プレスリリース
2007
2007年8月27日
関西電力株式会社
美浜発電所1号機の原子炉起動および調整運転の開始について
美浜発電所1号機 第22回定期検査の概要
1. | 主要な工事等について |
(1)原子炉容器管台溶接部等の応力腐食割れに係る予防保全工事 |
(図−1参照) |
国内外PWRプラントにおける、応力腐食割れ事例を踏まえ、600系ニッケル基合金が使用されている原子炉容器の1次冷却材出入口管台、安全注入管台、炉内計装筒管台の溶接部について、予防保全として、溶接部表面の残留応力を低減させるためのウォータージェットピーニング※1を施工しました。
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2. | 今回の定期検査中に実施した保全対策について |
(1)2次系配管の肉厚検査等 | (図−2参照) |
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美浜発電所3号機事故を踏まえ、2次系配管1,057箇所について超音波検査(肉厚測定)等を行った結果、計算必要厚さを下回る箇所、および余寿命評価で次回定期検査までに計算必要厚さを下回る可能性があると評価された箇所はなかった。(超音波検査1,043箇所※2、内面目視点検14箇所:今回で未点検箇所の点検を終了) | ||||||||||||||||||
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今定期検査開始時には76箇所の配管取替えを計画していたが、作業性の観点から3箇所を追加し、合計79箇所について配管を取り替えました。 |
3. 定期検査中に発生した安全協定に基づく異常事象 |
(1)余熱除去系統サンプリングラインの溶接事業者検査手続き漏れ | (図−3参照) |
今定期検査において、余熱除去系統サンプリングラインの溶接形状を変更する工事を行いましたが、平成19年2月16日、当該工事で実施した溶接箇所のうち、溶接事業者検査を実施する必要があった2箇所について、検査が未実施であることが判明しました。 調査の結果、工事に係る業務決定文書に溶接事業者検査の要否を判断したプロセスを示す資料を添付することになっていなかったため溶接事業者検査の要否を確認できる内容になっていなかったこと、業務決定文書などの審査者の役割分担や着目すべきポイントなどが不明確であったこと、当該工事の担当者に十分な知識の付与がなされていなかったことが問題であったと考えられました。 対策として、溶接事業者検査の要否を判断したプロセスが審査者にわかるように、フロー図および審査が確実に行えるような図面を業務決定文書に添付することとしました。また、審査者の役割分担や審査時に着目すべきポイントなどについて明確にすることを検討すること、および、溶接事業者検査に関する教育についてその実効性を検証し、内容等の改善を図ることとしました。 |
(2)原子炉格納容器内壁面の水のにじみ | (図−4参照) |
キャビティ水張り完了後の平成19年3月22日に、原子炉格納容器内のBループ室床面に小さな水溜り、および、壁面に水のにじみが確認されました。水の分析の結果、1次系統水であることが確認されました。 調査の結果、キャビティおよびキャナルのコーナープレート溶接部に塩素型応力腐食割れおよびコーナーアングル溶接部に延性割れが確認されました。 このため、これらの割れからキャビティ水が漏れ出し、コンクリート内を通って、壁面および天井面からにじみ出たものと推定されました。 対策として、割れが確認された溶接部については補修を行うとともに、予防保全としてコーナープレート部およびコーナーアングル部に樹脂を塗布し、遮水性能を高めました。 |
4. | 蒸気発生器伝熱管の渦流探傷検査(ECT)の結果 |
2台ある蒸気発生器のうち、B−蒸気発生器伝熱管(2,918本)について、健全性を確認するため渦流探傷検査(ECT)を実施した結果、有意な信号は認められませんでした。 |
5. | 燃料集合体の取替え |
燃料集合体全数121体のうち50体(うち24体は新燃料集合体)を取替えました。 また、燃料集合体の外観検査(23体)を実施した結果、異常は認められませんでした。 |
6. | 次回定期検査の予定 |
平成20年 春頃 |
以 上
・ | 別紙 :美浜発電所1号機 第22回定期検査の作業工程 |
・ | 図−1 |
・ | 図−2 |
・ | 図−3 |
・ | 図−4 |
・ | 美浜発電所1号機 第22回定期検査中の保全品質情報等について |
・ | 美浜発電所1号機 第22回定期検査中の発表実績 |