プレスリリース

2009年2月4日
関西電力株式会社

大飯発電所2号機の定期検査開始について

大飯発電所2号機 第22回定期検査の概要

1.主要な工事等について
(1)耐震裕度向上工事  図−1参照

 既設設備の耐震性を一層向上させるため、安全注入系統や余熱除去系統などの配管、アニュラス浄化系統や補助建屋よう素除去排気系統などのダクト、空気再循環ファン、動力変圧器、伝送器の支持構造物を強化します。

(2)原子炉冷却系統設備小口径配管他取替工事 図−2参照

 国外PWRプラントにおける応力腐食割れ事象を踏まえ、高温環境で溶存酸素濃度が高い可能性のある1次冷却材の流れがない配管の溶接部を、計画的に応力集中が小さい形状に変更しており、今定期検査では化学体積制御系統の配管1箇所について溶接形状を変更します。

(3)蒸気発生器保温材取替工事 図−3参照

 1次冷却材喪失事故時の格納容器再循環サンプスクリーンの異物による機能低下を防止する観点から、蒸気発生器4台のうち2台の保温材について、セラミックファイバー製からロックウール製に取り替えます。また、残り2台の保温材については、次回定期検査で取り替える予定です。
 保温材取替工事は、次回定期検査で取り替える表面積が大きいスクリーンを使った事前の試験において、セラミックファイバー製保温材が詰まる可能性が確認されたため実施することとしました。

  • ※:海外BWRプラントでの非常用炉心冷却系統ストレーナの閉塞事象を踏まえた原子力安全・保安院の指示を受け、格納容器再循環サンプスクリーンの有効性を評価した結果、設備上の対策が必要であると評価された。なお、設備上の対策を講じるまでは、閉塞事象発生時対応マニュアルの整備など暫定対策を講じることとしており、安全上の問題が生じることはない。
(4)1次冷却材ポンプ軸シール部改造工事 図−4参照

 設備の信頼性を一層向上させる観点から、シールの摺動面で発生した摩耗粉がNo.3シールの可動部に入り込み、シールの動きを阻害することを防止するため、1次冷却材ポンプ4台のNo.3シール部に1次系純水を供給して摩耗粉を排出する系統を新たに設置します。

(5)亜鉛注入装置設置工事 図−5参照

 作業員の被ばく低減を図るため、コバルト-60等の放射性物質が機器や配管内表面へ付着するのを抑制する効果がある亜鉛を1次冷却材中に注入する装置※1を化学体積制御系統に設置します。

  • ※1:1次冷却材中に放射化しにくい亜鉛を注入して、機器や配管内表面に被膜を形成させることにより、コバルト-60等の放射性物質が機器・配管内表面へ付着することを抑制し、1次冷却材系配管等の線量を低減する。亜鉛注入は国内プラントでの実績がある。
2.保全対策について
(1)2次系配管の点検等 図−6参照

 当社が定めた「2次系配管肉厚の管理指針」に基づき、2次系配管1,173箇所について超音波検査(肉厚測定)を実施します。
 また、過去の点検において減肉が確認された部位10箇所、配管取替え時の作業性を考慮した部位10箇所、今後の保守作業を考慮した部位154箇所、合計174箇所を耐食性に優れたステンレス鋼または低合金鋼の配管に取り替えます。

3.燃料集合体の取り替え

 燃料集合体全数193体のうち57体(うち56体は新燃料集合体で55,000MWd/tの高燃焼度燃料)を取り替える予定です。

4.今後の予定
原子炉起動、臨界 :平成21年4月下旬
調整運転開始 :平成21年4月下旬
本格運転再開 :平成21年5月下旬

 なお、定期検査の作業工程については、別紙を参照下さい。

以 上

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