プレスリリース

1999年6月11日

原子力発電所の通報連絡と安全確保の徹底について(別紙)

(別 紙)

 今回御要請のあった迅速かつ適確な通報連絡の実施とヒューマンエラーの防止対策等については、以下の改善策を策定しましたが、今後の具体的な取り組みや実施状況の把握、さらには新たな課題に対しても適切に対応するため、若狭支社長を委員長として、各発電所長、本店幹部等を委員とする「発電所運営特別委員会」をこの度若狭支社に設置しました。
 今後、この「発電所運営特別委員会」を有効に機能させ、かかる事態が再発しないよう全力をあげて取り組みます。

[御要請事項1]
安全協定の主旨を十分踏まえ、通報連絡の徹底について、個々の社員意識の改善を図るとともに、所外および地元自治体への迅速かつ積極的な通報連絡ができるよう、組織体制等について必要な改善を図ること。
  • (1)通報連絡に係る意識の改善
    • a.各発電所の通報連絡責任者および補助者に対して、若狭支社長等による「指導会」を開催し、通報連絡の重要性、判断能力の向上や安全協定の遵守について、更なる徹底を図るよう指導しました。
      また、今回開催した「指導会」を今後も継続的に実施します。
    • b.原子力に対する県民の意識や視点について、社員の認識度や意識を外部機関によって調査し、社会的視野の拡大を図るために必要な改善策を検討し、実施します。
    • c.若狭支社長から各発電所長に対し、発電所の安全確保およびトラブル発生時の迅速かつ適確な通報連絡の重要性と確実な実施について、文書で指示するとともに、同主旨について発電所長が全所員に対して文書および訓話により再徹底を図りました。
    • d.より開かれた発電所を目指すため、役職者から担当者までを対象として、通報連絡の重要性や情報の公開、原子力と社会とのかかわり等について、社外有識者による教育を計画的に実施します。
  • (2)通報連絡に係る組織体制等の改善
    • a.安全協定の主旨を踏まえた通報連絡の徹底を図るため、若狭支社長を委員長として、各発電所長、本店幹部等を委員とする「発電所運営特別委員会」を若狭支社に設置し、通報連絡の確実な実施に努めます。
    • b.種々の事象発生時において、技術的な通報連絡の判断だけでなく、事務系役職者の社会的な視点も含めて積極的かつ適切な通報連絡ができるよう、所内体制の強化について具体的な検討を行います。
    • c.通報連絡の重要性の観点から、発電所と若狭支社間での情報の共有化を強化するため、技術系による連絡に加え、発電所の事務系役職者も必要な情報を若狭支社に連絡し、支社からの適切な指導や助言も受けることが出来るような仕組みを検討します。
    • d.迅速かつ適確な通報連絡が出来る人材を育成するため、過去のトラブル事例から得られた教訓をとりまとめ、それを活用した事例検討会を行います。
      また、通報連絡時に、分かりやすく適切な情報が発信出来るよう訓練内容の充実を図ります。
[御要請事項2]
定期検査時の作業や運転操作時等におけるヒューマンエラー発生防止の観点から、確認行為等の基本動作の徹底を図るとともに、関連する諸規則等について徹底した再点検を行い、必要な改善を図ること。
  • (1)基本動作の再徹底
    • a.若狭支社長から各発電所長に対し、基本ルールの徹底等原点に立ち返った取り組みを行い安全確保に万全を期すよう文書で指示しました。
      また、同主旨について発電所長から全所員に対し文書および訓話にて再徹底しました。
    • b.発電室長は当直課長に対して、毎直のミーティングにおいて相互確認と復命復唱等の基本動作を確実に実施すること、および操作前には関係者で入念な打ち合わせを行うよう文書で指示しました。
    • c.各発電所において全運転員を対象に、再発防止の観点から今回の事象に関する事例検討会および基本動作に関する研修会(教育)を実施しました。
    • d.相互確認等基本動作の再徹底を図るため、ヒューマンエラーに係る過去事例等を用いた教育を定期的に実施します。
  • (2)関連する諸規則等の再点検
    • a.相互確認等基本動作を再徹底するため、関連社内規則に記載してある基本動作に関する遵守事項を更に充実し明記します。
    • b.定期検査時の運転操作に係る諸規則について、操作手順の妥当性や明確化の観点から再点検し、必要な改善を実施します。
    • c.定期検査時作業における運転と保修の連携が更に確実に図れるよう、一部の関連諸規則を改善するとともに、ヒューマンエラー防止の観点から、今後も必要な再点検を継続します。
[御要請事項3]
原子力発電所に従事する全社員に対し、過去のトラブル事例を教訓として、教育の徹底と技術レベルの向上について必要な改善を図ること
  • a.原子力発電の安全、安定運転を今後とも維持していくため、保修訓練センター、品質管理センター等を有効に活用した教育訓練の充実や、安全システム研究所の研究成果を積極的に活用することにより、技術の伝承とレベルの向上に努めます。
  • b.当社においてこれまで蓄積してきた技術的ノウハウに加え、過去のトラブル事例を貴重な教訓として、更なる技術的な理解が必要な事象(水撃作用、熱成層現象等)については、職場内教育等においてその発生メカニズムの教示と防止策の徹底に努めます。

以 上

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