プレスリリース

2002年9月10日

電気料金引下げの届出について

 当社は、平成12年10月に電気料金の引き下げを実施いたしましたが、その後も、電力の安定供給、地球環境問題への対応など、電気事業の基本的使命の達成に努めるとともに、競争力の確保と財務体質の改善を図るため、経営のあらゆる分野において、徹底した効率化に全力を傾注してまいりました。 

  一方この間、小売り自由化部門における競争や分散型電源をはじめとするエネルギー間の競合など、当社を取り巻く経営環境は、ますます厳しさを増しております。

  このような状況のもと、当社は、多くのお客さまに信頼され、選ばれる企業となるため、『中期経営方針』に基づき、「商品・サービス力」、「価格競争力」のさらなる強化を重要課題として諸方策を推進しているところであります。

 こうした取り組みに沿って、電気料金の引き下げについても準備を進めてまいりましたが、このたび、今後の効率化の成果と収支状況について、所要の見通しを得ることができましたので、このたび、電気料金の引下げを実施することといたしました。

  今後とも、さらなる経営の効率化を推進することにより、競争力と財務体質の強化に努めるとともに、お客さまのニーズや期待に応える魅力的なサービスのご提供を通じて、お客さまにとっての新しい価値を創造してまいる決意であります。

  何とぞ、当社に対し、引き続きご愛顧賜りますよう、お願い申し上げます。



I 平成14年度経営効率化目標

   さらなる経営効率化に努め、より多くのお客さまに選んでいただける料金レベルとサービスを提供すると同時に、生み出したキャッシュフローを財務体質の改善に重点的に充当します。



II 今後の経営効率化の具体的取り組み

1.設備形成の効率化
  (1)設備投資のさらなる削減 
     設備投資については、既設設備のさらなる利用率向上を図るとともに、新技術・新工法の導入によるコストダウン、設備の重要度に応じた改修時期・範囲の見直し、資材調達コスト低減への取り組みなどを織り込み、平成14~16年度の設備投資は平均3,400億円以下とすることを目指します。
 なお、平成14年度の設備投資については、3,680億円と計画しており、昨年度計画から約700億円の削減を図っております。



  (2)資材調達コストの低減
     資材の調達においては、価格競争力のある取引先の開拓、規格・仕様の合理化、サプライチェーン・マネジメント、株式会社商いビズスクエア等による電子商取引サービスを積極的に活用するなどの多様な取り組みにより、当社にとって最適な資材調達を推進してまいります。


2.設備運用・保全の効率化
  (1)原子力利用率の向上
     今後も引き続き、安全性、信頼性の確保を前提とした上で、定期検査中の特別工事を計画的に集約する等の効率化の推進に加え、平成14年度からは定格熱出力一定運転の導入により、原子力のさらなる高稼働運転に努め、85%以上の原子力利用率を達成することを目指します。

  (2)石油火力機の長期計画停止拡大
   小容量火力については、平成12年度から総合的な効率化を目的とした長期計画停止を行っていますが、平成13年度には高経年で効率の低い一部小容量火力15ユニットを、設備維持コスト低減や資産圧縮の観点から廃止いたしました。
 また、平成13年度からは、中大火力機についても、経営効率化の観点から、その一部を停止しておりますが、至近の需要動向を勘案し、今年度はさらに90万kW追加し、修繕費、諸経費の一層の削減を図ることとしました。なお、これらのユニットにつきましては、今後の需要の伸びに応じて順次再稼働することとしております。



  (3)修繕費の低減
     平成13年度の修繕費は、効率化努力に加え、翌年度以降への一時的な繰り延べを行ったこともあり、2,450億円と前年度に比べて約328億円減少しました。各年度の修繕費は、定期点検スケジュール等の変動による増減が避けられませんが、設備保全の効率化に努め、その変動を抑制し、長期的な低減を目指してまいります。

3.業務運営の効率化
  (1)国際展開に関わる体制の見直し 
     今年度末までに既存の海外事務所を廃止し、必要に応じて機動的に海外拠点を設けることで、国際人脈と海外拠点による有機的なネットワークを構築してまいります。
     
  (2)請負多層構造の簡素化
     現場第一線技術力の確保を最優先に、グループ直営力を活用し、各工事毎に、一層効率的な体制を構築することにより、請負体制の多層構造を簡素化し、低コスト体質への改革を進めてまいります。
     
  (3)要員の効率化
     採用抑制の継続、グループ企業への出向・転籍、期間を限定した早期退職優遇措置等のさらなる充実により、管理部門、発電・流通部門等の要員効率化をさらに進め、「平成16年度末までに平成13年度9月末から電力本体の要員を
3,000人程度削減する」ことを目指します。
 また、上記計画にとどまらず、業務のアウトソーシングなどにより、電力本体の要員数の一層の削減を検討します。
     
  (4)ITの活用による業務効率化
     保全業務の効率化をねらいとした「流通設備保全管理システム」の開発や、人事・労務部門等の管理間接業務へのERPパッケージの導入など、従来の業務を抜本的に見直す新システムの開発、導入を行い、効果的にITを活用することで、業務効率化に努めてまいります。


III お客さまに選択していただくための取り組み 

1.お客さま価値の創造
  (1)お客さまのニーズにあった商品・メニューの開発
     エコキュートやリフォーム対応床暖房など魅力ある新商品を開発するとともに、はぴeパッケージの拡大、省エネ診断や瞬時電圧低下対策など、サービスメニューの充実を図ってまいります。

  (2)選択約款の新設および変更
     お客さまからのご意見ご要望、負荷平準化や経営効率化効果等を勘案し、本料金改定にあわせて、新たに「業務用総合電化契約」を設定するとともに、「はぴeタイム」における土曜日を休日扱い日に変更する等、既存の選択約款につきましても一部見直しを行いました。

  (3)電化ライフ相談室の機能強化
     スタッフのコンサルティング能力の向上を図るとともに、電話受付からコンサルティング・現場出動までスピーディかつ一貫して行える体制を強化してまいります。

  (4)コールセンターの設置
     平成15年度以降、お客さまセンター受付業務を4箇所程度のコールセンターに集約し、サービス・業務改善につなげるとともに、クイックレスポンスの提供等、お客さま満足の獲得に努めてまいります。

  (5)営業所組織の再編
     本年6月に、お客さまの満足の向上と販売力の強化、併せて業務運営の効率化を図るため、三宮・兵庫営業所を統合し、新たに神戸営業所を設置いたしました。また、福知山営業所に舞鶴営業所および宮津営業所の計画・管理機能を集中化するなど、3営業所の機能を再編いたしました。
 来年度以降、従来41カ所あった主要営業所を半数程度に再編する方向で検討してまいります。

  (6)レドックスフロー電池のコストダウンの加速
     電池本体についてさらなるコストダウンを強力に進めるとともに、負荷平準化に加え、瞬時電圧低下対応、非常用電源等の多機能化を図り、ソリューション営業メニューを拡大してまいります。

  (7)低温作動SOFC(固体酸化物形燃料電池)の開発研究
     既に、世界最高の出力密度を実現する電池セルを開発しておりますが、今後は、引き続き数kW〜数百kW級システムの開発を目指していきます。

2.負荷平準化への取り組み
   平成23年度に57.3%の負荷率を達成すべく、選択約款メニューのさらなる普及促進や主に夜間の安価な電気を利用する自然冷媒(CO2)ヒートポンプ給湯器「エコキュート」の販売促進などにより、毎年度、着実な負荷率改善に努めてまいります。

以  上


<参考資料>
ポリマー製ケーブル終端部の水平取付による鉄塔改造工事費の削減
人事・労務システムの再構築
流通設備保全管理システム
電線防護管連結部の再生による資材の有効活用
ポリマー製T分岐スペーサ採用による配電線工事費の削減
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