美浜発電所3号機 主な安全性向上対策工事の実施状況
美浜発電所だよりVOL.94 2018年9月発行
美浜発電所3号機は新規制基準に適合するための安全性向上対策工事を実施しています。現在、耐震性向上のための火災防護対策工事や津波対策の防潮堤設置工事などの大型工事を進めているところです。今後も安全最優先で取り組んでまいります。
- 工事内容の例
⑤火災防護対策工事 - 火災発生防止の観点から、安全機能を有する機器の非難燃ケーブルについて、難燃ケーブルへの取替えや防火シート施工による防火措置を実施しています。
また、火災の早期の感知・消火のため、異なる種類の火災感知器やハロン消火設備、スプリンクラー等を追加設置します。
美浜発電所1、2号機は将来の解体に向けた準備期間として、原子炉容器内外の残存放射能調査を行っています。
また、放射性物質の汚染のないタービン建屋内機器等の解体工事についても順次実施しています。
原子炉容器外の系統毎に機器・配管の放射線量を測定、次に残存する放射能を評価し、最後に汚染状況を把握するものです。
現在は、放射線量の測定後の結果整理を行っています。
機器・配管の放射線量を測定している様子
放射性物質の汚染のないタービン建屋内機器等(保温材、タービン、復水器、給水加熱器等)の解体撤去作業に着手しており、現在は保温材と機器の解体撤去を行っています。
(工事例)美浜2号機 主油タンク及び付属設備撤去
近年、各地で地震が多発しています。2016年4月には熊本地震、2018年6月には大阪北部地震、直近では9月6日に北海道胆振東部地震など、数多くの地震が発生し、様々な被害をもたらしています。
そのような中、先般実施しました訪問活動において、住民の方々から多発する地震に対する「不安」や「ご心配」のお言葉を多数いただきましたのでお応えいたします。
地震の多い日本だからこそ徹底した調査と最大の地震を考慮し、硬い岩盤の上に建設しています。
また、美浜発電所では、新しい審査基準のもと、美浜発電所に一番近い断層の与える影響を考慮し、基準地震動を993ガル(断層の上端深さ3km)と策定し耐震工事等を進めています。
当社は2004年8月9日に発生させた美浜発電所3号機二次系配管破損事故の反省と教訓を深く心に留め、「二度とこのような事故を起こしてはならない」という決意を新たにするため、毎年8月9日を「安全の誓い」の日と定めております。
事故発生時刻には、全社一斉に亡くなられた方々のご冥福をお祈りし、黙祷をささげるとともに、重傷を負われた方々の一日も早いご本復を心からお祈りしました。
そして、発電所員ならびに協力会社員が引き続き安全最優先で取り組むことを改めて誓いました。
- 事故の概要
- 2004年8月9日15時22分、美浜発電所3号機において、タービン建屋の2次系配管が破損し、中を流れていた高温・高圧の熱水が噴き出しました。2次系配管内の流量を計測する計器(オリフィス)の下流部が、中を流れる水の作用によって、徐々に薄くなったことが破損の原因でした。
事故発生時に配管付近で作業を行っておられた協力会社の方11名が噴き出した熱水により被災され、うち5名の方が尊いお命を亡くされ、6名の方が負傷されるという極めて重大な事故となりました。