優れたステンレス鋼の配管に取り替えました。

3.燃料集合体の取替え

 燃料集合体全数157体のうち、61体(うち56体は新燃料集合体)を取り替えました。
 燃料集合体の外観検査(8体)を実施した結果、異常は認められませんでした。

4.次回定期検査の予定

 平成23年 冬頃 

以 上

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