プレスリリース

2000年8月29日

米国電力事業への参入について

 当社は、このたび、電力自由化への対応戦略の一つとして、米国内での電力事業に参入することとしました。
 具体的には、米国モルガン・スタンレー・ディーン・ウィッターの米国関連会社との折半出資合弁会社「ナニワ・エナジー」(仮称)を設立し発電事業を実施します。
 また、当社の100%子会社で海外事業展開の核である「関電インターナショナル」(社長:藤洋作、設立:平成10年5月)の子会社(当社の孫会社)として「KPIC ノース・アメリカ」(仮称)を設立し、電力取引市場へも参入いたします。

 米国では、90年代の景気拡大に伴い、電力需要が大きく伸びている一方、供給面では、電力自由化に伴う設備投資抑制等のため、新規電力設備の建設が進んでおらず、供給力に不安を抱えている状態です。特にここ数年は、夏季ピークの需給がひっ迫し、早期に運転を開始できるガスタービン発電所へのニーズが非常に高まっています。
 そこで、当社は、現在、主に夏季ピーク対応用として運用している大阪・宮津・東灘ガスタービン発電所(各6万kW×2基:計36万kW)を、昨今の電力需給状況から当面供給力として必要ないと判断し、これを活用して北米での発電事業に参入することとしました。

 大阪・東灘・宮津ガスタービン発電所は、本年9月末を目途に廃止し、ガスタービンを「ナニワ・エナジー」に売却します。「ナニワ・エナジー」はこれを使って北米で発電事業を行います。「ナニワ・エナジー」が発電した電力は「KPIC ノース・アメリカ」が買い取り、米国電力取引市場での売電に充当します。

 当社としては、今回の事業参入により、

  1. 事業領域の拡大と収益の確保、
  2. 日本に先立ち電力自由化が導入された米国での電力取引のノウハウの修得、
  3. 発電所廃止による経費節減および資産の圧縮
    が図られるものと考えています。

 本事業は、フィリピンにおける水力卸発電事業、東欧諸国における省エネルギー事業に対する投資基金への参画に続く、当社として3番目の海外投資案件となります。  今後とも、海外におけるエネルギー事業に積極的に係わることにより、事業領域の拡大を図るとともに、様々なノウハウを蓄積し、電力競争時代を勝ち抜いていきたいと考えております。

以  上

<参考資料>


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