プレスリリース

2007年4月27日
関西電力株式会社

大飯発電所1号機の原子炉起動および調整運転の開始について

大飯発電所1号機 第21回定期検査の概要

1. 主要な工事等について
 (1)原子炉容器管台溶接部等の応力腐食割れに係る点検・予防保全工事 
(図−1参照)
   国内外PWRプラントでの応力腐食割れ事例に鑑み、600系ニッケル基合金が使用されている原子炉容器冷却材入口管台および蒸気発生器1次冷却材出口管台の溶接部について、外観目視点検や超音波探傷検査を実施し、異常がないことを確認しました。
 また、予防保全として溶接部表面の残留応力を低減させるため、原子炉容器冷却材出入口管台および炉内計装筒管台の溶接部についてはウォータージェットピーニング※1を、蒸気発生器1次冷却材出入口管台の溶接部についてはショットピーニング※2を施工しました。


※1: 金属表面に高圧ジェット水を吹き付けることにより、金属表面の引っ張り残留応力を圧縮応力に変化させる。
   
※2: 金属表面に金属の玉(ショット)を高速度で衝突させることにより、金属表面の引っ張り残留応力を圧縮応力に変化させる。

 (2)2次系熱交換器他取替工事  (図−2参照)
   2次冷却系の水質向上対策として、蒸気発生器への不純物持ち込み低減を図るため、給水加熱器等の伝熱管を銅合金製からステンレス製に取り替えました。
 また、復水器伝熱管からの海水漏えいを防止するため、伝熱管を銅合金製から 耐食性に優れたチタン製に取り替えました。 

 (3)1次系電動弁取替工事 
   安全注入系統に設置された海外製の電動弁3台について、保守性向上の観点から部品調達が容易な国産弁に取り替えました。 


2. 保全対策について
 (1)2次系配管の点検等 (図−3参照)
  美浜発電所3号機事故を踏まえ、2次系配管1,424箇所について超音波検査(肉厚測定)等を行いました。(超音波検査1,370箇所※3、内面目視点検54箇所。今回で未点検箇所の点検を終了)
その結果、必要最小厚さを下回る箇所、および余寿命評価で次回定期検査までに必要最小厚さを下回る可能性があると評価された箇所はありませんでした。
   
※3: 今定期検査開始時の計画では、2次系配管1,220箇所について超音波検査(肉厚測定)を実施する計画でしたが、下記のとおり計画を見直し、1,370箇所について超音波検査を実施しました。
   ・スケルトン図と現場との照合結果による変更・・・・・・・・・・ 13箇所増
   ・他プラントの減肉事象を踏まえた変更・・・・・・・・・・・・・・・ 206箇所増
   ・追加配管取替えによる点検部位の変更・・・・・・・・・・・・・ 69箇所減
合計150箇所増加
     
  今定期検査開始時68箇所の配管取替えを計画していましたが、点検で減肉傾向が確認された1箇所を含む95箇所※4を追加し、合計163箇所の配管を取り替えました。
   
※4: 追加分の内訳
   ・点検で減肉傾向が確認された箇所・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1箇所
   ・今後の保守作業を考慮して取り替えた箇所・・・・・・・・・・・ 60箇所
   ・他の配管取替え時の作業性を考慮して取り替えた箇所・・ 6箇所
   ・2次系熱交換器他取替工事にあわせて取り替えた箇所・・ 21箇所
   ・点検時の作業性向上のため取り替えた箇所・・・・・・・・・・・ 7箇所
合計95箇所


3. 蒸気発生器伝熱管の渦流探傷検査(ECT)
   4台ある蒸気発生器のうち、BおよびD−蒸気発生器伝熱管(計6,764本: 3,382本×2台)について、健全性を確認するため、渦流探傷検査(ECT)を実施した結果、有意な信号は認められませんでした。

4. 燃料集合体の取り替え
   燃料集合体全数193体のうち、77体(うち52体は新燃料集合体。全て55,000MWd/t高燃焼度燃料)を取り替えました。
 また、燃料集合体の外観検査(53体)を実施した結果、異常は認められませんでした。

5. 次回定期検査の予定
   平成20年春頃

以  上

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