当社原子力発電所における運営状況について、以下のとおりお知らせします。
1.運転状況について(平成16年3月15日現在)
()内は定格電気出力 |
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高浜発電所3号機の定期検査終了時期については、蒸気発生器伝熱管の補修工事(閉止栓施工)に時間を要したこと、および1次冷却系統漏えい検査中に2台の弁に不具合が発生し、点検を実施したことから、当初予定の3月中旬から4月上旬に遅れることとなります。
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2.保全品質情報※について(平成16年2月分) |
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実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則および電気関係報告規則に基づく報告事象や安全協定の異常時報告事象に該当する事象を含め、保安活動向上の観点から、産官学において情報共有することが有益である事象
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(1)法令に基づく報告事象や安全協定の異常時報告対象のうち重要な事象
該 当 な し
(2)(1)に至らない軽微な事象 |
発電所名 |
件 名 |
発生日 |
事象概要・対策等 |
大飯発電所3号機 |
1次冷却材中の放射能濃度の上昇について |
2月25日 |
運転中、1次冷却材中のよう素(I-131)濃度の測定を行った結果、通常値(0.6Bq/cm3程度)をわずかに上回る値で(0.98Bq/cm3)であることが確認されました。
その後、1次冷却材中の放射能濃度の測定頻度を上げて監視を強化していましたが、よう素(I-131)濃度はほぼ一定の値(0.87〜1.1Bq/cm3)で推移しているものの、通常値をわずかに上回るレベルを継続していることから、3月2日、燃料集合体に漏えいが発生した疑いがあるものと判断しました。
現在のよう素(I-131)濃度は、運転上の制限値 (40,000Bq/cm3)に比べて十分に低く、発電所の運転および環境安全上の問題はないと判断されることから、引き続き、1次冷却材中のよう素濃度の監視を強化しながら運転を継続しています。 |
美浜発電所1号機 |
格納容器送気ラインベローズ点検結果について |
第20回定期検査中 |
美浜2号機の第21回定期検査(平成15年9月~11月)において、格納容器送気(外気取り入れ)ラインの一部であり、格納容器外周部に設置している格納容器送気ラインベローズに貫通穴が認められた事象に鑑み、同様の箇所を点検した結果、美浜2号機と同様の貫通穴が認められました。
原因は、定期検査毎に当該ラインの運転・停止を繰り返してきたことにより、取り入れた外気に含まれる僅かな海塩粒子がベローズ内面に付着・濃縮し、これを起点とした塩素型応力腐食割れによって損傷に至ったものと推定されました。
対策として、ベローズ内面より、貫通穴部を含む周辺箇所について接着剤を塗布し、損傷部の補修を実施しました。
なお、当該ラインは、定期検査時のみ格納容器作業に係る換気用として運転するものであり、プラント起動前には、格納容器送気隔離弁にて外気取り入れを遮断し、運転を停止しますが、今後の設備保全のため、次回定期検査時に当該ベローズの取り替えを計画します。
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高浜発電所3号機 |
1次冷却系統漏えい検査中の不具合について |
第15回定期検査中 |
第15回定期検査において、1次冷却系統に圧力をかけて、系統全体からの漏えいがないことを確認する検査を実施していたところ、平成16年2月26日、充てん/高圧注入系統Bループ低温側ベント弁、および余熱除去系統Bループ戻りドレン弁のシート部からごくわずかな漏れを確認したため、当該弁2台について点検を実施することとしました。
点検の結果、2台とも弁体および弁座のシート面に割れ等の異常は確認されませんでしたが、弁体シート面に、1次冷却材が漏えいした跡と考えられる変色が確認されました。
このことから、漏えいの原因は、今回の定期検査で弁を開放した際に、弁のシート面に微小な異物が付着し、弁を閉じる際に噛み込んだことから、シート部にわずかなすき間が発生したためと推定されました。
これら2台の弁については、シート面の手入れを実施した上で復旧し、3月2日に再度検査を行い漏えいのないことを確認しました。
対策として、今後は1次冷却系統漏えい検査の準備段階において、弁からのシート漏れ状況を確認し、シート漏れが確認された場合、弁をわずかに開閉し、シート部に噛みこんだ異物等を排出することとしました。
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以 上
<参考資料>